STORY⑦ オトナになれない僕が、コドモたちの夢を叶えたいと思った日。


移動式ミュージックバー、『ZIPCODE Tokyo』

本質を見抜く目を持ち、誰にも媚びることなく、信条や価値観を自ら決める事ができる「オトナ」と、夢や目標はあるがアクションまでには至っていない「コドモ」が出会えるような、一種の “社交場” を目指した。

『日本/海外』、『各国の都市/東京』、『ハイブランド/ファストファッション』といった、ありとあらゆるすべてが並列に見られる時代だからこそ、“本質的な価値” を自らで決めたり、「コドモ」が通るその過程を、「オトナ」が助けたり。そんな場所を作りたかった。「コドモ」が夢を見られて、なおかつそれを叶えられる場所。

コンセプトメイクにはじまり、コンテンツへの落とし込み、メニュー開発・仕入れ、移動販売車の製作、オペレーションマニュアルの作成などなど、ありとあらゆること全てを “手づくり”で行った。自分で手を動かし、自分で悩み考え、自分ですべてを決める。これこそが、“手ざわり” のある仕事だった。僕の、ひとつ目のチャレンジ。


詳しいことはここでは話さないが、きっと、この挑戦は「上手く行かなかった」のだと思う。もちろん、“自分の仕事” としてすごく楽しかったし、やり甲斐もたくさんあった。が、永遠に続くものではなかったように思う。心の底から悔しいが、正直、“失敗” だった。


でも、何度失敗しても、チャレンジし続けたい。僕が経験してきた、クラブでの「オトナとコドモの出会い」を、いつかどこかで表現したい。僕もまだまだ、世に言う “大人” にはなれていないけれど、その上で、過去の大人たちに “恩返し” をしたい。コドモたちの夢を叶えてあげたい。きっと諦められないはずだ、と思った。自分が体験してきた、「社交場」を体現するまでは。

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