そごーさん@製薬会社社員

製薬会社 開発本部に所属する会社員。製薬医学認定士。 東京大学大学院薬学系研究科 修士…

そごーさん@製薬会社社員

製薬会社 開発本部に所属する会社員。製薬医学認定士。 東京大学大学院薬学系研究科 修士課程修了後、製薬業界で10年以上勤務。 コロナ禍をきっかけに、自分が所属する製薬業界含む世の中に疑問を持つようになりました。 2021年から政治団体のボランティアスタッフをしています。

最近の記事

宣誓:自分の発信の方針

私は、自身の発信のポリシーとして以下の三点を大原則としたいと思います。 ①究極的なところは理屈じゃない ②誰のことも「尊敬」しない ③説教しない これから一つ一つ説明します。 ① 究極的なところは理屈じゃない 多くの方に納得いただくためには、理路整然と説明する必要があると思いますし、私も発信する際にはできるだけそのようにしたいとは思っています。しかし、「なぜ」を突き詰めていくと、理屈ではなく「自分はこういう考え方が好きだから」「そういうものだと思って諦めているから」とし

    • あなたは、医薬品開発に何年かかるか知っていますか?

      突然ですが、クイズです。 あなたは、医療用医薬品の開発には何年かかるか知っていますか? A. 3~5年 B. 6~8年 C. 9~17年 A~Cのうちどれでしょう? 答え:C. 9~17年 この数字を見てどう感じられたでしょうか?思ったより長いな、と感じられたでしょうか。 ではその内訳、どんなプロセスにどれだけの年数がかかるのか見てみましょう。 2020年10月末に開催された医薬品開発協議会(内閣官房)の資料によると、 最初の基礎研究(薬物標

      • 2回目のセミナーを開催しました

        2024年3月31日、「薬のリスク」をテーマに2回目のセミナーを開催させていただきました。実は2月に別のところで同じテーマでミニセミナーを開催させていただく機会があり、今回はその時の反省も踏まえスライドを更新して臨みました。けれど、やっぱり聞いてくださる方のリアクションを見ながら「あ、これは伝わってないな」と感じる場面も多々あり、改善すべき点がいくつも見つかりました。たくさんの気付きを下さった、参加者の皆さんに本当に感謝しております。ありがとうございました。 そして、今回のセ

        • 薬は モノ+情報 の商品である

          …というのは、私が社会人になってから受講した薬学部の大学院講義で何度となく聞いた言葉です。 どういうことかというと、 例えば、ガラスのコップを見て、使い方がわからない人はあまりいないと思います。 見れば、 何かを飲みたいときに、飲み物を注ぎ入れて使うもの だとわかる。 そして、 うっかり落としたら割れてしまって、破片でケガをする可能性がある(リスク) こともわかります。 ですが、何の包装もされていない白い錠剤を見たときはどうでしょう? じっと見つめても、 いったいどんな

        宣誓:自分の発信の方針

          【体験談】膿は海の香り

          今回は、自分の体験談の共有です。謎なタイトルかもしれませんが、これ、わかる~!って思う方いませんか? 私は子供の頃、そんな風に感じていました。 私は子どもの頃よく転んでひざや脚をすりむいていました。そして、これも子どもあるあるではないかと思うのですが、せっかく出来上がったかさぶたをはがして、また出血、を繰り返していました。お蔭でその膝の傷はすっかり痕になってしまい、未だに私の膝に残っています(笑)。傷をつくった時はいつも面白く観察して、膿(浸出液)の匂いも嗅いでいたのですが、

          【体験談】膿は海の香り

          【セミナーやります!】3/31㈰ 14:00-16:00@府中

          本日はセミナーのご案内です。 東京都 府中は大國魂神社のすぐお隣の「医食屋nobu。」さんにて、ミニセミナーを開催させていただくことになりました。 テーマは「みんなが知らない薬のリスク」です。 実は、先月にも都内某所で同タイトルのセミナーをさせていただきました。その時の反省も踏まえて、より分かりやすく、ポイントを絞ってお話しできればと考えています。 会場の「医食屋nobu。」さんのお食事メニューはどれも本当に美味しいので、是非召し上がっていただきたいです!セミナーは食事

          【セミナーやります!】3/31㈰ 14:00-16:00@府中

          医薬品開発に関わる者にとって、薬は「子ども」である

          これまで薬のリスクに関する話をしてきましたが、今回はちょっと毛色の違う話をしたいと思います。医薬品開発に携わっている人たちが新薬に対してどれだけ愛情をもっているか、というお話です。 私は今製薬会社で開発部門に所属しておりますが、新薬の発売が決まるようなタイミングでは社内でお祝い会のようなイベントが催されることがあります。その場面で会社の部門長にあたる方々がこんな言葉を言っていたことがありました。 「やんちゃ娘ですが、(セールス部門の皆さんに向けて)どうぞよろしく」 「この

