ポケモン新作クリアしました【ネタバレます】


今更ながら、ポケットモンスターソードをクリアしました。

以下、感想文です。

ポケモン新作と聞いてワクワクせずにはいられない1ヶ月でした。

購入したのがほぼほぼ一ヶ月前、経済的にゲームを購入するという選択肢がなく、遅めのスタートでした。

このためにポケモン剣盾のワードをTwitter上でミュートしたり、Vtuberの配信は見ないように努力したつもりです(もちろん、ぶち抜かれたりしてつらいところもありましたが)。


本編すべて通しての感想

・少年少女が「ジムチャレンジ」というレースを通して成長していく、ある意味ひとつの青春ドラマ

・難しい問題は大人に任せろ!

・主人公よりも。ライバルであるホップくん。

かいつまんで感想を述べるとこうなりました。

では、細かく述べていきます。




1 少年少女が「ジムチャレンジ」というレースを通して成長していく、ある意味ひとつの青春ドラマ

 です。

 本編通して、主人公たちポケモントレーナーは「ジムチャレンジ」というレースの中で各所街にある、「ポケモンジム」という関門を突破すべくガラル地方を巡ります。

 関門を全て突破し、ジムチャレンジャー同士でトーナメントを行う「セミファイナル」、そしてその1位とジムリーダー同士がごちゃまぜにトーナメントを組み、最終的に勝ったトレーナーがチャンピオンであるダンデに挑む…というシステムになっていました。

 過去作ではジムリーダー…いわゆるNPCは一度戦うとほぼほぼ後の物語には出てこず、戦うのも1回きりなのかなぁと思っていましたが、普通に戦えたのですごく嬉しくて、しかもジムチャレンジ時のポケモンより遥かに強いポケモンを繰り出してきます。

 ……やっぱ手加減してくれてたんかい!!


などと、プレイ中にはグソクムシャに苦戦しながらもなんとか突破しました。


 さて、本筋に戻しますが、ポケモン剣盾の大筋は「少年少女のある意味の青春ドラマ」かなと思いました。

 主人公、友達のホップ、途中で因縁をつけてくるエリートのビート、熱狂ファンの後押しが強いマリィの4人がそれぞれ成長していきます。

主人公は言わずもがな、プレイヤーになりますが、ただただ喋らない反応しない”無口系主人公”ではありません。

イベントシーンや会話シーンなどでちょいちょい選択肢が出て周りの登場人物と簡易ながら意思疎通をしています。

主人公は最初はジムチャレンジの1人に過ぎません。しかしながら、勝ちを重ねていくごとに周りの人たちから称賛され、ファンが付き、半分失礼なリポーターに絡まれ、はた迷惑なファン(フーリガン)に妨害されながらも、最終的にはガラル全体を巻き込む事件を解決します。

エリートのビートは若さゆえ”認められたい”という暴走しがちな青臭い面が強く出てきましたが、とある事件でジムチャレンジ失格処分を受けた後ポプラさんというアクの強いおばあちゃんジムリーダーに引き取られ、ファイナルトーナメントにて、ジムリーダーとして主人公の前に再び現れました。

その時のビートは以前の高慢ちきな態度は変わらずですが、その中でも彼の中の”芯”ができていました。”認められたい”という気持ちが人一倍強い彼にも観客の声援が届くようになります。

そのあと、とある騒動でもう一度ビートと戦う機会があるのですが、フェアリータイプのジムリーダーとして、そして主人公のライバルのひとりとしてその道を極めると高らかに宣言しました。

人に認められて初めて人を認めるようになっています。

フーリガン集団のアイドル的存在、マリィはとある人物の妹という立場もあり、フーリガン集団からの応援も「あまりやりすぎない程度に」というラインは守らせていました(あからさまに逸脱してると長い説教が飛ぶようですが)。

しかし、その応援も彼女にとってはある種プレッシャーにもなっています。少しばかり弱気になるようなセリフも出てきましたが、セミファイナルで主人公と対峙し、その後笑顔の練習もしていました。表情に乏しい彼女が応援に応え、もっと強くなりたいと願う場面でもありました。



2 難しい問題は大人に任せろ!

