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【2023年秋アニメ】49作品の第1話を観ての感想まとめ《後編》

毎シーズン恒例にしている「アニメ第1話感想」、2023年秋クール(10月~12月)ですが、本数が多すぎたので前後編に分けていて、こちらは後編です。

前編はこちら↓

【前編で紹介した25作品】

葬送のフリーレン
め組の大吾 救国のオレンジ
ラグナクリムゾン
シャングリラ・フロンティア
キャプテン翼 シーズン2 -ジュニアユース編-
でこぼこ魔女の親子事情
範馬刃牙 第2期【野人戦争編】
オーバーテイク!
鴨乃橋ロンの禁断推理
SHY
私の推しは悪役令嬢。
とあるおっさんのVRMMO活動記
聖剣学院の魔法使い
ミギとダリ
Paradox Live THE ANIMATION
東京リベンジャーズ -天竺編-
婚約破棄された令嬢を拾った俺が、イケナイことを教え込む
ブルバスター
ウマ娘 プリティーダービー Season3
16bitセンセーション -ANOTHER LAYER-
カミエラビ
暴食のベルセルク
ビックリメン
柚木さんちの四兄弟。
冒険者になりたいと都に出て行った娘がSランクになってた


★は大まかに以下のようなパーソナルな指標。★3と★2の間くらいが継続視聴するかどうかの境界線。

★★★★★ すげえいい
★★★★  かなりいい
★★★   まあまあいい
★★    ちょっとキツい
★     だいぶヤバい




26 アンダーニンジャ

雰囲気はすごいあるんだけど、現在進行形の事象とキャラクター紹介を兼ねていると思われる回想シーンとを行きつ戻りつする構成はちょっとクドい。それが「普通ならこうなるだろう」という展開への想像を裏切り続けることで想定外の面白さを生んでくれればいいのだけれど、初回を観る限りでは期待されるアクション的な爽快感を阻害しているようにしか思えず、ちょっと様子見。画的にはわりとチャレンジングで「おお、手塚プロやるじゃん」とも思ってはいる。まあでもたとえ面白くならなかったとしても酔いどれ安済知佳が毎回出てくるならそれだけでも視聴する価値はある。

★★★

27 盾の勇者の成り上がり Season3

急に戻ってきても何の話してるかわからんと思いつつも、つまり奴隷を買い戻すために殺しアムでバトルするのねっていうわかりやすい軸があってよかった。正直言って2期は低調だったから巻き返しに期待。

★★★

28 攻略うぉんてっど! ~異世界救います!?~

全編よく動くゲームムービーって感じだけど、そもそもゲーム世界に転生してるわけなので理に適っていて、こんなやり方があったかってちょっと感心した。ギャグシーンになるとSDキャラになるちょっとお寒いノリとか、ルックはジャパニメっぽいのに根底の倫理観が日本人のそれとはちょっとズレてたりとか、中華アニメ独特の味はここでも健在で好き嫌いは分かれそう。俺は嫌いじゃない。

★★★

29 ゴブリンスレイヤーⅡ

あれ、まだ2期だっけ? なんかもう何期もやってた気がしてたな。劇場で上映したOVA挟んだからか。実は制作会社が変わったりもしてるんだけどあまり気にならなかったのは、1期の監督である尾崎隆晴がそのまま総監督として全体をオーガナイズしているからなのかなと思う。

タイトル通り、相変わらず戦う敵は見栄えも代わり映えもしないんだけど、この作品の肝は数多のジャパナイズされた古ヨーロッパ“風”のファンタジーでなんとなくやり過ごされている「冒険者の日常」にあると思っている。キャラクターの所作の細かい描写とか、時間や距離の感覚とか、そうしたディテールによってキャラクターが生きてくる。

★★★★

30 アークナイツ【冬隠帰路/PERISH IN FROST】(第2期)

このダウナーなテンション、嫌いじゃないんだけど舞台の設定も相まって本当に陰鬱な気分になってくるな。でもそれだけちゃんと作ってるということではある。良くも悪くもこれがアニメ版アークナイツの味だし。ただまあ2期とはいえ初っ端にはもうちょい派手な仕掛けがあってもよかったかな。

