見出し画像

僕らがLINEスタンプを作った理由

皆さん、こんにちは。我々は、
2020年、福島県いわき市に誕生した、
自称おもしろクリエイティブ集団です。
福祉、コミュニティ、まちづくり、食、伝統芸能、アートなど、多領域横断型のデザインをこれからやろうと思っている、結成されたばかりのデザインチームです。そんな僕らが最近LINEスタンプを作りはじめたのですが、今回は、その話をしたいと思います。

2021年4月21日に、スタンプ第二弾発売に合わせて、プレスリリースを行いました。本記事に、そのプレスリリースを追加します。

スクリーンショット 2021-04-20 19.21.24

「フレイル」って?!

僕たちは、「いわきの地域包括ケア igoku(いごく)」というプロジェクトで結成されました。ありがたいことに、2019年グッドデザイン賞で金賞を受賞させていただきました。

画像2

画像2

なので僕らの原点は、「地域包括ケア」という高齢者福祉に関する取り組みで、これまでに、地元福島県いわき市の素敵な人生のパイセン達に数多く出会い、お世話になり、いろんなことを教えてもらってきました。
そんなパイセン達に、私たち以上にコロナが襲いかかっています。
「フレイル」とか「フレイルの悪循環」という言葉をご存知ですか?
厚生労働省のパンフレットによりますと、次のように定義しています。

「年をとって体や心のはたらき、社会的なつながりが弱くなった状態」

スクリーンショット 2021-02-13 16.23.43

健康な状態と介護が必要な状態のちょうど間の状態のことですね。
一方通行ではなくて、そのままだと介護が必要な状態にもなるし、逆に気を付ければ、健康な状態に戻れるというのがポイントです。

私たちが今までお会いしてきたパイセン達、いや、いつも通り、愛と尊敬を込めて「じじい」「ばばあ」と呼ばせて下さい。
私たちが今までお会いしてきたジジイやババアたちは、皆、心身共に健康でした。それは持って生まれた生来的なものではなく、日々の運動や節制、生活習慣によるものであることを、ことあるごとに目にしてきました。

自分だけで行うセルフケアだけでなく、地域の集会所に集まって、みんなで体操したり、お茶を飲んだり、おしゃべりしたり、お昼を食べたり。
さらには、集会所の帰りに、何人かで、集会所に来れない人の家に様子を見に行ったり、声をかけたり、食事を届けたりと、文字通り「地域全体」でフレイルを予防してきていたんです。

画像4

パイセン達、大ピンチ!

そんな素敵な暮らしと地域に、コロナが直撃しました。
いわき市介護保険課の調査によりますと、
コロナ自粛期間の困りごとで、約800件の自由記載回答のうち

1位:家族や友人と会えない・話せない
2位:外出できない。
   サークルなどに参加できない。
4位:運動不足・機能低下・体調不良
7位:気分が落ち込む

といったことが判明しています。
各お困りごと単体でも問題ですが、きっと、これが複合的に連鎖しているのかなと僕たちは考えます。
子や孫、友人と会えない
 →だから、気分が落ち込む
外出できない、サークルに参加できない
 →だから、運動不足や機能低下
といった具合に。
元気だった方が元気じゃなくなったら、その元気な人に様子を見に来てもらってた人はもっと元気じゃなくなってしまいます。
お一人おひとりも、そして地域全体もコロナにより、「フレイル」になっていってしまうんです。

奇跡のオファーが!

「コロナだもん、しょうがないよ。」
「みんな、同じく我慢してるんだもん。」
パイセン達が、コロナの自粛生活の中で、心身ともに元気を失っていくかもしれないのを、ただ指をくわえて諦めるしかないのか、、、
そんな時、僕たち「そこをなんとか(通称そこなん)」に、一つのオファーが舞い込みます。

「コロナ禍におけるフレイル対策として、そこなんさんでLINEスタンプを作りませんか?」

提案を下さったのは、齊藤隆さん。
いわきの理学療法士さんです。

画像14

介護のリハビリ専門の方からのオファー。
というより、そもそも、我らそこなんに来た、数少ないオファー。
それだけでめっちゃ嬉しかったんですが、オファーの内容が、僕たちがお世話になったジジイやババアの心と体の元気につながるかもしれないこと、更には、もしかしたら、全国のジジイとババアのお役に立てるかもしれないことに大興奮。
すぐにデザイナー高木を中心に、プロジェクトを開始しました。

第一回専門職会議

ご提案して下さった齊藤さんと打ち合わせを行い、思いと方向性を共有し、僕たちなりのコンセプトを考えて、第一回リハビリ専門職会議を開きました。

スクリーンショット 2021-01-24 21.01.29

第一回会議の様子
 理学療法士(PT:Physical Therapy)
 作業療法士(OT:Occupational Therapy)
 言語聴覚士(ST:Speech-Language-Hearing Therapy)