          医薬品開発に関わる者にとって、薬は「子ども」である

          【日記】「和食展」に行ってきました

          今回は、ソゴウの個人的な日記です。今後は、時々こういう投稿も挟んでいこうかなと思っておりますのでよろしくお願いいたします^^ さて、つい先日、上野の国立科学技術博物館で開催されている特別展「和食~日本の自然、人々の知恵~」に行ってきました。前売り券を買っていて、良きタイミングで行こう行こうと思っていたらいつの間にやら会期終了間近。会期終了が近づけば近づくほど混みそうだなと思ったので、先日の連休の間に慌てて出かけました。 行ってみたら、会場内は大混雑。展示を一つ一つ見ている

          【日記】「和食展」に行ってきました

          医薬品使用に関する国民の努力義務

          二回目の投稿で「すべての薬は毒」という基本的な考え方が存在すること、そして多くの国民にとって「すべての薬が毒」であることが共通認識になっていないことが、薬害(現在進行中の●クチンによるものも含む)が拡大する原因だろうと個人的には考えていることをお話ししました。なので、より多くの国民にこの基本的考え方を知っていただいたうえで、自ら薬について情報収集して使用するかどうか判断することが必要だと考えています。このnoteは、多くの国民がそのような判断ができるようになることを目標として

          医薬品使用に関する国民の努力義務

          添付文書ってなに?

          前回は医療用医薬品の添付文書の調べ方について説明しました。今回は、添付文書とはどんな文書であるのか、具体的にはどんなことが書いてあるのかについて説明します。 まず添付文書がどんなものかについて。 「医療用医薬品の電子化された添付文書の記載要領について(薬生発0611第1号令和3年6月11日)」には、以下のように書かれています。 つまり、医薬品を使用する患者が安全に使用できるように、医療従事者に対して必要な情報を提供する文書です。医療従事者向けの文書で患者向けの文書ではない

          「添付文書」って見たことありますか?

          前回は医薬品の「安全性」がどのように考えられているかについて説明しました。有害作用はあることが前提であり、国はそのリスクが期待される効果に対して許容可能かどうかによって承認するかしないかを決定します。ですので、医薬品の安全性に関して一律の基準があるわけではなく、リスクの程度は製品によって様々です。国が承認した医薬品だからと言って、その医薬品が有するリスクがあなた自身の価値観に照らして受け入れ可能な程度かどうかはわかりません。ですので、薬局で処方された薬を使用する前に一度その薬

          「添付文書」って見たことありますか?

          承認された薬=安全?

          前回は「すべての物質は毒である」という基本的に考え方についてお話ししました。 本日お話しする「医薬品の安全性とは何か」も、それを前提に聞いていただければと思います。 日本では様々な医薬品が医療現場で使われていますが、医薬品はいずれも製薬企業が承認申請を行い、日本の規制当局により審査を受け、その結果承認されたからこそ、使うことができるようになっています。件の●クチンもこのプロセスを経て、特例とはいえど承認されたから、全国各地で接種が行えるようになったわけです。 では、ここで

          承認された薬=安全?

          「すべての物質は毒である」

          年始早々、大変な災害が起きてしまいました。 被災された方々にお見舞い申し上げます。 こういった災害が起きると、日本という国で生活していくとはどういうことなのか、考えさせられますね。平時から災害に強いインフラ整備が必要であって、またその想定を超える災害が起こることもあり、その場合でもできるだけ早く復興できるようにするための体制を整えることが、この国の政治に必要なことなのだろうなと感じました。 さて、本題に入りたいと思います。 「すべての物質は毒である」 この言葉を聞いた

          「すべての物質は毒である」

          製薬業界で働いてきた経験から、コロナ禍を含む医薬品を取り巻く状況について思うことを書いていきたいと思います。

          初めまして、そごう と申します。私は現在、製薬会社の開発部門に所属し、主に規制当局(医薬品医療機器総合機構)との科学的コミュニケーションに関する文書(相談資料、承認申請資料など)を作成する仕事をしています。これまで10年以上製薬業界で働いてきました。 中学生の頃から病気を治す薬の研究に憧れ、念願の医薬品業界で働き、これが自分の一生の仕事だとずっと信じていました。しかし、その気持ちが変化する出来事がありました。 2020年に始まり、今も終わっていない、コロナ禍です。 いつ

          製薬業界で働いてきた経験から、コロナ禍を含む医薬品を取り巻く状況について思うことを書いていきたいと思います。