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物理的な距離こそ、心の安定だった

少し前に職場と距離を取ろうと思った話を書いた。

フルタイムパートで月20日勤務だったのを18日に減らしたのだ。

するとどうだろう。なんだか余裕ができてきた。
2日休みが増えたのだから当たり前だ。
密度の濃い職場が少し薄まった。
濃いカルピスに水を足したみたいな感じ。
濃いカルピスが飲みやすいカルピスウォーターになったのだ。

私は3年前に会社の意向で社員になった。特に希望したわけではない。
給料が定額になっただけで時給的に上がったわけでは無かった。
勤続年数10年で手取り18万以下の50代の社員てなんだろう…。
うちの会社はその程度の給料しか出せないので仕方ない。

会社の「大企業ごっこ」が始まったのもこの頃だ。
社長がよくわからない経営者セミナーにのめり込み、急に大企業みたいなことを始めたのだ。普段の業務に加え、いろんな委員会が設置され、社員は強制的に委員会に参加させられた。成長を促すため、らしい。通常業務でさえ人員不足でいっぱいいっぱいなのだ。業務の負荷がハンパない。しかも何を提案しても却下されるのだ。結局社長のご機嫌伺いに奔走するだけの委員会。そしてそれとは別に急に外部の評価システムが導入された。皆が思った。「そんなお金あるなら社員に還元しろ」と。
そして1年が経った。評価システムで給与が上がった人はいるらしいが、今までの昇給となんら変わらない。そして肝心の給与テーブルは未だに公開されていない。自分がどのポジションを目指すのか、その給与はいくらなのかがわからないのにランクアップなどできない。社長の大企業ごっこは混沌に満ち、謎だらけとなってきた。嫌気が差した社員の中に委員会を辞退する人もあらわれ、評価システムに不審をいだき退社する人も出始めている。

相変わらず離職率が高く波乱万丈な会社である。
社長がいわゆる発達グレーなのは明らかだ。
意見がコロコロ変わり、皆が右往左往する。話しが斜め上に飛んでしまうのだ。つまり話し合いにならない。だいたい社長という生き物は
自分の描く世界がこの世のすべてだと勘違いしている人が多い気がする。
皆の生活の中心を会社にしてほしいのだという。
そりゃ、横暴すぎるでしょ。

私は都合よくというか母の介護が始まったので大義名分ができ、社員からパートに戻してもらった。本当に戻って良かった。手取り17万から時給1330円になっただけだ。なんら給料は変わらない。

これ以降、私にとって会社は「生活のため」に振り切ることができた。
もちろん会社に愛着はある。私が次男に仕送りできているのは毎月お給料があるからだ。そしてこの会社に居れるのは皆のおかげだ。長年苦楽を共にした同僚もいる。今より良くなるように皆が頑張っている。皆のことは戦友と思っている。

ライフワークバランスという言葉が出てきて久しい。人生バランスが大事。そういうことだ。会社を生活の中心になんて置くことはできないよ。

定年は60歳。あと7年だな。とか思っていたら先日、総務の人から定年は今後65歳にシフトしていくと思うで。と言われ「マジか…」と白目になっている。





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