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【感想】M-1グランプリ2023敗者復活戦

私はM-1グランプリが好きだ。
もちろん「お笑い」も好きでよく見ているのだが、とにかく「M-1」が好きだ。
M-1そのものももちろん、それにまつわるデータや裏話などがとかく好きだ。下手したら年に一回くらいWikipediaの「M-1グランプリ」の項目を読んでいたりする。

というわけで今年最後の感想エントリーはM-1としたいと思う。
本当は本選も含めてひとつのエントリーにしたかったが、思いの外敗者復活だけで長くなったので取り敢えず分割。
(仕事及び年の瀬の忙しさに追われコンテンツの消化が進んでいない)
(本選の記事はかけるのだろうか)

で、敗者復活戦。

ルール変更が非常に功を奏したと思う。要は、とても良い結果になったということ。
視聴者投票というルールがただの人気投票になっている、という指摘は私としては半分程度同意しつつ、半分ほどは「そこまででもない」という思いであった。
というのも、私自身もリアルタイム視聴の際は全て投票に参加していたのだが、「一番面白い!」と思ったコンビが敗者復活を勝ち進んだことはほとんどなく、だがしかし「投票しなかったコンビ」が勝ち進んだことも、また無いのである。
(自分の投票と結果が完全に合致した例でいえば2016の和牛がある)

良し悪しの最も大きい点は「3組投票できること」であったと思っている。

例えば、2018は間違いなくプラスマイナスが一番だと思っているが、ミキも投票するに足るネタであったと思う。
2021は私は男性ブランコだったがハライチにも入れているし、2022は令和ロマン(次点でヤーレンズ)だったがオズワルドもギリギリの線で入れた。

個人的には「もともと知名度も人気もあるコンビが“投票したい3組以内”に入れるネタを出来れば勝ち」というのが批判する上での正しい見方であるという見解で、これまでの敗者復活組はそこにおいて「うまく勝った」のだという認識を持っている。

正直2位・3位あたりは視聴者投票による弊害が如実に出ていたのは間違いなく(2019ミキ・四千頭身、2020ぺこぱ、2022ミキあたりは確かにちょっと有り得ない)、その点において批判されるのは致し方ないが、結局1位じゃなければ決勝へ復活は出来ず、また1組のみ投票になるとさらに人気投票化が加速することは目に見えている。
という点において、「自分の中で1位のコンビが落ちることは残念だがとはいえ私自身面白いと思ったので投票はしているコンビが復活している」という状況がずっと続いていたので、若干のモヤりはありつつ、これまでのルール自体は受け入れることが出来ていた。

何よりそこで投票したコンビは大体次かその次で決勝にストレートで進出しているという事実もあり(見取り図やゆにばーすなど)マジラブ野田氏が言う程「いままでの敗者復活なんだったんだ」では、私にとってはなかった。という前提ではありつつ、とはいえ今回のルール変更は素晴らしかったと思う。

上記の私みたいなイチファンの思う流れをうまいこと踏襲しつつ、全体の納得感を優先させる仕組みであった。
これまでのルールだとシシガシラは恐らく上位に入っただろうが、だがしかし進出自体はしていなかっただろうと思うと非常にしっくりくる。
(恐らくオズワルドかロングコートダディになっていただろう)

まず“ノックアウト制”がめちゃめちゃよかった。直接対決感で盛り上がるし、何より各コンビにしっかりスポットが当たって“面白いネタ”をやったコンビがきっちり注目される。ネタ披露が流れ作業になっていない。
“後攻が有利だろう”という懸念も、まぁそれは確かに仰る通りではあるが、「準決勝の順位が反映されている」という事実でしっかりと正当性を持たせているし、何よりB・Cブロックに置いてはラストコンビが負けている点で初回から非常に良い前例・流れになったと感じている。

