おかえりの景色と笑うポケット
エスカレーターには、上りと下りでしっくりくる言葉がある。
地下鉄をよくつかうからなのけれど。
下りのエスカレーターは、いってきます。
上りのエスカレーターは、おかえりとおつかれさま。そんな言葉がしっくりくる。
おかえりと言われているような景色のなかで、たまに、笑っているポケットにであうんだ。
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おかえりのエスカレーター。地上へあがるとき、ひとつかふたつ、段差のパネルをあけてのる。自然と前のひとの背中から腰あたりがまえにくる。
またに向き合うのが、背負っているリュックこときがある。
リュックには、いろんなポケットがあることが多い。
向かいあうリュックを顔にたとえるのなら。口もとのあたりとほっぺのあたりについていることが多くて。
口もとのポケットがあいていることも、多くて。
空いているポケットが、にかっと笑っているようにみえるんだ。
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どっちなのだろう。
定期をいれていて、ちょっとの間あけているのか。
それとも、しめることを忘れているだけなのか。
背負ってしまうと、その人にはわからないだろう場所だから、勝手に、心配する。
声をかけようか、声をかけないか。
ひとつかふたつ、パネルをあけているから、声をかけても気づくかな。
なんて悩みつつ、いつもエスカレーターのおわりがきてしまう。
笑っているポッケにも、その主もかえっていく。たまに、改札でタッチされたパスケースがそこにもどっていくのを見かけるとちょっと、安心してしまう。笑
ちょっとさ、家までの足どりが軽やかになるんだ。よかった、早くかえろーってね。
そしてね、書いててきづいた。
リュックのポケットは、しまっていても、笑ってるみたいだって。
あしたから、リュックのひとに会ったら、どんな笑顔かなって、みてしまいそうだな。
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