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春の鎌倉巡り 海棠が咲く妙本寺 19.04.07 15:39

本日の散歩のメインイベンター、妙本寺です。

鎌倉大町の妙本寺です。住所的には大町なのだがこの辺りの谷戸は比企谷と呼ばれている。
名前のルーツは鎌倉時代の比企一族の屋敷跡だったためで、比企氏は鎌倉時代の御家人。源将軍に取り入りすぎて、また、北条討伐を企てたとして逆に北条に返り討ちに。これは比企能員の変と呼ばれている史実。その屋敷跡に比企一族の菩提をともらうために法華堂を建てたのが始まりで、昭和の初めまで池上本門寺と両山一首制をとっていた日蓮宗の寺院です。

悲しい歴史の妙本寺ですが、春の境内に咲く海棠が有名。鎌倉三大海棠と呼ばれるほど見事な海棠は、小林秀雄と中原中也の再会の場所。三角関係の和解をしたことに成っているけれども、程なく中原中也は亡くなり、真相はすべて故郷で眠る中原中也の墓石の下です。
夭逝した詩人と文学者と海棠。いくらも時期は違わないはずなのに、桜ではなく海棠であったところがちょっと詩的な感じがします。


妙本寺は、鎌倉葉山街道の駅への脇道から総門を入って谷戸の奥へ奥へと入ったところ。石段を上がって二天門をくぐると正面には巨大な祖師堂が。そしてその脇に従うように海棠が今まさに満開。
桜より少し遅く訪れる海棠はありがたい順序で咲くのだけれども、今年は桜も海棠もどちらも早めで同じくらいのタイミング。
なにがどうしてそなるのか?そんなこともあるのだなぁ。

妙本寺は鎌倉駅にも近く歴史的にも文学的にも知名度が高いので参拝客が後をたちません。
巨大な祖師堂に上がれて歴史と文学の空気感を感じながら休憩できるのも日蓮宗の懐の深いところ。
季節に寄っては夕日が美しいのだけれども、今日はもうクタクタでその時間まで粘れそうもない。
海棠だけでなく初夏の新緑、秋の紅葉もまた見事な境内です。


妙本寺はこの辺り


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