『1分で心が震えるプロの言葉100』上阪徹(東洋経済)を読む

ブックライターの恩師が上梓された本を読了しました。

超一流のプロは何が違うのか?
◎経営者、起業家、学者、アスリート、芸能人……、3000人以上のプロの言葉から、読んだら忘れられない100人のパワーフレーズを厳選しています!
◎解説を含めて1話1分で読めます! 仕事や人生でモヤモヤしている悩みが消える超一流のプロの働き方・生き方のヒントが1冊に凝縮しています!
◎働くことに迷う人、逆境に置かれている人、成功・幸せをつかみたい人にお勧めです。あなたの人生を変える〝最強の言葉〟がきっと見つかります!

その100の言葉の中から、私の3つを選んでみました。

64 宇都宮健児 弁護士
「強者や裕福な人は自分を守れる。守れない人のために、弁護士はあるんです」

 私は中小企業診断士です。文字通り、中小企業のためにあるものです。大企業と仕事をしていたり、年収1000万円を超える中小企業診断士の方々もおられますが、私はどちらにもあてはまりません。私は、日々、中小企業の経営者と共に悩み、苦しみ、怒り、哀しみ、そして、喜びながら、お手伝いしています。成果があがり喜ばれることが、この上ない“魂へのご馳走”です。

42 為末大 元日本代表ハードル選手
「居心地の悪い場所に好んでいく。定期的に恥をかく」
「自分を褒めてくれる人や、自分が気持ちいい人たちと会っていると、ごまかし続けられるんですよ。これでは危ない」

 自分が何もわからないところへ飛び込んでいくと、質問しようにも何を質問したらいいのかわかりません。そこで恥をしのんで、イロハのイから教えてもらうようにしています。そうすると、少しずつ、見えてくるものがあります。私はそうやって生きてきました。
広告代理店にいたのですが、ガス会社へ出向しないかと言われて、とりあえず、行ってみました。専門用語がチンプンカンプンで、全然ついていけませんでした。出向先の上司に相談すると「現場へ行け」。街のガス屋さんのセールスマンと一緒に、普通の家を1軒1軒飛び込み営業しました。
転職して食品会社へ行くと、またもや業界用語の嵐、でした。営業にお願いして大手コンビニへ商談に行き、2時間待たされた挙句、商談時間は5分と言われました。営業が前夜手作りで作った新商品のサンプルが受け、5分が30分になりました。 
中小企業診断士として独立起業し、京阪神の商工会議所に対し、しらみつぶしに飛び込み営業をかけました。成果はゼロ、自分が何者でもないことを思い知らされました。
自分の強みは何か、相手は何を求めており、自分はそれに対して何を提供できるのか、毎月ハローワークに通いながら、悩み続けました。
こうして、64歳になった今も、新しい恥をかき続け、1ミリずつでも成長しています。

100 野田一夫 経営学者
「明日は誰にも保証されていない」
「新聞は、社会面から読め。どこどこの街で事故が起きて誰誰が亡くなった、そんな小さなベタ記事から読むんだ。いつなんどき、自分の名前がここに出てくることになるのか、わからないということを思い出すために」
 「もしかすると明日はないかもしれないと気づけば、今日を懸命に生きるようになる。君は今日を懸命に生きたか」

『100の言葉』の最後が、このフレーズでした。なるほど。最後にふさわしい。思い起こせば、10年前のある夜、眠りに着く直前、「おれはいつかは死ぬんだ」と思いが急に襲ってきて、「現場で手応えのある仕事がしたい」と、東証一部上場企業の関西支社マーケティング局長から希望して営業一兵卒になりました。この日から、私の人生は私のものになり、面白くワクワクするものになりました。

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