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現在使用中のベースアンプ

キャビネットはスピーカーオタクでもあるので沢山持っています。Hartkeの15インチ、Bergantinoの10インチ2発、Shroederの12インチ、先日修理記事を載せたbareFacedも12。EAの10インチも。本当は大好きなBagendもGlockenklangも殆どのモデルを一度は所有し、使ってきましたが重い方から処分していって、もう手許には1台もありません。ホールで仕事するような機会は絶滅しかかっているので、これだけ持っていれば難しい局面はあり得ません。

演奏の内容や箱(会場)によって、まずはキャビネットを選びます。私が残す機材を決める基準は、重量もですが奥行です。AguilarもMarkbassも奥行があるのでステージでの設置に困った経験があり、40cm未満が条件です。もちろん可搬性も大事で、自分で家から車に積んで現場入りし、セッティングまでやるので軽さは命。20代の頃は40kgまでOKと思っていましたが、今やその半分が限度でしょうか。重いキャビネットの方が音は良い傾向にあります。

スピーカーユニットに内在するマグネットを、より強力なネオジミウム・マグネットにすることで質量を減らせますが、それはフェライト系より音も軽いとなんとか、まぁ色々意見は出てきますが、私はそっちは目を瞑って、むしろキャビが軽すぎない方がいいと考えています。いえ、軽い方が良いに決まっているのですが、軽量に作られていても音のいい材や構造の箱を厳選してきたつもりです。

bareFacedのSuper Midgetが、軽さではチャンピオン、かつ音も極めて優秀なので、とりあえず常に候補であり、もう少し重厚な音にしようと思えばSchroederにします。会場キャパが大きければ2x10のBergantino、これ同じものをスタックするつもりで2台持ちですが、まだやったことはありません。1台で十分でした。ただ、いっそのことコンボにしちゃえ、荷物極力減らしたいから、という時はEdenのEC28を持っていきます。

これスピーカーは8インチ2個で外寸は12インチ1発キャビネット程度。出力は180Wあって、かなり大きな音が出ます。エフェクトリターン挿しで音はニュートラル、ツイーター無しですが不満ありません。ベースアンプを自身のモニターとして考えればこれ1台で結構ですし、話が逆になりますが、EC28では賄えないと思う時、最初にお話しした通りキャビネットから選び、次にヘッドを決めます。

Walter Woodsのステレオアンプを持っていて、これをブリッジで使った時の音が素晴らしいので、ステージ上の音質に、とにかくこだわりたい時は使います。たいてい、Bergantino1台と組み合わせます(2台スタックの場合はトータルインピーダンスが4Ωになってしまうのでブリッジ接続は不可で、ステレオモードで使用します)。

WWは良いのですが、しかし製品のメインテナンスは厳しい環境になってきていますので、なるべくなら温存しようと考え、その代替を探し続けてEichのT-1000を購入しました。実は一番稼働率が高いのはこちらです。

500Wのパワーアンプをステレオで積んでおり、各々2Ωドライブ可能ですから、ブリッジ接続でも4Ωが可能です。Bergantino 2台はこの状態で使用すると地上最強なのですが、やっぱりそこまで必要な現場がありません。

Thomas Eichはスピーカーキャビネットからベースアンプ製作を開始しており、現在はEichブランドを営んでいます。おそらくその前身はTecampですが、何故畳まれたのか情報はありません。彼のバイオからTecampの記述は抹消され、EichはTecampのサービスを継続しない模様です。

反面T-1000が余りにもハイパワーな為、よくある仕事では、ちょっと使いにくくも感じます。シングルの500W、なんなら300WのT-300でもいいや、などと思いながら出物が現れるのをそれとなく見ていたら、幸いにもTecamp Black Jag 500を入手でき、鳴らしてみたところ理想的でした。会社は無くなり、余り普及しなかったために入手困難なのが惜しまれます。PUMAより音良いです。

Black JagのEQは周波数を切り替えることが可能(ローミッドが250/400Hz、ハイミッドが800/1.2kHz)で、更にロー(30Hz)とハイ(10kHz)にそれぞれブーストスイッチがあり、この柔軟性に価値があります。確かPUMAのバランスアウトは電子的な回路で、Black Jagはトランスでしたから、ラインアウト(PA送り)にも差があるはずです(EichのスペックはPUMAと近似ですがバランスアウトはトランス式になりました)。

そんなBlackJag500でしたが、訳あって手放しています。ということで相変わらずT-1000の無駄にでかい出力を遊ばせてしまっているのが現状です。

ヘッドはAshdownやらHartkeやら、また往年のプリ/パワーのセパレートで各種、Acoustic Imageも初期のものを持っています。アコイメはT-1000では大袈裟に思える時に選びます。ただ、この機種はプリアンプが音を甘くするのでリターン挿し必須です。D級ではないアンプヘッドは、使いたいけれどもはや外では鳴らせません。体力が負けているせいです。

まとめると、近年世に出たアンプで、最も好みに合ったのがBlack Jagだったけれど、事情により、まだEichをメインに使っている、というお話でした。その訳は内緒にしておきます。似たヘッドでTrickFishというのがあって、少しの間使用していましたが、それもまた昔の話です。



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