個人的各ブロック感想をば。

■Aブロック
ルール変更初回の最初のブロックという事でちょっと盛り上がりが後続に比べて弱かった印象はある。
さっそく最初の「華山vsぎょうぶ」の結果で「ええ!?」となったが、ぎょうぶのネタが割と生理的嫌悪感を誘発するモノであったため無理な人は無理だろう、ということで分からなくもない。
続いてのロングコートダディは、正直私はこれに限らずロコディのネタがあまり刺さらない(面白くないと思っているわけではない)ためそこまでハマらなかったが、決勝進出に足るクオリティであると感じ、このままロコディがAの覇者になると思った。
その上でママタルトに負けたのは意外なところ(個人的にはママタルトの方が総合好きではあったがかなり粗いなという印象)
その後の「ママタルトvsヘンダーソン」は、ヘンダーソンの方がキレイにまとまっていたので納得は納得だがこちらも個人的にはそこまで刺さらず。
正直ヘンダーソンのネタ、面白いは面白いが新しさや斬新さを感じず常に既視感を覚えるのである。各ボケや突っ込みが「なんか他の人もやってない?」的な。(特に「テッテレー」のくだりとか)
Aブロック全体の感想としてはなんとも低調な滑り出しという不安感を覚えずにはいられなかった。会場全体がうねっていないというか。

■Bブロック
敗者復活、ここで大爆発。
笑いが笑いを呼びこのBブロックだけそのまま決勝に持って行ってもそれなりに盛り上がる大会になったと思う程。
「鬼としみちゃむvsスタミナパン」は敗者復活戦随一の“どっちにも勝って欲しい対決”だった。
そして続いてのトム・ブラウンが本当に面白過ぎた。
まったくもって訳が分からないのに、訳が分からないなりに何となくルールが把握できて加速度的に面白くなっていき、それでいて最後の最後までしっかり訳は分からない。完全に彼らの世界・術中にハマってしまいこのネタを決勝の舞台で観たいという思いが大変に募っていくという一種トランス状態のような心境に持って行かれた。
しかし続いて出てきたエバース、彼らが本当にすごかった。
私はエバースが敗者復活戦№1だったと思う。従来のルールであれば間違いなく彼らを1位と思って投票していただろう。
トム・ブラウン直後という恐らく全体見ても最も不運な出順で、雰囲気を自分のモノにしたこと自体が見事すぎると思ったし、間違いなく次回か次々回、ストレートで決勝の舞台で見られると思うと楽しみである。
ナイチンゲールダンスももちろん面白かったが個人的にはエバースに軍配。ただナイチンゲールダンスも、エバース同様来年か再来年決勝の舞台で見られると思っている。

■Cブロック
シシガシラ一強。めちゃくちゃ面白かった。表情も、観客の巻き込み方も完璧すぎる。ただカメラワークがだいぶ助けていた気もする。正直あれをやられたら他の組は勝てない。
とはいえこれを準決勝でやっていたらストレートに決勝行っていたのではないかとも思う。
ダイタク・ななまがり・フースーヤもだいぶ迫っていたと思うが、正直相当に運が悪かったと思うしかない、という感想。

■最終結果&全体
最終的に残った3組では私は圧倒的にシシガシラだったの進出は納得である。

個人的な一位は、ブロック別でいけば
Aブロック ママタルト(※クオリティ的にはロングコートダディ)
Bブロック エバース
Cブロック シシガシラ

全体で従来通り投票するとすれば
1位 エバース
2位 シシガシラ
3位 トム・ブラウン
(次点でナイチンゲールダンス)
というところ。

とにかくBブロックが“流れ”も含めて強すぎたなという印象だった。
前述した、「個人的1位の組はいかないが投票した組はいく」というこれまでの流れで考えれば、従来ルールであればもしかしたらトム・ブラウン敗者復活の目はあったかもしれない。

以上である。

本選の記事もぜひ書きたいがいつ書けるやら。
年始か年末に2023年のnote初めの一年も総括したい所存!!!

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