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【大ネタバレ注意】新ユニットH2(Hydrogens)始動とリリース情報(後編)

こんにちは。遠藤です。
先週末10/17と18に立て続けにリリースされたチャーモ嬢との新ユニットH2(Hydrogens)のEP「H2 EP」と「H2 Zwei」。もうお聴きいただきましたでしょうか?皆様のご評価もとてもうれしいお言葉がいっぱいのこれらのEP。今日は後編としてこれら楽曲・リミックスの制作過程や秘話などを書いていきたいと思います。内容は音楽家として専門的(マニア的?)かつ多分にネタバレ要素を含みますので必ずどちらのEPも全てお聴きになってからお読みください(笑)。よろしくお願いします。

「#恋はコーラ」楽曲について

この楽曲はもともとチャーモ嬢の4thアルバム「Ⅳ」に入っていた曲でチャーモ嬢のイントロのAbsus47のカッティングから水々しい、美メロが炸裂する清々しく甘酸っぱい青春の1ページを切り取ったような曲でアレンジも彼女自身によるギター中心のシティーポップ風なバンドサウンドでした。

アルバム チャーモ「Ⅳ」のサブスク配信はこちら。これ以外にもJ-POPいいとこ取りの楽曲群は非常に聴いていて楽しいものです。是非!

僕が他の方のアレンジをする場合はその方の違った一面を開拓する、可能性を広げるという意味でなるべく別のベクトルに向く方向でアレンジするように心がけていますが、以前にも言いましたがいい曲というものは結局どんなアレンジをしたとしても成立するという信念を持っているのでこの曲のアレンジはとてもスムーズにいきました。

この曲のアレンジの下敷きになっているのは80年代中期の後藤次利氏編曲の一連の歌謡曲です。例えば吉川晃司氏やおニャン子関連、原田知世嬢の曲などなどです。大好きだったのです。後藤氏のアレンジ。

お互いに青春を謳歌したのが80年代から90年代にかけてですのでその時期のサウンドを核としたかったのです。音像的には80年代に使われたデジタルシンセ(YAMAHA DX-7など)のエレピサウンドを全面に出し、シンセベースがバキバキ言っている、ドラムもゲートエコーかましてドカドカ言っているというようにしました。ただ、バッキングが例えうるさくなったとしても、強力なチャーモ嬢の歌うメロディーが際立つはずと思っていたので歌を録ってもらう時も「ハツラツに元気よく」というディレクションをしました。これが功を奏して歌とバッキングがブレンドしたさらに清々しい水々しいアレンジになったかと思います。やはりメロディーが命です。そこにアクセントとして独特のキレとタイム感を持つ彼女のカッティングや単音のギターが絡むと。完璧です。

そしてこの曲には裏設定としてUKのエレポップデュオSophie And Peter Johnstonの音像的な影響もとても大きいのです。男女ユニットですしね。大好きなんです彼女らも。裏で盛大に鳴っているアルペジオなんかが彼女らの影響ですね。

「#恋はコーラ」PVについて

今回PVについては全てチャーモ嬢の動画編集の腕前にお任せしました。素晴らしく清々しい青春の1ページを切り取ったようなPVになったかと思います。本人が大フィーチャーされていて本人そうすることをとても悩んだようですが(笑)、自分のPVもそうですが今回のPVは元々本人がしっかりと映っているということを前提として動画作成してほしいということを言っていたのでこのPVを作る時も僕から彼女に「ガンガン自分が出た方がいい」と言った助言をしました。本人が作ったせっかくのいい曲なのですから。

「君はロンリネス」楽曲について

元々この楽曲は女川のシーパルピアが定期的にアップしている「回してみたシリーズ」という女川の美味しいものを紹介する動画のBGMとして制作がスタートしたものでした。

このBGMは出来が気に入っていてこれで終わりというのもなあと思っていたのでメロディーを付け、拡大アレンジをして楽曲にしてしまおうというのが発端でした。ギターアレンジ的にもチャーモ嬢のキレのあるカッティングやソロなどが大フィーチャーできるなと思って。

