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アラフォーのぼくが会社をつくった理由と、「マイノリティ」に込めた思い。

こんにちは。マイノリティという会社で代表をやっている柳澤といいます。

39歳のときに起業をして、気づけば2年ほどたちました。おかげさまで事業は順調です。

もともとこの会社、前職で働いていたときに創業しました。実は当時は会社員としての自分に限界を感じていて、転職するかどうしようか悩んでいました。


自分が力を発揮できる状況がわかってきた

会社員生活を20年近くやってきて、だんだんと気づいてきたことがあります。それは自分がパフォーマンスを発揮できる状況にはっきりしたパターンがあることです。

いままでいろんなスタートアップで営業組織の立ち上げやBtoBマーケティングの戦略立案に携わってきました。ほとんどの会社で経営陣と一緒に、いわゆるゼロイチのフェーズからチームを立ち上げ、一定の評価をいただいてきたと思います。

ただ、そこの立ち上げ期を過ぎ、「あとは90から100に近づけよう」とか、あるいは「ずっと80〜90を維持しよう」となると、しだいに新天地を求めるようになるのです。

そしてまた新たな組織でチャレンジをはじめます。もしかしたら似たようなタイプの人もいるかもしれませんね。

と、まあそれ自体はいいのですが、では「いつまで立ち上げと転職を繰り返すのか?」と考えると、もう少し主体的なやり方はないものかと思えてきます。

たびたび経験してわかったのは、自分が評価され、求められるのは事業の初期段階、そして評価してくれるのは決まって会社の経営者でした。

できればこの先も継続的に、自分を必要としてくれる場所で仕事をしていきたい。

となると、そのためには僕が転職を繰り返すのではなく、自分でスタートアップの経営者を支援する会社をつくればいいんじゃないか。そう思いました。

自分でつくった会社でクライアントを支援すれば自分の幸福度も上がるし、相手もすごく喜んでくれるはずだと。

ただ、そう考えはじめた頃、僕はもう39歳になろうかという時期でした。起業するなんて考えたことはなく、「サラリーマンとしてこの状況を打破するしかないだろうな」「とはいえ、自分はあと何回転職するんだろう」と悶々としていました。

ワイキューブ創業者・安田佳生さんとの出会い

そんなとき、ワイキューブ創業者の安田佳生さんとお会いする機会がありました。『千円札は拾うな。』という本がヒットした経営者の大先輩です。

4〜5年ぶりに自分の状況を相談してみると、

「あなたはもう大丈夫だから、はやく起業したほうがいい」

と言われたんです。

当時も副業的に1〜2社の支援はしていたんですが、とてもそれだけで生活していけるようなレベルではありませんでした。

僕としては「会社員として何とかしていきたいが、どうすれば…」という相談をしたつもりでしたが、安田さんからすると「そもそもなんで会社にいるの?」という感じだったようです。

安田さんと話しているうちにモヤモヤしていたものが晴れていきました。そうか、自分に価値を感じてくれる相手に振り切ればいいじゃないか、と。そのためには自分で機会を作り出すしかないことにあらためて気がつき、翌日には開業届を出しに行きました。

2021年2月のことです。はじめて自分の会社をつくりました。まあ会社といっても書類だけのものなので、オフィスもなければ、自社サイトも何もないんですけど、やっぱり「器」ができたことでスイッチが入りました。

「マイノリティ」は戦略であり、原体験

ちなみに、「株式会社マイノリティ」という会社名の由来は、前にこのnoteで書いた新卒時代の出来事が関係しています。

僕らはみんな、学生の頃から同じプロセスを経て、同じルールの中で結果を出すことを問われてきました。勉強、部活、入試。だいたいそうです。

けれど、社会に出たら全然ルールが違います。プロセスも重要だけれど、最終的には成果さえ出ればアプローチの方法は(そんなに)問われません。もっと自由に考えられるし、人と違うことをやればやるほど仕事はおもしろくなります。

「マイノリティ」って「人と違う」とか「少数派」みたいな意味ですよね。

少数派であることは悪くないというか、仕事においてはむしろ武器になるということを、社会に出てからすごく実感しました。

新卒のつらいつらい営業時代。飛び込みを恐れて別の方法を考えたり、テレアポ先のリストを勝手にデータ管理してみたり、人と違う行動が成功につながったことが何度もありました。

人とちょっと違うことを考えて、それをアドバンテージにするーー。自分を構成する要素のうち「マイノリティ」という概念はとても重要な位置を占めていました。

そういう原体験もあって会社名にしました。

「Win-Win」ってこういうこと

さて、話を戻すと、「マイノリティ」という看板は掲げたものの、実際のところ前の職場を辞めるつもりはなくて、まずは会社員のかたわらで兼業的にやっていこうと考えていました。

ただ、テンションは上がっていたので、初めて自分の会社でちゃんと営業をしてみました。

広告を打ったり、自分の経験してきたマーケティング施策を試したり、2ヶ月ほどやってみると、取引先が急増しました。「本気でやるとこうなるんだな」と手応えもあり、自信になりました。

結局、2月に会社を設立して、4月には「会社を辞めます」と言っていました。

もちろん、僕はBtoB営業とマーケティングを長年のあいだ専門としてやってきたので、成果を出すこと自体は当然といえば当然です。けれど、それまでは会社のブランドを使ってきたわけです。所属していた会社の名前のおかげで仕事が取れたところもあります。

会社員時代は、「どこの会社に勤められるか」「どこの会社から必要とされているか」という雇用される側の価値しか感じていなかったのですが、雇用されなくても「自分を商品として売り込める」ことを初めて経験しました。

2ヶ月くらいで「自分というものは意外と商品として成立するんだ」という手応えがありました。

だれでも転職をするときって、「いままでやってきたこのスキルを活かそう」って考えますよね。

僕の場合はそれが営業とマーケティングでした。

自分のスキルを使って転職するか、起業するかの違いです。その武器を1つの会社にフルコミットで提供するのではなくて、複数の会社に提供していくことに決めました。

基本的には新規事業の立ち上げや、売り上げを伸ばすことにコミットするスペシャリストという価値は変わりません。

僕は経営者や起業家タイプの人と仕事をすると良い結果に結びつくことがわかっていたので、そういった事業フェーズの会社さんを中心にやり取りさせてもらっています。

実際に一緒に仕事をしていると、相手の経営陣からすごく感謝してもらえたり、喜んでもらえたりするので、「Win-Winってこういうことを言うんだろうな」と日々、実感しています。

人から必要とされること、それに応えられること。これってやっぱり生きる糧そのものです。

というわけで、アラフォー起業がすっかり40歳を超えましたが、おかげさまでたのしくやっています。B2BスタートアップのPMFからグロースまでサポートが必要でしたら、ぜひお声がけください。


営業戦略の立案からカルチャー作り、カスタマーサクセスまでをカバーした一連の記事をマガジンにまとめています。よかったら読んでみてください。

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