見出し画像

【レイラインツアー2023】〜祈りの御来光道

『祈りを捧げたい』

みんなに楽しい日々がありますように。ただ、そう思った。


*レイラインツアー2023文章版について

 この記事は、《レイライン》と呼ばれる一直線上に、春分の陽光を浴びて7つのパワースポット=神社が並ぶという奇跡を尋ね行く、1117kmの自転車旅《レイラインツアー》の全記録です。コロナ禍で歪み閉塞した世情を憂い、祈りを捧げたい一心で、50歳を過ぎた自転車好きの手打ちそば屋《蕎麦宗》店主が、自身で企画し挑戦した物語です。 
 この文章版は有料記事となっていますが、最後まで無料で読めます。日頃【チャリ鉄】シリーズでご支援頂いている方々も、初めての方も、気軽にこの長旅にお付き合いください。
 もちろんサポートは喜んでお受けします!。レイラインツアー資金としての活用を考えていますし、有料記事購入や投げ銭システムはnoteの素晴らしい仕組みですからね。 
 一人でも多くの方にお読み頂けたら幸いです。

*レイラインツアー動画版について

 また、この文章版とともに、動画版としてnoteとYouTubeへと発信してあります。こちらもぜひぜひご視聴頂いて、文章を補完するイメージを映像にて体感して下さい。

リンクはこちら↓
(*制作してくださった橋村吾郎(医療法人ODC理事長)氏に、感謝申し上げます。)

*レイラインツアー全行程地図

1117km・7日間の行程

 では、始まりはじまり〜!

はじめに

旅するスーパースター、蕎麦宗です。

 2020年のコロナ禍に端を発した社会の変化は、気候変動や食糧危機、また紛争をも巻き込んで不穏な空気を晒している。とは言え、そうはっきりと感じているのは自分を含めてごくわずかな人達で、大方の人々はようやく平穏を取り戻したふうの日々に、そこはかとなく心に見えぬ不安を魂に覚えつつ、何気ない日常を送っているのだろう。

 個人・家庭・社会においても、気が付かないほどの小さな変化がチリのように降り積もった結果として、取り返しのつかない方向へと在り方を変容させてゆくことは世の常。やがて、

『いったい、どこで間違えたのだろう』

と掛け違えて余ったボタンや、ほつれて解くことすら出来なくなった毛糸のような問題を抱える事になる。

 視点を広げて社会を語るならば、決して為政者の示す道が正しいのでも、大勢の歩く真っ直ぐなわだちが良い訳でもなく、曲がりくねって地形に沿い行く小道の方が、遠回りであっても真っ当な場合もあろう。しかしながら、まだその答えは見えておらず、どう成り行くのかも未知。

 ただ、そんな時代がどんな時勢であっても『楽しく在りたい』というのが僕の信念だ。そのために出来ることはただ一つ。

《楽しめば良い》

 しかし、多くの方々にとってそれは簡単なことではない。パートナーや子供・家庭・会社…etc背負っているものが沢山ある。一人気ままな僕のように能天気にはなれない。
 だからこそ、来るべき安寧な未来に向けて『祈ろう』と思った。そして、

『僕に何が出来るのだろう?!』

と、そう考えて皆の代わりに背負い走ることにした。

 例えば駅伝競走にて沿道から旗振る時、人の脳は、ランナーに送る声援なのか自分自身を応援しているのかの区別が出来ていないらしい。つまり、他者の挑戦への応援は自身への声援となるのだ。ゆえに自分には不可能なことであっても、挑戦者に声援を送ることで自身の挑戦へと変換出来る。つまりは一緒になって旅を味わい、走りを体験し感じることが可能となる。
 この《挑戦》と《冒険》を、あなたも共に楽しんで貰えたならば、そしてほんの少しでも《勇気》を灯せたならば、僕にとって、それはそれはこの上ない喜びです。

