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第3節 vs 栃木SC 雑感

いや、正直なところ、勝たなければいけない試合でした。
決して、栃木さんが悪いと言ってるわけではないものの、昇格を目指すチームとしては、こういう試合をものにしていかないと上がれないよという感じです。
まあ、あのワンプレーで試合の全ての流れが変わってしまいましたが。
それを考えると、あの状況で勝ち点1を持って帰ってきたのをよしとするべきなのか。
難しいですね。

栃木は4-2-4のような形でヴェルディの「3+2」のビルドアップに対抗してきました。
敵の2トップはボランチへのパスコースを切りながら。
SHは平や若狭といったHVに対して外切りをしながら牽制。
要は、敵4人でヴェルディの5人を消しに行く形を取ってきました。
これに対し、ヴェルディは栃木のSHの裏、ボランチの横にあたるスペースに井出や藤本のシャドーが落ちてきて、ビルドアップの逃げ道を作りました。
もし、栃木のボランチが食いついてきたらできたスペースに端戸が落ちてきて、起点を作る。
これがうまく行ったのが30分ごろの山下の折り返しに藤本がフィニッシュしたシーン。
平がボールを持った時、井出が開き敵ボランチが食いついたところに端戸が落ちてくる。
これに対し、優平が前向きでサポートし、前進する。
相手の出方に応じて、ライン間に「フリーマン」(この場合、優平)を作り出し、効果的に前進することができたシーン。

ただ、正直前半効果的に前進できたのはこの一回のみ。
これはもちろん栃木のプレスが洗練されていたこともありましたが、ヴェルディにも問題はある。
ヴェルディの3枚のビルドアップに対して、SHはHVに対し外切り、真ん中2枚は2ボランチへのパスコースをきる。
これに対し、優平がDFラインに落ちたり、動きながら相手の2トップの一角を引き出すことはできていました。
僕は、これはよかったと思ってます。
まあ、相手にとってはこれでプレスのスイッチが入るわけですが。
ヴェルディとしては抜け出したらチャンスな訳で。
それで、優平の動きに連動して、シャドーが相手のSH裏に落ちてきます。
これをひたすら繰り返して相手のファーストプレスを超えようとした。
これ自体は比較的うまく行っていたように思います。

しかし、うまくいかなかったのはここから。
3+2 vs 4 の睨み合い → 優平が落ちて2トップを引き出す → SH裏に出口を作る
この流れが栃木のプレッシングvsヴェルディのビルドアップの攻防ですね。
意外と見応えはありましたし、ある程度上手く行ってました。
剥がすまでは。
ここからが問題で。
せっかく、相手を引き出したのに前進はできなかった。
では、これは誰の役割か。
永井さんが「フリーマンのフリーマン」の役割を与えた井上の役割だったように思います。
相手の剥がし方は良かったものの、ライン間でフリーマンは作り出せなかった。
これが課題ですね。
まあ、後半森田が出てきた時に若干改善さえれたなーと。
フリーマンには360°の視野、ボールを運べるという要素が非常に大事だと改めて感じました。

ただ、後半柴さんがやらかして。
あれは、普通に祥平に出せば良かったと思いますし、あの程度のプレスであればパスを捌いて欲しいのは正直なところ。

でも、その後のヴェルディは慌てなかったというか。
選手もコーチ陣も「ボールを保持する」という姿勢を崩さなかったですし。
配置も変えずに前線の1枚を削る形で。
ただ、前線1枚削ったんで、端戸が中盤に落ちても数的同数でしたし、相手のCBがプレスに加わるとまあ厳しかったです。
なので、より「戦術山下」が目立ちましたね。笑
ポジティブに捉えると、後方から数的優位を意識しながら局面を作っていけば10人でも十分繋げるんだなというのはある意味、発見でした。
相当選手たちは走ってましたけどやってることはぶれませんでしたし、ここには素直に感心しました。

戦術的には見応えある攻防でしたけど、試合的にはつまらなかったのは間違い無いです。
敵のファーストプレスを外しましたが、それを前進させる人はいなかった。
「ライン間にフリーマン」を作り出せたけど、ボールを運ぶ人がいなかったということだと思います。
シオンなのか、コウキなのか、カンヤなのか。
誰か覚醒しないときついっすね。笑
まあチームとしての戦術理解度は確実に上がっているので、期待しますけど。笑

最後に次戦に向けて軽くプレビューを。
グリスタはなかなかボールが走りませんでしたが、Nack5はボールが走るので、パススピードに関してはむしろやりやすいと思います。
水を向こうが巻くのかどうかは分かりませんけど。笑
群馬との試合を軽く見る限り割と狭くコンパクトにボールを取りに来るというよりは、最終ラインからポジションを決めていく形なので、ライン間にボールは結構入るのかなと思いました。
ただ、2ボランチも3バックも守備能力は高いので、入れさせたところで奪いに行くみたいな感じでした。
相手が前から来るのか後ろから来るのかはわかりませんが、前進で困ることはないんじゃないかなと思います。
ただ、奪われてからのカウンターが1番脅威で。
イッペイしかり、奥抜しかりボールを運べて勝負できる選手がいるので、トランジションで可変の穴をつかれると厄介です。
相手のボール保持は少しオーガナイズされた印象ですが、引きつけたらロングボールを選択するので、セカンド勝負にもなると思います。
最後の崩しのところとカウンター対策が肝になりそうです。
ある意味、ヴェルディの真価が問われる一戦になりそうです。
でも、負けるとは思わないし、全然やれると思います。
早く今季初勝利を。。。。