介護の領域でリハビリ専門職と呼ばれる、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の皆さんと、コロナ禍で、
・なかなか外出できない
・人と会えない、話せない
・心も体も下がり気味
な高齢者のフレイルをどう(LINEスタンプで)防げるかについて、日々の業務や専門的な知見から素敵なアイデアをたくさん頂戴しました。

例えば、
・お孫さんからのメッセージだと、高齢者は頑張る
・「薬飲んだ?」など、確認系のスタンプもあるといい
・家族からだけでなく、ケアマネージャーさんなど介護のスタッフも使えるシリーズがあるといい
・失語症の方は、全国に約50万人いらっしゃる。失語症の方が認識しやすいスタンプを!
などなど。

さすが専門職。
そして、これが多領域横断の面白さ、醍醐味だなと思います。
介護のリハビリ専門職×デザイン→LINEスタンプを作る
アイデア&介護のリハビリ専門職の皆さんの、コロナ禍でも高齢者のフレイルをなんとか防ぎたいという思いを頂戴し、いよいよスタンプ制作に入っていきます。

コンセプト

オファーをいただき、専門職と意見交換をさせてもらい、ここで改めて、
自分たちは、
・何を
・なんのために
・誰に向かって
やっていくのか、整理をしました。

LINEスタンプ.002

LINEスタンプ.005

コロナ禍における高齢者のフレイルを、LINEスタンプで解決すること。
どうして、”スタンプ”なのか。
を↑上の2枚のスライドにまとめました。
全体のコンセプトは、↓こんな感じ

写真付きステートメント

そして、このメインコンセプトを元に、専門職のアイデアを取り入れたLINEスタンプ全体の構成イメージは、↓こんな感じ。

LINEスタンプ.008

メインコンセプトとしては、高齢者のフレイル対策なので、
・孫や子から、サークル仲間からのスタンプで、心も体も元気になってもらうこと。
・電話やメールではなく、スタンプならではの手軽さと、言葉や文字だけでなく、イラストでも想いや感情を伝えられることで、一日に何度も気にかけたり、心配しているよという愛を伝えること。

具体にスタンプの内容に関わってくる「コア・アイデア」は、
①家族を中心とした、日々のシンプルなやり取り→安否確認
「おはよう」とか「元気?」とかですね。

②リハビリ専門職の知見を取り入れたセルフケア系
子どもや孫から送られる「散歩行った?」とか「歯、磨いた?」「頑張って、スクワット5回!」なんかも。
孫から送られてきたら、やっちゃうよねを期待しています。

③ケアマネージャーなど、家族以外の人ともコミュニケーションできるようなスタンプも用意する。
「薬、飲みましたか?」で服薬管理を。
「ご飯食べました?」&「写真送って」のダブルコンボで、何をどれぐらい食べたのかを把握したり、
「デイサービス、楽しかったですか?」で行ったかどうか、楽しかったかどうかを把握したり。

と、オファー→打ち合わせ→コンセプトメイキングと進んできまして、
いよいよ、スタンプのデザインに着手です。

第一弾 完成!

我らが「そこなん」デザイナー高木市之助は、一つのスタンプを作るのに、
3回ずつ描きました。

画像11

↑一回目は、「ラフ」ですね

画像12

↑二回目は、完成に向けた下書き

スクリーンショット 2021-02-13 13.32.32

で、三回目で、完成となるわけです。
今回第一弾ということで、「16個・1セット」を販売開始しましたが、
高木は、少なくとも48回描いたことになります。
従来のLINEスタンプにない、味といいますか、柔らかさ・ほっこり感が出てますでしょうか?

そんな僕らのLINEスタンプは、コチラからお買い求めいただけます。
https://store.line.me/stickershop/product/14426338/ja
是非、よろしくお願いします。

スクリーンショット 2021-02-14 18.30.46

コロナ禍における高齢者のフレイルを、LINEスタンプによるコミュニケーションで少しでも防ぐこと。
その目標には、第一弾の16個のスタンプでは全然足りないことを僕たちも認識していますし、既に、ご購入&ご利用頂いてる方からも、「おやすみ」とか「ありがとう」はじめ、もっとバリエーションを増やしてとの声も頂戴しております。

僕たちのスタンプは、
・丁寧な3回の作業がかかること
・掲げる目標に向かって、これからが始まりであること
をご理解いただき、こんな思いで、領域を超えた人たちと作っているスタンプを、末長く応援していただけると嬉しいです。

コロナのせいにしない。
むしろ、コロナの前より、ずっとよりよく。

お読みいただき、ありがとうございます。
もしよろしければ、♡いいねやフォローをよろしくお願いします。
また、各種SNSのフォローもよろしくお願いします。

Facebook   @sokowonanntoka
twitter      @sokowonanntoka7
Instagram   @socowonanntoca
BASE shop  https://sokonan.theshop.jp/


よろしければサポートお願いします。世の中を1ミリでも面白くすることに使わせていただきます!