小さくなったチョコパイ

たまに無性に食べたくなるものがある。
たけのこの里やオレオ、トッポ、朝マックの甘いやつ、サッポロ一番塩ラーメンなどいくつかあるが、この日はチョコパイだった。

さっそくスーパーに行きお菓子コーナーを見て回ると6個入りの箱のチョコパイを見つけた。
しかし私は1つだけ欲しかったので困った。たくさんあれば誰か家に来た時にも出せるけれど、私のことだ、あればあるだけ食べてしまう。
6個入りを買うのはまずい。スーパーでは1個売りは見当たらなかったので駅のコンビニを見てみることにした。

駅の改札の横にある小さなコンビニのお菓子コーナーにはびっしりお菓子が並んでいた。
見落とさないように端からひとつずつ順番に見ていくと2個入りのチョコパイがあった。
2個なら食べてしまってもいいだろう。
私はその2個入りチョコパイとアイスラテも一緒にレジに向かった。

次に乗る電車まで時間があったので駅のホームのベンチで食べようと思い、数日前から無性に食べたかったチョコパイを開けて私はびっくりした。

「あれ、チョコパイってこんなに小さかったっけ」

確かに最近お菓子はどんどん小さくなっているが、前に食べた時よりまた小さくなっている気がする。
前に食べた時も小さくなったと感じたはずだから、さらに小さくなっているということである。大変由々しき事態である。
私は普通サイズのチョコパイを確かに買った。プチチョコパイではない。

ついこの間、納豆も1パックの量が減ったなと思った。前はもっと混ぜ応えがあったし満足感があったが、今は量が少ないゆえに混ぜにくいし2、3口で食べ終わってしまう。ひきわりだとひとくちだ。

小学生の頃、チョコパイは手のひらを思いっきり広げてもチョコパイの方が大きかったし、たけのこの里は親指くらいあったし、トッポは軽い武器になるくらい長かったし、ポンデリングはネックレスにできるくらい大きかった。

私が大人になって成長したから小さく感じているわけではない。

このスピードだとそのうちチョコパイは500円玉くらいになり、トッポはシャーペンの芯くらい短くなり、たけのこの里は小指の爪である。
ポンデリングは指輪になってしまうかもしれない。

これはなんとしても食い止めねばならないが、今の私には祈ることしかできないので己の無力さを痛感しながら2つのチョコパイを完食し、アイスラテを飲み干した。



ハンバーガーが100円で買えたことを今の子どもたちが知ったら、すごい羨ましがるだろうなと思う。

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