ベース弦の話 KenSmithのML

11月の終盤は弦のゲージ選択について考えたり調べたりしていました。その後の進捗を報告します。

まずはスクショした下の画像をご覧ください

11月22日時点でサウンドハウスが販売中の6弦セットから、芯線のゲージがどのような組み合わせでパッケージされているかを調べたものです。メーカー毎に集計しました。ここでは巻き線のメッキがニッケルであるかステンレス鋼であるかなどの相違や、ものによってはフラットワウンドなども含まれていますが区分はしておりません。単純に表記されたゲージのみでのまとめになっています。

同日頃の記事には、芯線の太さが等差であるのに対し、チューニングが等比であるから、その整合性を疑うという内容を残しました。そして、数学的、あるいは統計的に正しくないことは承知で、任意の芯線を基準に等比で変化させた時の可能性と、それらの単純な平均値を出してみました。その数値は0.032、0.043、0.057、0.077、0.102、0.136という値です。太くなるにつれて差が開いていくのがおわかり頂けると思いますが、等比的な並びでは必然です。

そのような考察の結果に根拠が薄いことは、質量が芯線のゲージでは決まらないことで明らかなるにもかかわらず、比較的馴染み深い数字となったことは興味深く、このようなセットを試したい欲が涌きました。大概のパッケージは0.005刻みとなっていることから、四捨五入ではないですけれど、近い方へ寄せるとすれば、0.030、0.045、0.060、0.080、0.100、0.135となります。0.135と0.100が共存するものはありませんので、0.130で代用することにします。

もう一度上の画像を見て頂けますと、比較的近いものがあります。D'AddarioとErnieBallに32、45、65、80、100、130というものがあって、D線が太いことを除けば近似です。これは先日YAMAHAのTRB1006Jに触れた時にデフォルトで張られている弦であることをご紹介いたしました。

KenSmithでは28、44、62、77、103、130というものがありますが、こちらはスリックラウンドと呼ぶ、フラットワウンドに近い、表面を削った弦になります。130を重視して一般的なラウンド弦から探すと28、44、63、84、106、130となり、一部テイパーコア構造ですが、これがKenSmithのベースが出荷時に使われている弦となり、彼等が標準と考えるスペックです。私の6弦にもそれが張ってあります。

そちらにはミディアム・ライト・セットの用意もあって、太い方が80、102、125となるので、両方を買って混ぜると期待するセットが得られます。というか80と102だけバラ弦を買って差し替えれば済む話ですが。

大は小を兼ねるという発想と、4弦セット、5弦セットの商品数が多すぎることで、当初6弦しか見ていなかったのですが、その後に、結局全てを検討する運びとなりました。その結果好都合なものを発見した次第です。

KenSmithのAA-TCMD-7MLがそれです。ハイF用の7弦セットですが、20、28、44、64、80、102、130の組み合わせ。102から130へ飛ぶのは7弦セットでのみ存在します。パッケージには、やはりミディアム・ライトとありますが、実は単純に7で終わるサイズ表記無しの型番があって、そちらならばG線が40、D線が58となっています(SHの取り扱いは無し)。MLからD線のみ58に換えたものが得られれば一番いいと思いますが、もちろん商品構成は熟考されたものでしょうから、それが正しいのかもしれません。

とにかく、在庫しているMLの方をさっそく購入してみることにしました。2本余分ですが、これを5弦ベースに張って試してみたいと思います。そもそもローB弦の低い領域で、これまで以上にピッチをはっきりと伝えられるセッティングを見いだすための考察です。試したい弦の現物が入手できましたので、以後は実験してみようと思います。

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