★★★

31 アンデッドアンラック

原作もチラッと読んだけど、これは正しくアニメ化したことに意味のあるアニメ化だと思う。粗削りでやや野暮ったいとも言える原作を、ディテールを補いつつどう動かすのか、単体のアニメとしてどうブラッシュアップして魅力的に見せるのか、ということが考え抜かれた快作。第1話時点ではほぼメインの2人だけのシーンが多くて登場キャラクターも少ないが掛け合いも飽きさせない。見た目ほど簡単なことじゃない。

OP格好いいよね。曲としても女王蜂は外れがないと思う。『後宮の烏』のOPも好きだった。

★★★★★

32 経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。

なんだろう、主人公がキモいな……。いや、この手の作品の出発点はどの道妄想レベルのアイディアなわけだからキモいこと自体はいいんだけど、ただただ普通にキモくて物語に対して推進力のあるキモさではないよね。続きが気にならないキモさ。

★★★

33 はめつのおうこく

ちょい露悪的なピカレスクロマンってところかな。正直お話としてはよく原作は連載会議通ったなって感じではあるんだけど、わざわざアニメ化するからにはそこをどうにかするのは制作陣の腕の見せどころだと思うんですよね。作中にある色々な要素にすごく寄せ集め感がありすぎてまとめるのは大変だと思うけど頑張ってねっていう応援したくなる気持ち。

★★★

34 キボウノチカラ ~オトナプリキュア'23~

全然観る気が起きなくて3週間くらい放置してた。うーん……現役の劇場版とかにゲスト的に出てキメの台詞だけ喋るならともかく、本編丸々だとやっぱ全体的に声がキツくない?

俺はこの「声優(特に女性)は発音の違いに世代的な断絶がある」説にわりと同意してて、技術ではカバーしきれない問題だと思ってるんだよね。この違和感をクリアしてくるの、知る限りでは堀江由衣くらいなんだよ。

シリーズとしての持ち役で代えられないという事情は充分わかってるんだけど、それでもこの企画なら劇中の年齢に合わせて20代後半くらいのキャストを揃えられたらどうだったかってやっぱり考えてしまう。言葉を選ばずに言えば、物語や演出がどうこういう以前の問題として全編がおばさんくさくなってる。

セラムンCrystalでも三石さん以外は総取っ替えしたわけじゃないですか。製作サイドもそれはわかってるはず。音響監督だって下手したら年上の声優に「うーんちょっとおばさんくさいですね……もっと若々しく!」って言えないでしょ。言ったってしょうがないし。キャスティングの問題。

元々、年数の経った続編とかリブート、リメイクでは、旧キャストへのリスペクトは年齢に見合った役を用意してカメオ出演してもらうことで示すべき派だというのもある。もちろん旧キャストがそのままの役で出ていることを喜ぶ層がいることも知ってるし、商業作品としてはひとつの在り方だとは思う。俺は好きじゃないっていうだけ。同窓会には興味がないです。

★★

35 ひきこまり吸血姫の悶々

あんまり言いたくないんだけど……前々から薄々感じていたのがついに決定的になったというか、個人的に楠木ともりの声がだいぶダメになってきている。それでも抑えめの役ならまだ我慢できるんだけどこれはちょっと無理だった。技量的な問題というよりは生理的に癇に障ってしまう声なんだよな……。なので、彼女には何の責任もなくて単純に俺の受容レンジの問題。アニメの出来と全然関係なくてそれも申し訳ないけどダメなものはダメだから許してほしい。実は前期の『ゾン100』もその意味では結構キツかったし、今期だと『豚のレバーは加熱しろ』もダメ。一方で『ティアムーン帝国物語』は許せるレベルだから、ディレクションの方向性の問題でもあると思う。

ついでだから言っちゃうと、傾向は違うけど結構苦手なのが緒方恵美で、エヴァ以外はもう何に出ててもウワってなる。

一応内容についても触れておくと、引きこもりであったという描写が不充分で単に出不精な人にしか見えないのはマイナス。あちこち連れ回されてもただ「面倒くさい」というだけにしか見えず、それが本当に無理なのだという前提が形として示されていないと、あとになって落差が生きてこない。

★★

36 SPY×FAMILY Season2

覇道を行くアニメ、OPに湯浅政明を起用する。やりすぎだろ……(笑)。その1分半で元が取れるわ! 本編については、2期の初回にこの疑似家族それぞれの持ち味が発揮されるエピソードを持ってきたのが出色。あらためてそれぞれのキャラクター、背景、能力、もろもろをさりげなく振り返る構成にもなっていて隙がない。上手すぎて可愛げがないとすら思える。

