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口紅とリップ問題

 以前、ある高校で、年配の女性の先生が生徒の腕を捕まえて、「あなた、お化粧しているわね、ちょっと確認するわね?」と言って、その女子生徒の唇にティッシュを押し当て、口紅をティッシュオフしようとしていました。
 「アラ、おかしいわね。付かないわ。でもあなた、お化粧しているでしょ?」「…してません」

 しかし、その女子生徒は、私から見ても明らかにメイクをしていて、お肌は陶器のようで、唇はややオレンジ系の透明なピンク、頬などの全体の色調から韓国メイクと想像できました。ただし、口紅は塗っていなくて、たぶん色付きリップクリームです(普通は単に「リップ」と言いますけれどね)。だからティッシュオフしても付かなかったのでしょう。

 韓国系のお化粧は海外に行くとよく分かります。ベネチアに行った時に、回廊で向こうから同胞が来た!と思ったことがありました。同胞、変な言い方ですが、金髪や血の透ける透明な白い肌ばかり見ていると、黄色とまではいかなくても透けないクリーム色の陶器のような肌や黒髪を見て、アジア人種と考える前に日本人かと喜んでしまうのです。中国人の方々は団体様なので、二人連れは大体、日本人か韓国人でした。
 ところが、彼女らが近づくにつれ、お化粧や服装の色合いが何か違う……と思ったら韓国語が聞こえてくるわけですね。

 本題に戻ります。
 うちの両親は、子供が口紅や色付きリップクリームを塗るのを嫌がりました。
 それは、まだ幼い頃、誰もがやるお化粧の真似、「何か静かだな〜と思って見に行ったら、鏡台の前にいて、振り返った顔を見たら、はみ出した真っ赤な口紅がぐるっと口の周りに塗られていて、その何か喰ったような顔でニタリと笑われたら、そらコワイで❗️」という話もありましたが、それだけではありませんでした。
 「口紅は、くちびるに色素沈着するから」というのです。「塗っているうちに、くちびるが黒っぽく茶色になって、そうなると口紅を塗らずにはいられなくなるから。いやでも大人になったら塗らなければならないから、大人になってから塗りなさい」と言われました。

 確かに社会人になると、生徒の時はメイク不可だったのに、突然ノーメイクでは許されなくなるので、ほぼ毎日、口紅を塗っていると、30代後半ぐらいで、くちびるに茶色の部分ができました。
 口紅にかぶれやすかった私は、塗っても痛くなってすぐ取ってしまったり、またはすぐ取れてしまうような柔らかくて油分の多い口紅をつけていたので、それほど広範囲には沈着しなかったのですが、それでもさすがに口紅無しでは困るようになりました。

 とはいえ、口紅が滲みる感じが嫌いで、口紅を塗るようになってからずっと、滲みない口紅を求めて三千里、たいていの口紅はダメで、今はヘレナ・ルービンシュタインです。
 高い。ムリ。今のを使い切ったらどうしよう(T . T)

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