アレンジの下敷きになっているのは最近よく聴いていた一連のvaporwaveものです。特にこのSaint Pepsiが好きで好きで。

曲の最初と途中がフィルタリングして音がくぐもるのは特にこの影響ですね。グルーヴィーで80年代的な音像が炸裂しているという。彼の楽曲には山下達郎氏の楽曲そのまんまというものもあり(笑)非常に影響を受けました。自分なりに拡大解釈した上で取り込んでやろうと言った試みです。

コード進行がまんまですね(笑)。この山下達郎氏の楽曲自体も非常にグルーヴィーなもので元々大好きなアーティストで非常に影響を受けているので今回のこの楽曲でメロディー的にもアレンジ的にもちゃんと向き合いたいと思いました。出来上がったものは氏の足元にも及びませんが。

こう言った80年代的シティーポップ風グルーヴのあるアレンジにテクノポップ的なディケイの短い弾むようなシンセベースのフレーズ(この音はRoland JUNO-60のエミュレーションソフトで作りました。初めての試みですがいい音!)と後ろでチャカポコ鳴るシンセパーカッションを付加しました。この音像は坂本龍一氏の1978年のソロアルバムの影響が如実に出ましたね。

ギターアレンジは全面的にチャーモ嬢にお任せしました。こちらからは何もディレクションしていません。彼女の腕前を信頼していたので。出来上がった演奏を聴いて「これは渡辺さん⁉︎」と思うかのごときフレーズやソロの嵐で僕が思い描いていたギターそのものだったので狂喜乱舞したものでした。これも聴きどころの一つです。

「君はロンリネス」PVについて

今回の楽曲はなるべく各々が自分を大フィーチャーする。ということが念頭としてあったので(少なくとも僕はw)今回は自分がガッツリ映っているものになりました。歌を歌っているシーンはそもそも踊る予定ではなかったのですが自然と体が動いてしまったと(笑)。Dメロの高音部分もそうですが今回は新しい試みにチャレンジしたかったということもあるのです。自分の楽曲なのですから。自分の好きなようにやりたいと。撮影は全て自室で素材ごとに着替えたりロンリネス!の部分やき・み・はの部分は素材として別撮りしました。その乱暴な素材を見事一つのPVにしてしまうチャーモ嬢の動画編集の腕には感服せざるを得ません。とても素晴らしいPVになったと思います。

Remix「恋はボッサ」「君はロンリネスVer.1984」について

先の2曲の出来に非常に満足したのでRemixを入れよう!となった時にもサクサクと2曲とも制作が進みました。
「恋はボッサ」はなんとなくボサノバ風のバッキングで進めてみたらバッチリハマったのでそのまま採用と。元とは180度正反対のラウンジ的なアレンジになりましたが元々ボサノバは大好きだったので今回試みができてとても嬉しかったです。アコースティックなバッキングは全てオーディオ素材ですがストリングスについては自分で打ち込みました。「君はロンリネス」でもストリングスを使用しましたが今回我がDAWソフトであるREASONの音源を使ってみてとても使えるストリングスだなと改めて思いました。最後のギターソロだけはチャーモ嬢に改めて弾いてもらったものでクリーントーンの甘い音色とフレーズが夢見心地でよいRemixになったかと思います。
「君はロンリネスVer.1984」はその年号が全てを語っていると思います。なるべく音数を減らしてもっとファンキーにし、ギターにはワウの効果を付加し、ギターソロはAUTOPANでグルグル左右に回るようにしました。アレンジの下敷きにしたのは高橋幸宏氏の1984年のあの名盤です。

ベースのディケイをさらに短くしてプツプツ言っているようにしたのはこの楽曲の影響が強いです。ドラムパターンにしても。

まとめ

いかがでしたでしょうか。僕は自分の楽曲についてあれこれ語るのは全然野暮でもなんでもないと思っているので今後もこうしてガンガン語っていきたいと思います。かの大滝詠一氏もそうでしたし。こうして自分が影響を受けた楽曲やアーティストを自分の楽曲を通して紹介できることがすごく嬉しいですし、ぜひ彼らの楽曲にも興味を持っていただいてこの機会にぜひ聴いていただきたいと思っています。

「H2 EP」「H2 Zwei」ともにそれぞれのアカウントから各種音楽配信サービスから絶賛配信中です!ぜひお聴きいただきご購入何卒よろしくお願いいたします。


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