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人生を変えた、K先生と音楽と。

小3の終わりから合奏部へ入って以来、ゆるくクラシック音楽が好き。

音楽好きが加速したのは、間違いなくK先生のおかげだ。
 

K先生は私が入部した頃、新卒ほやほやで赴任し、吹奏楽の経験があるからと顧問になった。
 

K先生が前の先生から引き継いで1年経った頃。

時代の流れだったのか、アコーディオンや木琴中心の"器楽合奏"という形態だったのを、吹く楽器中心の"吹奏楽"へ変えた。

それまでピアノ未経験でアコーディオンをやっていた私は、みんながスラスラ弾ける中で一音一音にドレミと書くくらい。
足を引っ張っていたのかもしれない。
記憶にないくらい必死で、でも楽しくて。

先輩たちからいじわるされても、上手じゃなくても、みんなと音楽作れる楽しさが勝っていた。

吹奏楽になった時、打楽器以外全員がそれぞれの楽器の初心者になった。

みんなが同じスタートラインに立ち、一気に気持ちは軽くなったんだろうな(この辺もううろ覚え)。

私は黒いケースに入ったクラリネットを渡され、「トランペットがよかったのに…」と不満を持ちつつ言い出せないまま、結局社会人までクラを吹くことに。


押せば出たアコーディオンと違って、息のコントロールが加わり、最初は大変だったけどやっぱり楽しかったな〜。
誰かが曲を吹き始めると、いつの間にか全員で吹いてる一体感が何より好きだった。
 

クラシックからポップス、ミュージカル曲、いずみたくの歌謡曲など、いろんなジャンルを練習しながら「音楽はストーリーなんだ」と体感。
 

そのきっかけは、K先生が「コンクールでやる曲にお話をつけてみて」という課題を出したことだったと思う。

おとぎ話のようなタイトルの曲で、音の盛り上がりや特徴から、「ここは嵐がきて、ここは主人公が王女を救って、最後はハッピーエンド…」というように物語を書いてみる。

その物語が正しかったのか実際は作曲家しかわからないけど、ひとつの解釈としてその物語を思い浮かべながら演奏したら、なんと楽しく盛り上がることか!

それまでも無意識には感じていたんだろう。

でもその時から、「音楽にあるストーリーや伝えたいメッセージはなんだろう?どう表現したらいい?」と考えるようになった。

不器用な私にとって、ただ吹くだけじゃなくどう表現したらいいかを追求する姿勢は強みになった。

  
あれからもう30年以上(‼︎)経つ。

K先生とは卒業後も年賀状のやりとりがあったけど、私の不義理で今は途絶えてしまっている。

あの時新米教師だった先生もあと数年で定年。
その時にはお祝いを贈れたらと密かに思っている。


K先生と出会わなかったら、音楽を長く楽しむこともなかったかもしれない。

「あの吹奏楽部、絶対入ったら面白いから後輩になりなよ」と言われたのを真に受けて同じ母校へ進むこともなかったかも。

人生を変える出会いがいつどこに転がってるか、わかんないもんだなーと思う。
 

娘がそろそろ、あの頃の自分の歳になる。

「あの出会いがあってよかった」

娘もそんな人と巡り会えるといいなと思う(もう会えてたりして)。

今日は確かK先生のお誕生日。

数年後にお疲れさまでしたとともに、お礼を伝えられる日を密かに楽しみにしている。

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