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無題

誰もわたしのことを知らないまま、知らない人たちの前で自分ではない何かになりたい。演技をしたい。でも写真にはその時々の自分を残したい。

こんな幼い考えを持ったまま何者にもなれず、何者にもならなくていいと受容し考えることもできず30歳を迎えるだなんて恐ろしくて生き恥のようで死にたくなってくる。まぁまだ8ヶ月もあるけど、もう8ヶ月しかない。ソロウェディング撮ったらぷっつり死んじゃいそうでこわくなる。

いよいよ羽化すらせず蛹のまま死にゆく蚕のようになってきた。

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数年間歯科医院を転々としつつも今も歯科助手として働いている。最初は楽しく興味を持って仕事をしていたし三年後には衛生士学校に通い歯科衛生士になりたいと将来を見据えた。歯科助手の間に歯科衛生士さんと同じ知識を蓄える為にいろんなことが学べる職場を選んで勉強をした。でもそこはブラックだった。どんなに勉強会が面白くてたのしくて、レポートを褒めてもらえても、仕事に戻ればただのパワハラ理事長。経営者と歯科医師としては尊敬するものの、その人の下で働くには限界があった。評価をされて立場が上に行けば行くほどパワハラを受けるのでみんな辞めてく。わたしも耐えきれず辞めた。

今の職場では院長が歯科医師としても人としても尊敬できない。お手洗いに行ったら手を洗うことって社会を生きる上でも人としての営みを行う上でも必要最低限の行為じゃないの???少人数なので手伝おうとしてくれるのはありがたいが、その手で患者さんの目の上に置くタオルを畳もうとしないでくれ頼むから。自分より歳上の人に「お手洗い行った後、手、洗ってますか?」なんて言いたくないよ。こっちが恥ずかしくなってしまうわ。患者さんの身に緊急事態が起きたときもパニックになって正しい対応の仕方をこちらで提示しても人の話聞かないでただ隣に座って様子見ているだけなんてどうなのよ。後日「正しい対応が取れずすみませんでした、自分も初めてのことでパニックになっていました」ってさ、それなら尚更、救急車呼んでくれよ。「救急車乗ったことありますか?僕、救急車4回乗ったことがあるんですけど、彼らは何もしてくれないですよ」っていう謎マウント、マジ意味わからない。彼らは適切な応急処置と適切な処置をしてくれる搬送先へ人を急いで運んでくれるんだよ。今回たまたま死なずに済んだだけのことで何かあったときに適切な判断と対応ができるように備えたり覚悟して救急車呼ぶとかできるのが歯科医師であり院長としての責任なんじゃないの。患者さんに「もう歯科医師としては20年以上になりますね笑」なんて自慢気に話してるけどさ、ねぇ、マジパニックになったときの自分のことを思い出してもそれ、話せる?とまぁ、こんな人のそばでだらだらと仕事を続けることにやり甲斐やたのしさを見出すこともできず、仕事は仕事と割り切ることもできないままでとてもしんどい。それとお給料以外は条件がぴったりなのもありとてもしんどい。

歯科助手になる前、他の接客業や職種に就いてもブラック企業だったりで身体がもたず、結局続いても三年だった。年齢も年齢なので転々と転職を繰り返すのももう嫌だ。たいへんだなぁとなりながらもたのしそうに仕事をしている人たちが心底羨ましい。好きなこともやりたいことも得意なこともわからないままに現実をだらだらと生き、息を続けなきゃいけないことがここ数週間ずっと苦しい。努力を惜しまず夢中になれること、情熱を持って取り組めること、わたしにはないのだ。

29年間いろんなことがあってとりあえず殺されず生きていられればいいと思って生きてきたけど、その状況から脱したとき、人は生きていられればいいだけでは生きていけなくなってしまう。このジレンマはありふれているのかもしれないけど、人には人の乳酸菌、地獄がある。

先週久しぶりにメンタルクリニックへ行ったがやはり診断名がつくような病気ほどではない。ただ「その傾向がある」程度。ずっと浅瀬でちゃぷちゃぷと溺れかかっている、生殺し状態が続いている。誰かたのしそうに仕事ができる職場でわたしを雇ってくれ。こういう仕事向いてそうって教えてくれ。一緒にこれしよでもいい。それが甘えだと言われてしまうのならもう生きるの向いてないからおおきなねこになるよ。

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