主人公(=プレイヤー)が強い、のはポケモンシリーズとして恒例ですが、”それを支える大人たち”も頼もしい人たちでした。

ジムリーダーはもちろんのこと、マグノリア博士やチャンピオンであるダンデ、そしてお姉さん的ポジションにあるソニア。大企業のローズ会長、秘書のオリーヴ。

主人公たち4人が「ジムチャレンジ」という困難を大人たちは色んな面でサポートしています。

そして、ストーリーでも難題が発生します。

「これは主人公も出張るのかな……?」と思いましたが、

「ここは俺たちがなんとかする!きみはジムチャレンジに専念してくれ!」

と。

おお……。と感嘆の声が漏れました。

ここまで、ポケモンの主人公たちはストーリーを進める中で、大きな陰謀のど真ん中に飛び込み、解決しつつジムバッジを集めていくという流れだと思いましたが。

主人公たちが関わるのはほんの最後。どうしようもなくなった場面で最後の切り札として切り込むという「大人」が中心に問題を解決しにいっていました。


3 主人公よりも。ライバルであるホップくん。

 ポケモン剣盾のストーリーはいつも隣にホップがいました。

主人公の友達であるホップはチャンピオンであるダンデの弟です。

つまり、「絶対王者の目標」があります。

それを打倒するべく、ダンデからポケモンを貰い、ホップは主人公とジムチャレンジに挑みます。

途中、ホップは挫折を繰り返します。

ビートと戦いこてんぱんに負けたり、兄のダンデと比べられ悔しい思いをしたり、ライバルである主人公との実力差を肌で感じたりなど。

しかし、ホップは主人公をずっと褒めてくれます。プレイした方はご存知だとは思いますが、ホップは主人公を決して見下しはせず「最高のライバル」として「友達」として最後まで接してくれます。

そして、ホップはセミファイナルで主人公と対峙し、いつもとは違う雰囲気で主人公に望みました。その仕草は兄であるダンデと瓜二つですが、戦い方は独自の路線を進み続け、”真似をしているだけのホップ”ではないということを気づかせてくれます。

その中でも、最初に持っていたウールーが途中からバイウールーとなり手持ちに復活しているのは感慨深いものがありました。最後までバイウールーには苦戦を強いられます。

ホップは決して弱いトレーナーではありません。

しかし、ダンデを破り新チャンピオンとなった主人公との実力差解った途端、いつものがむしゃらな彼の面影はなくなっていきます。どこか暗く、卑屈になっていっていました。

しかし、彼はジムチャレンジを踏破した猛者のひとり。

ジムリーダーと再会する機会があるのですが、その中でもホップの評価は高く、人物図鑑のような役割のトレーナーカードは彼の実力はダンデとは違う別の魅力を持っている、という”ダンデの弟”という枠組みから外れたホップというひとりのトレーナーをみてくれたんだなと思い、少しぐっと来ました。

そして、最後。

騒動が全て収まり、主人公とホップは最後にもう一度、ポケモン勝負をします。

それはホップが何かを掴もうとしてそれを見つけたから確かめたいのかなと。

区切りを見出そうと、ジムチャレンジの中ではなく、ひとりの男として、友達として、ずっと隣で競い合ったライバルとして。

ホップは自分にある全ての思いの丈を主人公にぶつけました。

勝負を終え、ホップは負けます。

その時のホップは、セミファイナルの時に見せたダンデのような悔しい顔をするのではなく、「友達としてのホップ」の仕草でした。

兄貴に憧れるだけはもう辞めた。

そう私は感じました。

そして、「ポケモン博士になりたい!」と主人公に高らかに宣言します。

最後まで対等に、そして良きライバルとして、良き友達として。

ずっと最後まで競い合ったライバルとして。

ホップは自分の道をしっかりと見定めたのです。

そして、最後は固く握手。

ジムリーダー戦では戦いの後は必ず握手を交わします。

ですが、ホップはこの最後にだけ握手を交わしました。

ホップはどこか悔しい気持ちを出したくなかったのかもしれません。

ですが、最後の固い握手はこれまでの主人公とホップの確かな友情の現れなんじゃないかなと。

ありがとうポケモン。

ありがとうホップ。


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