OPはのっけから湯浅節全開でありながら最終的には作品の世界観にマッチさせてまとめる職人の仕事。最高です。

★★★★★

37 帰還者の魔法は特別です

なんか今期ジャンルかぶりが多いな。タイムリープやり直しものっていう観点でいうと『ティアムーン帝国物語』とかぶってるんだけど、あっちは転移自体は早い段階でやって、未来(主観的には過去)の出来事は回想で逐次フォローするっていう方法でリズミカルに話を転がしていたのに対して、こっちはバカ正直に順を追ってしまったためにAパートが退屈になっている。似た構成で思い出すのは『デッドマウント・デスプレイ』の1期かな。あれはまだBパートに意外性があったからなんとか保ったけど。

★★

38 豚のレバーは加熱しろ

劇中でまさにメタ的にギャグにしていた通り、こういう導入だと主人公の「主観的な思考」と「実際に発している台詞」と「モノローグ」を区別することが難しく、それを1人の声優のスキルに頼ってしまうのは無茶振りもいいところだと思う。初期の転スラもそうだったけど。少なくとも一部分はナレーションに転化するなりして別の声優に担当させて負担を分散すべきだと思う。松岡くんは頑張ってたし、それだけのスキルもある声優だとは思うけど。単純に変化に乏しくてTVアニメの第1話としてはワクワク感に欠けてしまう。まあ一応相方も喋ってるけど……そっちはそっちで個人的に『ひきこまり吸血姫の悶々』の項で言った問題を抱えているので厳しかった。

★★

39 ティアムーン帝国物語 ~断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー~

『帰還者の魔法は特別です』のところで言った通り、記憶を行きつ戻りつしながら想定外のシチュエーションに徐々にアジャストしていく主人公という描写と、視聴者への情報の開示とがリンクしていて非常に見やすい構成。赤尾でこシリーズ構成作品が同じ土曜日に3本固まっているのだけれど(これと『豚のレバーは加熱しろ』『ラグナクリムゾン』)、その中では最もよい出来だと思う。

★★★★

40 僕らの雨いろプロトコル

今期はなんか作中にゲームが出てくる作品が多いんだけど、これはまんまe-スポーツテーマだからそこはもうちょい頑張ってほしかったと思いつつ、ただそこが本線ではなくて、一度はゲームを辞めた主人公が抱えている葛藤を中心に織りなす青春群像劇と考えれば、まあ枝葉の問題なのかなとも思う。キャラ立ちも明快で人物描写はそれなりに丁寧。ヒロインの父親が本当にダメな大人でイラつくけど、それもギリギリコメディの範疇に収まってるかな。

★★★

41 ポーション頼みで生き延びます!

予備知識全くなしで観ても「これはあれやろ、のうきん(『私、能力は平均値でって言ったよね!』)とかろうきん(『老後に備えて異世界で8万枚の金貨を貯めます』)の人が原作やろ?」ってわかってしまうのは、似通った設定がどうしても多くなるラノベ原作アニメにあっては希有な才能だと思う。FUNA作品の持ち味はベタベタかつオッサンくさいギャグをためらいなく詰め込んでくるところにあると思うのだけれど、それを律儀に再現する手堅い仕事で悪くない。ただまあ、それと好きかどうかは別の問題で、あんまり好みではないんだよな……(笑)。

★★★

42 アイドルマスター ミリオンライブ!

なんでも器用にこなして部活の助っ人で忙しい日々を送っているけど本当に一番やりたいことは何なのかわからずにいた少女が、たまたま行ったライブで光り輝くアイドルの姿に打ち抜かれて夢を見つけるという、アイドルアニメとして完璧なオープニングシークエンスと、それに相応しくプレミア感のあるライブシーン。スクリーンに投影されたシルエットから実体が飛び出してくる瞬間の春日未来のときめきに視聴者の視点もシンクロさせる演出が秀逸。Bパートで長い尺を取ってその余韻を静香と2人夜の公園で噛みしめるように思い出しながら語らうシーンもいい。

★★★★★

43 七つの大罪 黙示録の四騎士

前シリーズの終盤はちょっと惰性になりかけてて多少辛かったんだけど、仕切り直した新キャラが瑞々しく動いてて掴みもOK。

★★★★

44 君のことが大大大大大好きな100人の彼女

ドテンプレのハーレム展開を自覚的なメタフィクション的味付けでテンポよく畳みかけて深く考えさせない、エンタメに振り切った演出。日ヨルはこれと『オーバーテイク!』のツートップって感じかな。

