コロナ禍の若者たちと支援②

若者たちに対する支援について、コロナ第1波への大学の動きなどを整理しました。その1で収まりきらなかったものを今回ご紹介します。

1)相談窓口の開設

その1では、金銭的な支援について整理してきましたが、例えば生活相談た、労働問題に関する法律相談の窓口設置の動きも見られました。以下に抜粋して紹介します。

●宮城大学
・こころとからだのサポート
宮城大学では、コロナ専用の相談窓口(メール)を開設しました。学生が新型コロナについて不安なこと・心配なことをメールすると、健康支援室のスタッフが相談に応じるというものです。

●東北学院大学
・新型コロナ感染症関連 学生向け無料相談窓口設置

東北学院大学では、アルバイト等にかかる労働問題に関する法律相談を、6月の一ヶ月間で実施しました。
まず窓口にて電話、FAX、メール相談などで相談を受け付け、その後に教員と仙台弁護士会の有志が、法律の専門家として直接相談に応じるという形でした。
ソーシャルハブの情報交換会にて、「アルバイト先から休業補償が支払われないという若者の相談がある」という支援団体からの報告も聞かれましたので、学生の身近なところで専門家が相談対応するという取り組みは非常に良いと思いました。

2)通信量の支援

オンラインでの授業への移行が相次ぎましたが、そもそものネット環境は学生によって様々です。自宅にWi-Fi環境がない人も珍しくないでしょう。
そうした中で、携帯会社の各キャリアでは、25歳以下を対象に、通信環境を確保するための支援措置を実施しました。

NTTドコモ、au、ソフトバンクの大手三社では、25歳以下のユーザーを対象に、データ追加に伴い発生する料金を無償化し、最大50GBまで利用できるようになりました。テザリングオプション利用料を無償化するキャリアもありました。

どれも2020年4月からスタートし、当初の期間よりも延長・再延長されたものの、8月31日で終了しています。

●NTTドコモ

●au

●ソフトバンク

3)その他

「#ゴチです」プロジェクト

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仙台の飲食店の方たちによる、ちょっと変わった学生応援企画です。
一口500円、飲食店の「#ゴチですBOX」に入れると、飲食店に集まった「ゴチ」の分だけ、学生が無償で食事の提供を受けることができます。合言葉は「学生たちが、腹ペコだ」だそうです。
https://www.instagram.com/gochidesu_project/

プロジェクトの仕組みはこちらの記事がわかりやすかったです。↓

終わりに

大学独自では、金銭的支援から相談窓口の開設などよりパーソナルな支援に取り組みました。民間では、通信会社によるオンライン授業の後方支援も見られましたし、「ごちですプロジェクト」のように、よりローカルな支援も生まれています。

さて、せんだい・みやぎソーシャルハブでは「若者に情報を届けるプロジェクト」の一環で数人の大学生からコロナ禍の現状のヒアリングを行いました。ヒアリングでは、大学の授業がオンラインになり、大学に行く機会がなくなったこと、友人と雑談することも減ったことなどが聞かれました。そんな状況下で「必要な情報を収集することは難しかった」との声がありました。

例えば、各大学の給付金・奨学金による支援は、“緊急支援”の意味合いが強かったこともあってか、締め切りは早かったようです。情報に気づいたときにはすでに募集が締め切られていたという声が聞かれました。また、申請書の記載や必要書類を揃えるのが大変そうだからと、申請することを諦めてしまった学生もいたようです。

そうしたことがないように、例えば生活が苦しくなっている学生に支援情報を早期に届ける仕組みをつくったり、情報と一緒に申請書の書き方も指南したり、というサポートがつくれないかと模索しています。

また、もちろん緊急的なお金の支援は必要ですが、非常事態が日常化しつつある今、いずれ少なくなることは容易に想像できます。コロナ第2波に備えて、学生たちを支えるための次なる策を開発していく必要があると感じています(仙台でもここ数日は複数名の感染報告が続いています)。例えば学生のスキルの向上や、社会課題を知る・触れる機会の創出などと絡めて、ちょっとした資金を得るというようなスタイルが生み出せないかと思います。


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