きっかけ

 レイライン。聞きなれないこの言葉に出会ったのは2022年3月。【チャリ鉄その3〜千葉編】の房総半島への旅にて、上総一ノ宮・玉前たまさき神社を訪ねた際のこと。ここから西の出雲大社までの七つのパワースポットが、春分と秋分の御来光を浴びて一直線上に並ぶという奇跡。
 まだ人工衛星も精密な測量技術もない遙か太古の時代に、どのようにして造ったのだろうか。考古学的な興味をさて置いても、単なる偶然とは思えず、きっと何か意味深いモノのはずだ。

《これは面白い!》

そんな好奇心を抱いた僕は、この北緯35度22分線のレイライン上のパワースポット=神社を訪ね行きながら進む、自転車旅を企画した。
 西は
①島根県の出雲大社をスタート地点として
②鳥取県の伯耆大山ほうきだいせん(大神山神社)
③京都府の元伊勢皇大神社
④滋賀県の琵琶湖(竹生ちくぶ島神社)
⑤静岡県の富士山(富士浅間大社)
⑥神奈川県の寒川神社
⑦千葉県の玉前たまさき神社

をゴールとする、総延長約1117kmの旅。
 ひらめいて膝をポンと叩いて立ち上がって計画を立て始めた。やるとなったら先ずは人に語るべし。すると、CLUB SOBASOで共に活動する仲間・手塚博文が

『僕も会社を休んで全行程を一緒に走ります』

と言ってくれた。
 また、トップアマチュアの矢部周作(サイクルウェアブランドSUNVOLTの元デザイナー)も、

『ぜひ、全行程をご一緒させて下さい』

と大阪よりわざわざ連絡をくれた。
 まるで太刀持たちもち露払つゆはらい、これはなかなか心強い!!。距離や行程の厳しさを思うと、荷物持ちや風除けとなってくれるだけでもありがたく、大きな力となるに違いない。

クラウドファンディング

 さて、この旅は1日に一つのパワースポット=神社を巡り、祈り、お札を受け、前持って用意した神宮大麻とその7つのお札、また皆んなの想いを背負って、一週間走り続ける。1日の平均距離は170kmにも及ぶ。
 そして最終日、この7日間背負った神宮大麻と7箇所7枚のお札を重ね、春分の朝日に掲げよう。掲げたお札は陽光に貫かれてエネルギーを受ける。ここにレイラインという、パワースポットが一直線に並び照らされる、という奇跡が再現される。これはなんだかとんでもなく有難い代物が出来上がりそう。
 よし、せっかくだ。これを7セット用意してクラウドファンディングの返礼品にしようではないか。長い旅路に費用もかさむのは確かなので、サポート同行してくれる仲間の分も用立てたい。またプロの旅人としての決意でもある。

 …とは言え当初、《お札》をそうすることに抵抗感があった。でも、よくよく考えてみたらこれは江戸時代の《講》そのままではないか。天下の往来が自由に許されていなかったかの時代に、積み立てによって旅人を支援し、身代わりとして参拝に行ってもらい、返礼のお札や土産を受け取る仕組み。《伊勢講》や《富士講》などが知られ、旅が娯楽となりつつあった一方で、命の危険を伴う冒険でもあった時代の一手段。

 そんなクラファン話を持ち掛けた時に一つ返事で真っ先に応えてくれたのが母校・韮山高校の後輩【降臨!龍神ゴロー】こと橋村吾郎(医療法人ODC理事長)で、それだけでなく

『宗さん、僕も一緒に走れませんかね』

と言い出してロードバイク・サーベロS5を購入。宮古島一周(100km)チャレンジなど、7ヶ月先に向けて《脚》を鍛え始めた。ロードバイク初心者の彼には過酷過ぎたようだが、それにしてもなんという行動力!。これもまたとても心強く、東京日本橋〜玉前神社までの区間を同行してくれることとなった。

 今回の旅は自転車が中心。そこへ加えてオートバイや車に乗ってのサポートライドも喜んで受け入れたい。皆が皆この過酷な行程を、僕と同様に自転車で走り抜ける事が出来るわけではないからである。目的はただ一つ。それぞれに《楽しみ》、それを共有することだ。道のりはハードでも、毎日の夕飯や最終日の宴会はさぞかし楽しいものとなるだろう。
 
