いよいよ、おもちゃ代わりのギターが、ちゃんと楽器の役割を果たす時がやってきた。
はじめての晴れの舞台はクラスのお楽しみ会だ。
クラスで隠し芸を披露することになった鐘己少年は、ついにギターを弾くことを決心した。

「さぁ、ギターを弾くと言っても、どうやったら良いのか分からない。どうしたものか……。」
そんな時、利発な少年だった冴沢鐘己は、「図書館で調べてみよう！」となるのだった。この辺りは、今の冴沢鐘己と同じく好奇心と探究心の高さを感じるエピソードといえるだろう。
そして、鐘己少年は、図書館にある楽器事典の中からギターを選び出し、独学でチューニングの仕方とドレミファソラシドを覚えた。

しかしながら、そんなに簡単に弾きこなせるわけもなく、隠し芸大会で披露したのは「ゆかいな牧場」だった。
♪いちろうさんの牧場で イーアイ イーアイ オー
という歌詞を聞いたら知ってる人も多いのではないだろうか。音階でいうと「ソソソレミミレシシララソ」
この曲を選んだのは、音楽の教科書の中で一番簡単そうだったからという単純な理由だったそうだ。

これをきっかけにギターの世界への扉を開いた鐘己少年。どう才能を開花させていくのだろうか。次回を楽しみにお待ちいただきたい。