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迷子のときに。【2023年12月18日】

小学1年の頃、通っていた水泳教室の先生がディズニーランドに連れていってくれた。2つ歳上の姉と離れないようにしながら先頭を切って歩いていたおれはあっという間に夢の国に誘われた。気づいたときには遅かった。とりあえず泣いてた。

そしたら、キャストのお兄さんが近づいてきて話をきいてくれた。そして、ひょいっと、肩車をして、探すぞー!と、おれを夢の国の冒険に連れ出してくれた。

姉の顔を見た途端、涙をひっこめて、何事もなかったかのようにしてたけど、安心して泣きそうだった。

自分がどこを歩いているのかわかっているとき、そして、ちかくに信頼できる人たちがいるときは、自信満々に先頭を切って歩くくせに、いま自分がどこにいるのかわからず、いっしょにいたはずの人たちとはぐれて迷子になると、突然不安になる。思い返せば、おれたちは、子どもの頃から何も変わっちゃいない。

わかったつもりで歩いていた道は、気がついたら形が変わっていたり、景色が変わっていたりして、自分はどこに向かっていて、今どこにいるのか、突然わからなくなることがある。

それはことばにできるような悩みでもなく、もやもやした薄い雲のようなものが、こころのなかにうずまき続けるような感覚になる。

そんなとき、あのキャストのお兄さんのように肩車で視線を変えてくれて、迷子を冒険と呼び、不安をたのしみに変えてくれるような存在がいたのなら、だいぶ違った時間になるのだろう。

自分にもそういう存在がいたらいいな、と思うし、自分もそういう存在でありたいなぁと思う。

今日も読んでくれてありがとうございます。あのお兄さんは、今はおじさんだな?どこかで何してるんだろう。

いつも応援ありがとうございます!!!