傍聴記録5 税関と揉めて家宅捜査された会社員の大麻裁判

※プライバシー保護の観点から氏名や住所などはすべて変更しております。

千葉地裁
2017年3月14日(金) 
平成29年(わ)第xxx号
被告人氏名:北山洋平
裁判官:須賀雅子 書記官:高野勝男 検事:宮田純一 
弁護士:小久保和幸

※法廷の入り口ドア前での被告人と弁護人の会話

弁護人「これ執行猶予が確実になる裁判です。だからあまり緊張なさらずに。」
被告人「はい。」
弁護人「執行猶予は確実です。即決裁判なんでね。確実なんだけれども、ただ、つぎ何かやっちゃうと、刑が上乗せになってしまうので、気をつけてください。じゃあ一緒に入りましょう。」
被告人「はい。」

-入廷-

裁判官「こんにちは。それでは開廷します。被告人は立って、そちらの台の前に。まず最初に名前などの確認を行います。名前は何といいますか?」
被告人「北山洋平です。」
裁判官「生年月日はいつですか?」
被告人「平成5年7月18日」
裁判官「本籍地はどちらになりますか?」
被告人「神奈川県横浜市中区山本町1-18番地です。」
裁判官「住所はどちらになりますか?」
被告人「神奈川県横浜市中区山本町1-18番地12号」
裁判官「仕事は何をしていますか?」
被告人「会社員です。」
裁判官「はい。それではこれからあなたに対する、大麻取締法違反被告事件についての裁判を行いますが、起訴状は受け取ってから日が浅いと思うんですけども、今日はそのまま審理するということでよろしいですね?」
被告人「はい。」
裁判官「では検察官、起訴状の朗読をお願いします。」
検察官「はい。公訴事実。被告人はみだりに、平成28年10月19日、神奈川県横浜市中区山本町1-18番地12号、被告人方において、大麻成分である、テトラヒドロカンビナ…嗚呼、テトラヒドロカンナビノールを含有するペースト状の物0.47グラムを所持したものである。罪名及び罰条、大麻取締法違反、同法24条の2第1項。」

裁判官「はい。それではいま検察官が読み上げた事実について審理を行いますが、その前に被告人に説明しておくことがあります。あなたには黙秘権という言いたくないことは言わなくても良いという権利があります。最初から最後までずっと黙っているということもできますし、個々の質問に対して、答えたくないことについては拒むこともできます。質問に対してもちろん答えることもできますが、あなたがこの法廷で述べたことについては、あなたにとって有利であっても不利であっても、この裁判の証拠として扱うことになりますので、その点は注意して発現するようにしてください。それを前提にお聞きますが、さきほど検察官が読み上げた事実でどこか間違っているところはありますか?」

被告人「ありません。」

裁判官「では、あなたとしては、この事件について有罪であるということで認めるということで良いですか?」

被告人「はい。」

裁判官「弁護人のご意見はいかがですか?」
弁護人「同意見です。」
裁判官「はい。それではこの事件については即決裁判で行います。」
被告人「はい。」

裁判官
「では即決裁判で手続きします。では証拠調べ手続きに入りますので、被告人は元の席に戻って座って聞いていてください。では検察官は内容の説明お願いします。」

検察官「はい。まず事案の概要等を絡めて説明をしていくという流れでよろしいですか?」
裁判官「はい。」

検察官「まず被告人の身上経歴についてはですね、被告人の供述調書、および戸籍、乙1号証と乙5号証ということになります。家族関係については住居地において両親らと居住しております。職業については会社員。前科についてはありません。前歴については2件ありますが、同種のものはありません。これについては乙6号証です。続いて犯行状況等についてです。本件犯行内容は大麻の所持ということになります。10月19日に、被告人方の捜索差押を実施した際に、0.470グラムの大麻が発見されまして、捜索時に同室被告人の父親から任意提出を受けて領置をしております。25日に鑑定をして、その結果、大麻成分を含有する。ということで鑑定結果が出ております。押収関係については甲1号証から甲3号証、鑑定嘱託、鑑定結果については甲5号証と甲6号証。本件大麻の形状については写真撮影報告書の甲4号証が明らかとなっております。使用歴については19歳頃から大麻を使用していたむね被告人は供述しています。入手先については平成28年の8月の下旬ころに、黒人男性から購入したというふうに供述しております。甲7のブツを示してもよろしいですか?」

裁判官「はい。では被告人は証言台の前に立ってください。」

検察官「これはあなたの家から見つかったパウダー状のものですけど、これはあなたのものということで間違いないですか?」
被告人「はい。」
検察官「これ、もういりませんね?」
被告人「はい。」
裁判官「はい。じゃあ元の席に戻ってください。」
被告人「はい。」

検察官「犯行場所等についても、甲1号証から甲3号証のところで特定されております。」
裁判官「はい。検察官の方は以上ということで、よろしいでしょうか?」
検察官「はい。」
裁判官「弁護人の方の立証をお願いします。」
弁護人「被告人質問をお願いします。」
裁判官「被告人は証言台の前の椅子を引いて座ってください。」

弁護人「それでは弁護人の小久保から質問します。裁判官の方を向いて答えてくださいね。」
被告人「はい。」
弁護人「まず今回、さきほど公訴事実を検察官が読んだと思いますけども、これは間違いないということで、よろしいですね?」
被告人「はい。」
弁護人「今回あなたが持っていた大麻ですけども、これはどうやって入手したんですか?」


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