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EP8 「Don't stop me now 〜アレコレやらなきゃいけないことがもたらす使命感なのか充実感〜」 SNOW SHOVELING BOOKS ON THE ROAD物語 〜いかにして街のはずれの本屋が移動本屋として遠くの人にも本を届けようと思ったか〜

(前回からの続き--- 移動本屋をはじめるうえで、宣伝と資本を得るためにクラウドファンディングに挑戦することになり、原稿を書き、素材を作り、集め、応援コメントを募り、いよいよ2023年の7月12日にソレは始まった。本屋の営業をしながらも、アレもコレもと、ソレはできるのか。そんな疑念を抱きながら夏がやってきた。

この物語は、物語でさえないのだけれど、街のはずれの雑居ビルにある本屋が、「旅する本屋」と自ら称して、移動型の本屋をはじめるにあたり、何を想い、何を考え、具体的に何をして、その先に何があるのか--- そんなことをやってみる日々を、あるいは回想してみたり、そして起こるかもしれない未来の記憶を書き記す、現在進行形の雑記である)

ドタバタスタートのクラウドファンディング

この世界にやってきて、40年以上が経つけれど、『準備万端』で何かを迎えたことがあっただろうかと思い返してみたけれど、「否」。あった試しがない。どんだけポンコツなんだって話なんだけれど、それでもナントカ生きている。そして図々しくも「それが僕のスタイル」くらい開き直ってる。やれやれ。

おかげさまでドキドキのクラウドファンディング(以下CF)も、バンジージャンプのジャンプ台で「緊張する!」とか「わーヤバい!高い!」とか言わせてももらえる暇も与えられずにアッという間に始まってしまった(まぁ多少の緊張感があったのは事実だけれど)。

それよりも、なによりも、やることが目白押しすぎて、メールを打ち、計画を立て、実行してみて、練り直したりと、そのサイクルが高速で回転して久々に『仕事してる感』を味わうことになる。僕は決してワーカホリックの傾向はないのだけれど、この時ばかりはワーキング・ハイになっていたんだろうと思う。

【CFの期間で何をやっていたかというと・・・・】
・友人知人に応援コメントの依頼
・友人知人にインスタグラムLIVEの出演依頼
・noteで「CF挑戦、移動本屋やります」の記事を連載
・プレスリリースの配信
・過去にお世話になったメディア関係者へ連絡
・その他広報計画を立てて実行
・CFのリターンで使用するグッズの制作と制作依頼(外注)
・SNOW SHOVELINGのメーリングリストへCF挑戦の告知とお願い
・SNOW SHOVELINGブッククラブ・メンバーへCF挑戦の告知とお願い
・ソーシャル・メディア(主にインスタグラム)での投稿
・週に2回の(ゲストを招いての)インスタグラムLIVEの実施
・車両のカスタムを進行させて、その進捗を記事としてアップデート
・9〜11月の移動本屋ツアーのブッキング

これらを、日々の本屋営業をしながら、上記の通り、粛々と、アシスタントも秘書もいないので、朝一番に今日のto doリストを作っては、あとは「ただやるだけ」。楽しいも辛いもない。NIKE社のスローガン。自分がマシーンにでもなった気分でリストの項目をひとつひとつクリアしていく。この時学んだのは、何が肝心ってこの朝イチのリストづくりで、とにかくリストを丁寧に念密につくり(時にやらなければいけない順、時にやりやすい順などと)、そこにたっぷり時間をかけて、あとはそのリストを信用してNIKE社のスローガン(2回目)。

たまたま僕のメンタル・ヘルスが良かったのか、それとも無意識下でエマージェンシー・モードに切り替わっててテンションが奇跡的に持ったのか、原因は不明だけれど無事どころか見事に完走。そんなサティスファクション。
不思議なもので、この時の感覚は「非日常的なモード」として動いていたのだけれど、それにココロとカラダが慣れていくと、(大袈裟に言うと)自己が拡張していくのを感じる(勘違いかもしれないね)。そうするとドロゴンボールのなんだっけ、あの、そう氷川きよしの歌の言葉を拝借すると、まさに「限界突破」。ほうほう、ここまで追い込んで、扉を開けると違う地平が広がっているのだ。ふむふむつまり、限界は自分が決めちゃってたわけだ。野球場のホームランのフェンスは100M、みたいに。でもどうやら、実は多摩川の河川敷みたいにフェンスはなかったりして、仮に150m地点にフェンスを作ったら人類はいつの日か、その球場でホームランをオオタニさんみたいにポンポン売っているのかもしれない。いつも通りややこしく話が逸れるのですが、つまり、つまりだ、相撲の股割りのように、ヨガのアーサナのように、少しずつでも限界の周縁で動き続けたならば、気がついたら半径自体が大きくなってた、なんてことがあるのかもしれない。

今回はもともとナマケモノの中村が、ワールドカップやオリンピックよりも大きなイベントとして、覚悟して臨んだことにより(というより『心から叶えたいと望んだ』と言ったほうがいいのかしらね)、常に集中力が高く保たれ、反射神経も鋭く、思考よりも大きなダイナミズムの中でそれらが繰り広げられた。全能感には程遠いのだけれど、何を要求されても「やれるかな」ではなく「やらなくちゃ」という心意気で走り続けた。これは正直初めての感覚で、この感覚はずっと憶えていたいと思う。これぐらいできるんだ、できたんだ、という事を。

つづく(次回で最終話です)

(この物語は、物語でさえないのだけれど、SNOW SHOVELINGの移動本屋ができるまで、あるいはできてからどんなことがしたいとかまで、そんなことをサリンジャーよろしく9つの話「ナイン・ストーリーズ」にまとめてみる試みであるが、今のところ9つにまとまるかも、どこに着地するのかもわからない僕の雑記である)

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