こゆき

@snow _univ_のよしなしごと

こゆき

@snow _univ_のよしなしごと

最近の記事

トウキョウ・イチラン・ナイト

  <明日の夜中暇?とか言ったら怒りますか> <23時くらいに寮を出て池袋の一蘭に行くんですけど>  <22時半まで仕事だけど、その後で良ければ> <ウケる、じゃあ東口で> <いやなんやねん いいよ>  37番出口は人の波で、ぼくは窒息しそうになっている。文脈”みたいなものが存在しない場所で、誰かを見つけられるかはちょっと怪しい。  誘ってくれたきみは多分東京に慣れていないだろうし、もしかしたら東口(南)とかに行っているかもしれない。一応写真を撮って送ると「なん

    • その他の手段/地下クイズに寄せて

      【不快になる表現を含む可能性が多分にあります。閲覧注意】 初めて知ったのはテッド・バンディだった。 10歳そこそこだったわたしに、母は事件の概要とその顛末、そして「シリアルキラー」という概念を教えた。 「この人は電気椅子で処刑されたんだよ」そう言われた時の顔は、もう思い出せない。 家の本棚は、歴史書のとなりに快楽殺人の本が並んでいる。東京を離れてから話が出来る人間に飢えていた母は、わたしにファンタジー以外も与えるようになった。 『タイガー・マザー』や『Itと呼ばれた子』

      • マシュマロ返し(2024年5月)

        はじめに「お前いなくなったんじゃなかったのかよ」と思った方はごめんなさい。 各種質問サービスの運用をどうするか考えた結果、「月1(どんなにはやくても2週間に1回)くらいのペースで、note上で気になったものを返答する」という形にしました。(回答をお届けするためにtwitterにも連動して投稿されるものの、こゆきがtwitter上での反応を見ることはありません。ご了承ください) 本題 興味分野 学問分野だとするなら、教育心理/臨床心理とその隣接領域ということになるかと思い

        • 卒業おめでとう、私

          卒業式から1週間が経ちました。まったくもって順調ではなかったけれども、あなたはなんとか大学を出ることが出来ました。 覚えていますか?2020年2月25日。数学の試験が上手くいかなかったあなたは、絶望してホテル14階の窓を開けようとしていました。現状から逃げ出すために与えられた唯一の機会を、自分で潰してしまったと理解したからです。 それが誤解だったと知った時に、あなたが最も望んだのは平穏でした。 この四年間、あなたは何者にもならずに過ごしました。優秀であることにも、記録を残

        トウキョウ・イチラン・ナイト

          もうひとつの雑記8 ~side B ~

          ※この文章の執筆者はこゆきではありません。 side A(こゆき執筆)はこちら 「続編ならアナザーストーリーが読みたくない?」 「書くだけ書いてみる?」 ということで、書いてみることにしました。このnoteに需要があると私には思えないのですが、こゆきは読みたいらしいので書きます。 高3の秋、某模試の決勝大会に出た時のこと。隣からやたらと視線を感じて、知り合いでもないし、チラチラ見てくる割に特に話しかけてもこないし、「なんか怖い」という表現がしっくりくるような状況に立たさ

          もうひとつの雑記8 ~side B ~

          2023振り返り

          卒論がとてもピンチなので手短に振り返ります。 2023年の最初に書いた目標noteへのいいねが先日来て、自分は年初にハイになって目標を立てすぎたなぁ、と思いました。履修決める時みたいだ。 院試は受かりました。助けてくれた人々ありがとう。ギフテッド関連の活動もいっぱいやりました。あと(詳細は伏せますが)得意なことを仕事にすることが出来そうです。 卒論は書けていません。各種スキルは増強されていないし、何なら英語への苦手意識は強まった気がします。部屋は

          2023振り返り

          不連続な道程

           『夏の夜会』という推理小説を読んだことがある。学級文庫の本全てに手を出さずにはいられない子どもだった頃の話だ。読後感が悪いから、とミステリにはあまり食指が動かないのが常だったのだが、「この物語の主人公は記憶だ」と書かれた帯に惹かれて夢中で読んだらしい。結末をきちんと覚えてはいないが、”思い出”なるものの不確かさ、そして都合の良さを教えてくれる物語だったようだ。  わたしは連続的な記憶を持たない。    時系列のわからないショート動画のような断片が、ごちゃ混ぜになって箱に

          不連続な道程

          来週末に二重になる話

          クリニックには11時に電話を掛けた。「本日からキャンセル出来ませんのでご了承ください」との事だった。1週間後、わたしは二重になるらしい。 顔も含めて、自分の持ち物はどれも好きではない。というか、主体的に関われないものに愛着を抱くことは難しいのだ。どれだけ頑張ったってハンドボール投げは1桁だし、友達は上手く作れない。逆に何をしても/しなくても成績は変わらない。人生には「何もしなくてもできること」と「どう足掻いても越えられないこと」のふたつしかない、と結論づけてから数年経ったの