 そう信じて日々の鍛錬を続け、出発の時を迎えんと準備を進めていった。

 実際のクラファンは、以下のA・B・Cの形で募集した。
 Aは7名限定。どなたもお時間許せば最終日の儀式にご参加頂いて、レイラインの再現をご自身のものとして欲しい。という思いを共有して下さった面々が、そこに集ったのだった。以下に掲載しておくことにする。

A 神宮大麻+7つのお札(限定7セット)100,000円
①橋村吾郎(医療法人ODC・理事長)
②尾池善彦(株式会社舞花・代表取締役社長)
③渡邉剛俊(株式会社セントラルホールディングス・代表取締役社長)
④渡邉愛璃(株式会社スーリール.ド.シュシュ・取締役)*御朱印代行
⑤神戸さえ(アトリエ ヴァイツェン サエ店主)
⑥寺井 剛(株式会社東商会代表取締役社長)
⑦渡辺洋(株式会社渡正配管工業代表取締役社長)
⑧三浦尋一(株式会社ウェイサス代表取締役)*神宮大麻
B 全区間の参加料(宿泊料等を含む)72,000円
①手塚博文
②矢部周作
C 一区間の参加料(宿泊料等を含む)*12,000円
*初回区間のみ。以後、一区間に付き+10,000円
①石井俊也(4日目・竹生島神社)
②大岳誠 (5日目・富士浅間大社*オートバイ)
③高崎芳史(6日目・寒川神社)
④早野昌史(6日目・寒川神社)
⑤小中秀子(7日目・玉前神社)
⑥橋村吾郎(7日目・玉前神社)
⑦山川佑介(7日目・玉前神社*クルマサポート)

D その他ご支援
多くの方々が様々な形でご支援下さいました。ありがとうございます。
①望月和夫 金一封
②勾玉屋一切 精麻紐ミサンガ・出雲勾玉・他
③日響娃 大国主命言霊・他
④小中秀子 出雲勾玉
⑤神戸さえ 日本橋小網神社龍神数珠
⑥有川いづみ 伊勢神宮御守り
⑦出口ひとみ 星むすびセット
⑧鈴木小夜子 金一封

関連記事

以下、関連記事です。読んだらレイラインツアーの楽しさ倍増!ぜひぜひ。

出発の日

 2023年3月13日(月)。三島駅17:46発の新幹線ひかり号に乗り込み、前泊地の岡山へと出発した。昼までの雨も止んで、眩い夕暮れが流れゆく雲を桜色に染める。右手を見やると、手で掴めるくらいに近く大きな富士山が現れた。まるで、この旅路を祝福してくれるかのように、厚塗りの雪化粧を雲と同じく桜色に染めている。
 静岡を過ぎた列車は光陰矢の如く進む。名古屋・京都そして矢部君の居る新大阪を駆け抜けて20:47に岡山へと降り立った。明日は特急やくもに乗り換えて、レイラインツアーの出発地である出雲市駅を目指す。さてと、早く寝るとしよう

7泊8日分の荷物
旅仕様のランボルギーニ×サーベロ
桜色の富士山

1.出雲大社(島根県出雲市)

出雲大社

本文は以下のリンクからどうぞ↓

第①日目 2023年3月14日(火)   
 JR出雲市駅〜稲佐の浜〜出雲大社〜松江城〜大根島〜皆生温泉 89km
☆宿泊地:皆生かいけ風雅ホテル
☆参加者:蕎麦宗・矢部周作・手塚博文・藤原優子*クルマサポート

第一日目のGPSログ

2.大山・大神山神社(鳥取県米子市)

大神山神社

本文は以下のリンクからどうぞ↓

第②日目 2023年3月15日(水)

皆生温泉〜大神山神社本宮〜鳥取砂丘〜福知山 216km
宿泊地:ホテルロイヤルヒル福知山&スパ
☆参加者:蕎麦宗・矢部周作・手塚博文

第②日目のGPSログ

3.元伊勢皇大神社(京都府福知山市)

