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1000日チャレンジ 796日目 宇都宮美術館「とびたつとき 池田満寿夫とデモクラートの作家」展

ゴールまで204日

★BMI:24.7

★先日、宇都宮美術館で開催中の「とびたつとき 池田満寿夫とデモクラートの作家」展を観たので、記録として残しておきたい。

美術館入口の案内板

◎概要【会期】2023年4月30日[日]~ 2023年6月18日[日]【会場】宇都宮美術館【主催】宇都宮美術館【協力】広島市現代美術館、和歌山県立近代美術館(以下、公式web siteより引用)「池田満寿夫が1997(平成9)年に亡くなって四半世紀がたとうとしています。彼の版画作品がどれほどまでに世界で評価され、また彼が芸術家としての道をどれだけ情熱的に歩んだか、今日あらためて問いかけることには大きな意味があると思われます。 池田満寿夫は1934(昭和9)年に旧満州国・奉天で生まれ、終戦の年に父母とともに長野に引き揚げました。高校を卒業後、画家を志して上京し、東京藝術大学を3回受験するも失敗。そうした頃、1955年に靉嘔(あいおう)に出会い、彼を通じて瑛九(えいきゅう)や久保貞次郎を知ることになります。瑛九はデモクラート美術家協会を創設し、大阪・東京の若き作家たちのリーダーとして大きな影響力を持つ人物でした。また久保は「創造美育」運動の主宰者であり、版画のコレクター、そして美術評論家でもありました。久保は栃木県真岡市の自邸に作家たちを集め、コレクションを囲んだ芸術談議で彼らの版画への情熱を引き出し、その活動を支えていきます。 デモクラートの作家たちは多くの人に見てもらえる版画の制作に力を入れ、瑛九から版画をすすめられた池田もデモクラートの最若手のひとりとして活動に参加しました。池田は関西を拠点とする泉茂ら版画家たちと交流を深め、自身も久保の後援により銅版画の制作に打ち込んでいきました。 戦後、国力を回復してきた日本は、初の国際現代美術展として1957(昭和32)年に第1回東京国際版画ビエンナーレ展を開催します。池田とデモクラートの多くの作家たちが同展に入選し、彼らの飛躍の一歩となりました。その後も池田をはじめ若い作家たちは版画の可能性を拓く制作活動を続け、なかでも池田の作品は1966年のヴェネチア・ビエンナーレでの版画部門国際大賞を受賞するなど国際的な評価を受けて脚光を浴びていきます。 本展では、1950年代から1966年頃までの池田満寿夫の作品とともに、池田が影響を受け、また交遊のあった作家の作品を紹介し、当時世界を席巻した日本の版画をふりかえります。」

★今回は撮影できる作品が無かったので、印象深かった作品のタイトルを主な作家の紹介とともに記録しておく。)
瑛九;1911-1960;宮崎県出身;(本名;杉田秀夫);1951年にフォト・デッサン集『真昼の夢』刊行。デモクラート美術家協会結成。1957年デモクラート美術家協会解散。コラージュ作品や油彩、エッチング、リトグラフなど多彩な創作活動を展開した。
瑛九「自転車」(1956年;油彩;和歌山県立近代美術館所蔵)
吉原英雄;1931-2007;広島県出身;1955年デモクラート美術家協会に参加。1957年に第1回東京国際版画ビエンナーレにリトグラフ「ひまわり」を出品し池田満寿夫とともに入選。初期はリトグラフ、後にリトグラフと銅版を併用。女性や静物などをモチーフにした作品が多い。
吉原英雄「火の鳥」(1957年;リトフラフ;和歌山県立近代美術館所蔵)
泉茂;1922-1995;大阪府出身;
泉茂「待機」(1954年;エッチング、アクアチント;和歌山県立近代美術館所蔵)
池田満寿夫;1934-1997;満州出身;1956年デモクラート美術家協会会員によるエッチング講習会の助手として参加し入会。1957年に第1回東京国際版画ビエンナーレに入選。1966年、32歳でヴェネツイア・ビエンナーレ展版画部門の国際大賞を受賞。1977年には『エーゲ海に捧ぐ』で芥川賞を受賞。画家・版画家・挿絵画家・彫刻家・陶芸家・作家・映画監督など多彩に活躍した。
池田満寿夫「日光浴する貴婦人たち」(1962年;ドライポイント、アクアチント、雁皮刷;広島市現代美術館所蔵

☆数十年ぶりに宇都宮美術館を訪問。今回のお目当ては池田満寿夫さんの作品。池田さんの作品が大好きで、長野県長野市松代町の池田満寿夫美術館にはよく行っていたのだが、2017年に休館してしまい。なかなかまとまった数の池田作品を観る機会が無くなってしまった。今回の展覧会は、和歌山県立近代美術館を皮切りに宇都宮美術館、長野県立美術館、広島市現代美術館を巡回する。今回の池田作品の多くは、広島市現代美術館の所蔵作品のようだ。いつか広島市現代美術館のコレクション展にも行ってみたくなった。
今回の展覧会、戦後の若い芸術家たちが飛躍していく様子を年代を追ってみていく構成になっていた。前半の泉茂や瑛九の作品は見ごたえがあって、あれ、池田満寿夫メインじゃなかったのか?と思ったのだが、ごめんなさい、後半は怒涛の池田満寿夫作品群。池田満寿夫の油彩の作品もあって見ごたえのある展覧会だった。なかなか、現代日本の版画をまとめて見る機会もなかったので、楽しめた。

http://u-moa.jp/exhibition/pdf/2023exhibition_flyup.pdf

展覧会ポスター

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