          来週末に二重になる話

          feed/need

           ※ショックを与えるような内容を含みます。閲覧の際にはご注意ください。    165cm。45kgになりたい。できれば40kgがいい。もしかしたら、ゼロになりたいのかもしれない。    負けないコツは、勝てる勝負しかしないことだ、と言われているらしい。  「産まなきゃよかった」と幼時のわたしを床に投げつけたファンキーな保護者は、その原則を忠実に実践したひとりだった。(体格が互角になった)子どもに手を上げる代わりに、体重で張り合い始めたのだ。自分の服を持ってきて「要る?あ

          先輩の話

           第一志望じゃない高校で、第一志望の部活に入った。 「入学」というより、「漂着」と言うべき入り方だった。 そもそも縁もゆかりもない場所に愛着なんて持てなかったし、バキバキに折れた状態では状況を受け入れるのも困難だった。 唯一の救いは、ずっとやりたかった競技がそこにあったことだ。地方の学校としては非常に幸運なことに、二つ上の代が活発に活動していてくれたらしい。 3年間暫く羽を休めよう、と思いつつも、やっぱり実力主義の塊みたいな競技と関わることになった。性格はどうし

          先輩の話

          "Difficult to Prove"

           《要するにこの段落のポイントってさ……》と言ってみたけど、なかなか言葉が出てこない。ごめん、とペアに謝った。そもそも木曜一発目の授業が英語のディスカッションなのが間違いだって。  《アイデンティティと見た目の話ではあるんだけど、えーっと、もっと大きいと思う》何とか単語を絞り出して、教材のエッセイをもう一度確認する。チェロキー族とアイルランド人両方のアイデンティティを持つ筆者はNative American Literatureの大学講師を目指し、”白人っぽい”見た目をしてい

          "Difficult to Prove"

          飛び立つ知識の話

           初めて答えたのは「インサイダー取引」、その次に答えたのは「ドナーカード」。文化祭の早押し体験、3人1組のチーム戦。  進学先が決まるずっと前から、入る部活だけは決めていた。大会で答えた(ことを覚えている)最初の問題は「エトピリカ」。アイヌ語で美しい嘴、だったか。緊張すると飛んでしまう記憶の中で、固まって鮮明に残っている。  世界の解像度が上がっていく気がする。どんなものにも名前があって、どの法則にも提唱者がいる。名画も書物も化合物も、突然この世に出てくるわけじゃない。生まれ

          飛び立つ知識の話

          英弱でもディスカッションしたい!

          スピーキングがボロボロの大学3年生が、オールイングリッシュの授業に特攻した話を書きます。ただの覚え書き・感想ですが、興味があったら眺めて下さい。 履修理由 ・「院試あるし、興味ある分野は海外がメインだし、そろそろ英語何とかしなきゃな〜」という危機感が醸成されていた ・自分がサボり魔であることをよく知っていたので、強制力を働かせないと何もしないと思った ・授業内容(英語で学ぶ日本の教育)に興味があった……し、ある程度知っている内容なら何とかなると思った ・(2Aでレポートを

          英弱でもディスカッションしたい!

          2023これやりたい!みたいな

          こんばんは。そしてあけましておめでとうございます。こゆきです。弾丸一人旅から帰るまであと2時間、大阪のマックで半分寝ながらこれを書いています。 タイトル通り、「今年これやる!みたいなの決めたいよね」という緩い記事です。年の瀬に振り返って達成出来たことが多かったら嬉しくなるだろうし、「全然できてないね()」って笑うのもきっと楽しいんだろうなと思います。それでは、宜しければお付き合い下さい。 【学習とかキャリアとか】 ①院試に受かる やっぱこれ。現在のとこ

          2023これやりたい!みたいな

          雑記15

           「アフタヌーンティー、どうしよう」  「え……?」  こんにちは!1年半交際した恋人と些細なことで揉め、殴られてホテルを飛び出してきました。GW真っ最中の23時、人の家を訪問するには明らかに不適切な時間です。いやバッチリ押し掛けてるんですけど(何してるんですか?)淹れてもらったお茶がとても美味しい。  夜の繁華街で荷物を抱えてパニックになった私の「やばい」、そしてLINEで事情を聞いてパニックになった友人の「うちおいで、泊めるよ」。冷静な判断力の欠如×2により、私は顔に冷

          雑記14

           「よわよわ詐欺」ってあるじゃないですか。「ガチプロじゃん」「いいえよわよわ」みたいなやつです。え、知らない?ご存じでない健全な皆様はどうかそのままでいてください。特に知るべき文化ではありません。  大抵の場合叩かれますよね。「ちゃんと実力がある癖に否定待ちで馴れ合って気持ち悪い」って感じでしょうか?「どうせよわよわなんて思ってないだろ」……あれ、本当に思っている人も少なからずいるんじゃないかと思います。  物心ついた頃から自分のことをとてつもなくダメな人間だと思っていました