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教職志望の方へ②ー学校の仕組みー

 教育実習生だった頃、生徒としての学校しか知らなかったので、一体、教員がどのような感じで動いているのか、いつどこにいるのかすら、分かっていませんでした。
 講師時代を含めて教職歴30年、大阪府立高校教諭としては24年勤めたので、大阪府立では6校を渡り歩きました(新任4年、転任7年のしばりがあったため)。
 今回は、ざっくり、学校の仕組みから説明します。

☆学校内の構成について
 どの学校でも「学校要覧」なるものを作っているので、そこに必ず学校組織図が樹形図で載っています。見て下さい、で終わることもあります。
 しかし、たぶん解説が必要でしょう。各分掌の業務内容については、先輩に聞いたり、実際に見聞きしたことを述べます。分掌とは、授業以外の仕事分担です。
 ただし、学校規模や学校の性格によって、分掌名が違ったり、名前が同じでも仕事が違ったり、ということがあります。

【教務部】
 毎年の行事予定や時間割や考査時間割、クラス名簿や名票、出席簿、指導要録、成績処理、チャイムを管轄します。生徒住所録も作ります。教科書係も教務の重要な仕事です。
 4月1日の職員会議に行事予定や時間割を出すため、3月4月が繁忙期で、あとは何の係かによって忙しい時期が違います。
 特に、教科書係は5月の校内締切、8月の来年度の教科書数の教育委員会への報告(仮発注)、1〜2月頃の書店への実数発注、3月末の教科書販売の準備があります。
 Excelを多用するので、数学や理科の教員が多いのが特徴です。成績処理は以前は各校自前でプログラムを組んでいたと聞いていますが、今は元になるソフトを使い、学校科目に合わせて調整しています。
 10年ぐらい前に府が外部発注した出席管理システムが入りましたが、実際に運用するにはいろいろ大変でした。
 カリキュラム(各入学年次の3年間の各教科の科目の時間数割当の表)にも関わりますが、こちらは各教科代表と管理職と教務部長で構成されるカリキュラム委員会が原案作成します。
 カリキュラム表は慣れないと読みづらいのですが、教員数配置に直結しており、学校の根幹です。

【生徒指導部(生活指導部)】
 学校内でのトラブルについて、聴き取りなどをしたり、懲戒指導をしたりします。
 保護者も担任も警察のような仕事を期待しがちですが、調査権があるわけではありません。しかし、生指部長ともなると、警察とは関わりが深いようです。
 校外見回りや登校通路の立番などの当番表を作成し、学校教員全体を動員します。
 生指会議は、問題の緊急性によっては勤務時間外にも行われるので、体力がないと務まらず、私は生指だけは入ったことがありません。

【生徒会指導部】
 生徒会と生徒会が主催する行事(文化祭、体育祭)、クラブを管轄します。
 比較的新しい学校にはなく、生徒指導部が兼任していることがあります。
 生徒指導と生徒会指導は、かたや生徒の規制をし、かたや生徒の自由を保証するので、対立しがちです。両方をまとめるには部長が困るからでしょうか、成立の古い学校では別の部になっています。
 因みに体育科の強い学校では、体育祭はなく、体育大会と呼び、しばしば記録会になります。

【進路指導部】
 実力考査時間割や、進路講習会を主催し、進路相談を行います。就職者がいる学校では進路指導主事が就職指導を管轄します。つまり、7月に求人票を整理し、8月に就職面接先を割り振り、9月に面接練習を行います。

 大学・専門学校や広報の会社や予備校などや就職関係の企業など、校内で最も来客が多い分掌で、進路指導部員は授業の空き時間に当番が組まれます。

【保健部】
 保健行事(健康診断や講習会)やカウンセリング室を管轄します。保健室は養護教諭だけではカバーしきれない(ケガ人付き添いなど)ため、保健室当番があります。

【図書館・視聴覚部】
 図書館司書ないしは図書館司書とともに図書館運営を行い、視聴覚室の使用割り当てや機器の整備などを行っていました。
 生徒減になって人員削減になった時、真っ先に図書視聴覚部がどこか他の分掌(学校によって教務部か生徒会指導部、ないしは保健部など)に組み込まれましたが、動員数が必要な分掌に組み込まれても、図書館自体が夏休みや放課後の開館に当番する人員が必要なので、ギクシャクしていたように記憶しています。

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教頭・校長が出るのは、教務部か生徒指導部だと言われていました。
 教務部長は、時間割やカリキュラムに精通しなければなりませんし、それは教員配置に直結しているからです。
 生徒指導部長については、説明するまでもないですね。
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 次回は、来週ぐらいに、担任や非担任教諭の一日について、述べたいと思います。 

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