この80'sポップ的なデフォルメを特にEDに用いるの、最近の流行りだよね。おっさんだから懐かしく感じる部分もあるけど、若い視聴者の目にはおそらく新鮮に映るのかなと思う。

★★★★★

45 星屑テレパス

ちょっとコミュ障描写がキツいかな……コミュ障っていうか若干知能にも問題があるように見えてしまうの、きららの4コマなら多少の破綻は気にならないかもしれないけど30分アニメの枠の中だとそれはより歪になってしまうからなんだよな。そこをキャラクターの個性とか可愛さだと受け取ってもらえるように均すのが演出の仕事だと思う。ヤバい奴を動かしてみたらよりヤバくなりましたっていうだけじゃん、これだと。

★★

46 川越ボーイズ・シング

アバンで主人公が歌うのが「Swing Low Sweet Chariot」で、これはJSPORTSで自転車ロードレースを観ている人間にはお馴染みの曲なのでおおっと思った。それだけです笑。

男子が変わった部活をやるアニメにあまり外れはないっていう持論があって、それは『チア男子!!』だったり『バクテン!!』だったり『この音とまれ!』だったりするわけだけど、これもその系譜に並ぶものになるといいなという期待込みで視聴リストに入れていた。まずまず無難な立ち上がりだったとは思う。

全然関係ないけど、ラーテルって放し飼いにしていい動物なのか? という疑問も。ラーテルって聞くだけで「牙の鋭いほうが勝つ」ってすぐ言っちゃうんで『キリングバイツ』2期、待ってます。

★★★

47 デッドマウント・デスプレイ(第2クール)

1期、というか第1クールは最後まで観てたはずなんだけど、なんで観てたんだっけ? と思って自分の感想を引っ張り出して読んでみたんだけど、風呂敷の広げ方がちょっと独特だったからなんかあるのかなと思って観てたんだった。で、結局何もないまま2期になった。無。

★★

48 Dr.STONE -NEW WORLD-(第3期)【第2クール】

まあ安定してますよね。話運びにも画作りにもどっしりとした確信がある。すごく好きっていうわけでもないのに面白く観られるのは強い。

★★★★

49 薬屋のひとりごと

ラノベ原作でコミカライズが2作品同時に走ってることでも有名な作品だけど、これはどっちかっていうとガンガン版を下敷きにしてるっぽいな。それはそれでいいんだけど、「後宮もの」ジャンルのお約束はきっちり押さえてるのに、その上で故意にそれから外れた要素(チョコレートとか筆文字の日本語とか)を入れてくるのはちょっと言い訳っぽくて好きじゃないなあ。そこはファンタジーでいいからちゃんと没入させてほしい。

主人公がこういうやさぐれ風情だっていうのと悠木碧の演技のマッチングはとてもいいと思う。ただ、ちょっと声のレベルがおかしくない? 他のキャラよりやや大きめになってる気がする。度々「独り言なのに声デカッ」って思った。

あと内容とは関係ないんだけど放送形態の話。日テレと多くのネットワーク局では3話一挙放送だったのに対して、どうやら一部の局ではそれが2話一挙放送だったり1話のみだったりするところがあったらしい。構成的にも3話までまとめる意味は全くないのでこういうのやめませんか? 普通に10月7日スタートにすればよかったやん。他と同時だと埋もれるみたいな心配はない作品じゃないですか、売れてるんだから。自信を持て。

★★★


あとがき

以上、前後編合わせて全49本の2023年秋クール(10~12月)TVアニメ第1話についてざっと感想を書いてきました。疲れた……。アニメだけ観て暮らしてるわけじゃないので、本数的にはこれは限界を超えてる感があります。土曜日なんて1日11本とかありましたしね。1日あたりいいとこ5本、多くても週30本くらいが普通に生活しながら観られる本数の上限かなと思います。

全体を通してみると、わりと前評判というか名前のあるタイトルが今期は順当に強いのかなという印象ですね。突き抜けてこれがすごい! みたいなのはないかもしれないですが、まあそういう作品がいつもあるわけじゃないですからね。とりあえずチェックするだけはしたのであとは本数絞りながらぼちぼち楽しんでいきたいと思います。それではまた。


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