「私はあなたの全てを愛せないし、楽しいと言うことも楽しめないかもしれない」

私は、わがままでどうしようもない人間だ。だからあなたが私を選んだ理由がわからないの。でも、わからなくても私があなたを愛していたから理由なんてどうでもいいと、気にしないふりをしていた。
「ねぇ？」
「ん？どうかした？」
「いや、なんていうか、今更なんだけど、私ってわがままじゃない？その上、性格もあまりよくないじゃない、、どうして私なのかなって。」
「君は何でもはっきりしているし、裏も表もない。そして、僕は君をどこまでも許せる自信があったんだよ。」
「？つまり？」
「簡単なことさ、つまり、愛していたからだよ。でも君はその理由を知りたいんだろ？」
「まぁ。」
私のことを愛してるなんて、初めて聞いた。私は、自分に自信があるように振る舞うことは得意だけど、本当は、自信なんてないし、ずっと迷っている。そこから連れ出してくれたのがあなただった。だから、不思議なの。私は、あなたに何もしてあげられないのに、わがままばかりで。だから、いつか絶対に愛想を尽かされてしまうって怖いのよ。けど、私は変わる気はないから、どうしようもないのよ。
「君は僕が持っていないものをたくさん持っているし、喜怒哀楽がはっきりしているからいっしょに居て飽きないんだ」
「え？持ってないもの…？」
「うん。君にしかないものが沢山あるんだよ。それに君は自己評価が低いくせに強がるから、1人で生きられそうだなって最初は騙されてたんだよ」
「たしかに、良く言われてたわ」
「他にも君じゃなきゃだめな理由は沢山あるけど、やっぱりたどり着くのは「愛」なんだよ」
「たしかに、そうね。」
「…愛してるよ」
「！どうしたの？急に」
「不安になったんだろ？君、こういうことあんまり言わないじゃん」
そうだった。この人は私を良く見ていてくれる。そして、いつも愛おしそうな目で私を見る。
「なんでもお見通しね」
「君のことならね。…君が自分のことを嫌いでも、僕は永遠をいつまでも誓うよ。そして、今を愛するよ」
「…ありがとう」
「あ、お礼代わりに愛してるって言ってよ。あんまり君から聞いたことない」
「えー…」
「えー？！嫌なの？」
「…愛してる」
「僕も、愛してるよ」
この人とは永遠を望めるかもしれない、いや、望めると錯覚していたい。

-あとがき的なやつ-
全部愛すというより、どれだけ許容できるかの方が大切かもしれないなとふと思いました。
どうやって愛を伝えるかというのは、両者にとって、とても大事ですよね、言葉だけじゃ意味ないし、行動だけじゃ義務感が否めない。どちらかだけだと不安になりますよね。お互いが同じ温度で愛せるのはとても良いなと思いました。