元伊勢皇大神社

本文は以下のリンクからどうぞ↓

第③日目 2023年3月16日(木) 
福知山駅〜元伊勢皇大神社〜舞鶴〜小浜〜高島〜長浜港 174km
宿泊地:北ビワコホテルグラツィエ
☆参加者:蕎麦宗・矢部周作・手塚博文

第③日目のGPSログ

4.琵琶湖・竹生島神社(滋賀県長浜市)

琵琶湖・竹生島神社

本文は以下のリンクからどうぞ↓

第4日目 2023年3月17日(金)
長浜港〜竹生島神社〜長浜港〜大垣〜馬籠〜妻籠〜野尻駅 150km
宿泊地:阿寺温泉あてら荘
☆参加者:蕎麦宗・矢部周作・手塚博文・石井俊也

第4日目のGPSログ

5.富士山・富士浅間大社(静岡県富士宮市)

富士山浅間大社

本文は以下のリンクからどうぞ↓

第⑤日目 2023年3月18日(土) 
南木曽〜権兵衛峠〜伊那〜諏訪大社〜韮崎〜身延〜富士浅間大社〜三島駅 254km
宿泊地:ドーミーイン三島
☆参加者:蕎麦宗・矢部周作・手塚博文・大岳誠*クルマサポート

第⑤日目のGPSログデータ

6.寒川神社(神奈川県高座郡寒川町)

寒川神社

本文は以下のリンクからどうぞ↓

第⑥日目 2023年3月19日(日)
三島駅〜三嶋大社〜箱根神社〜小田原〜寒川神社〜横浜〜丸子橋〜東京タワー〜日本橋 130km
宿泊地:日本橋ホテルかずさや
☆参加者:蕎麦宗・矢部周作・手塚博文・早野真史

第⑥日目のGPSログデータ

7.玉前神社(千葉県長生郡一ノ宮町)

玉前神社
一ノ鳥居に沈む夕陽の先に、走って来たレイラインがある

本文は以下のリンクからどうぞ↓


第⑦日目 2023年3月20日(月)
日本橋〜船橋〜千葉〜茂原〜玉前神社 77km
宿泊地:玉前神社周辺
☆参加者:蕎麦宗・矢部周作・手塚博文・橋村吾郎・小中秀子・山川佑介*クルマ

第⑦日目のGPSログデータ

8.儀式・神宮大麻と7箇所7枚のお札を重ねて御来光にかざせ!

春分の御来光、一宮町の波見海岸にて
早朝に奇跡の虹

本文は以下のリンクからどうぞ↓

第⑧日目 2023年3月21日(火)春分の日  
場所:一宮町・九十九里浜の波見海岸
終了次第、現地解散(7:00予定)
東京へ移動して完走記念パーティ
於:赤坂ニューオータニ大観苑・主催:渡邉剛俊氏(セントラルホールディングス取締役社長)

日の出時刻
①玉前神社  5:42
②寒川神社
③富士山(富士浅間大社)
④琵琶湖(竹生ちくぶ島神社)
⑤元伊勢皇大神社
伯耆大山ほうきだいせん大神山神社
⑦島根県の出雲大社  6:13

レイラインツアーを終えて

レイラインツアーの宴(主催:渡邉剛俊)


本文は以下のリンクからどうぞ↓

さて。
2024年の秋分の日、出雲大社をゴールとしてレイラインツアーの復路に挑戦します。今度は出雲・稲佐の浜に沈む夕陽に、また8枚のお札を掲げようと思います。
 その時、平穏を取り戻した今の世情が続いているのかどうかは分からない。仮にまた鬱屈としていたとしても、それでも僕は必ず走ります。
 そしてきっと、今回以上に大勢の方々が一緒に走り、共に楽しみ、あの笑顔で見守ってくれるのだと信じて疑いません。

ここから先は

173字

¥ 1,000

読んでくれてありがとう。少しはお役に立てたかな⁉︎。聞きたいことあったら、ぜひ質問くださいな。もし楽しい気持ちになれたなら、ほんの少しだけ応援ヨロシクです。