彗星のごとくネット上に投稿された、スシローにおける客テロ(ペロペロ事件)動画が世間を騒がせ、強烈なインパクトを残した。その後も模倣的な動画が次々と投稿され、最近の若者(Z世代)の心証を害した。失われた30年の中で育ち、上の世代とは異なる新たな価値観を持つZ世代。なぜ彼らはペロペロしてしまったのか。彼らを取り巻く現代の環境を紐解きながら、彼らのもつ価値観の考察を試みる。
1.Z世代とは
2.Z世代の特徴
3.Z世代を表す3つのキーワード
1.タイムパフォーマンス
コト消費が当たり前になっている、Z世代の可処分時間を飽和するコンテンツ同士が奪い合い、使った時間で得られる成果の効率性を表す「タイムパフォーマンス」なる言葉まで生まれている。
2.SNS
またテレビを見ない彼らが、娯楽として代わりに多用しているのがSNSである。代表的なものとしてYouTubeやTikTok、Instagram、Twitterなどである。日々新しい投稿で更新され、コンテンツであふれている。
3.インフルエンサー
各種SNSで話題のトップランナーとなりトレンドを作るインフルエンサー。Z世代の興味を引き、彼らが面白いと思うコンテンツを配信する憧れ的存在。若齢でそこまでお金を持っていないZ世代に対して、インフルエンサーとして築いた潤沢なリソース(人・もの・金など)を用いて、Z世代がまず体験できないことを企画することで、目新しいコンテンツを提供している節がある。
4.3つのキーワードから見えてくるZ世代の流行り病
3つのキーワードから見えてくるのは、Z世代が「飽和したコンテンツの中から、時間をかけずにタイムパフォーマンス良く、目新しいコンテンツを消費したい病」にかかっているということである。つまり「即時的に得られる目新しさ」こそがZ世代が求めている面白さなのである。
しかし、憧れるインフルエンサーのように潤沢なリソースを使って、Z世代である彼ら自身が同じように目新しい面白さを提供することは難しい。なのでそんな彼らは、法や倫理観の一歩外に踏み出すことで、「即時的に得られる目新しいコンテンツ」を世間に提供したのである。超えてはいけない一線を越えることで、即時的に目新しいコンテンツを生み出したことは、大変おそまつな行動だったと言わざるを得ない。