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「摩と墺」 カタールW杯欧州予選 グループF 第4節 モルドバvsオーストリア

W杯欧州予選グループF全部見るマン、第4節最後の試合。モルドバvsオーストリア。

知ってる選手がたくさんいるだけでこの安心感。最高です。

それではレッツゴー。


マッチレビュー


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 試合が始まってすぐに「オーストリアの保持vsモルドバの[4-4-2]ミドルプレス」という構図に。


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 モルドバは最終ラインへのプレッシャーはほとんどなしで、監視程度。[4-4]のブロック内に入ってきたところに強く行く守備。

 オーストリアはCFの片割れであるアルナウトヴィッチがライン間の住人、もう片方の深さはグレゴリッチュが担当する。

 そしてハーフスペースにSHの2人が入り、横幅はSBの2人が確保。

 最終ラインへのプレッシャーが緩いため、オーストリアのCBは縦パスを狙う余裕があった。特に左CBのヒンテレッガーのキック精度は高く、モルドバのブロックに次々と鋭い槍を刺していく。基本的にビルドアップの出口はライン間のアルナウトヴィッチorハーフスペースの2人。

 ここでミソになるのが、SHの利き足。2人とも逆足、つまり内側を向いてプレーしやすい配置になっており、中央の狭いスペースでコンビネーションしやすいように設計されていたように思う。



 そして崩しの形は、ライン間への縦パス→外へ素早く展開→クロスor突破が崩しの形。出来るだけ相手の視線を揺さぶってからペナルティエリアにボールを送ろうとしていた。

 さらに、オーストリアはCHの2人を経由しなくても、CBが一本で前線に縦パスを刺せる。一手得をしてる感が強かった。




 一方、モルドバはゴール前の守備に10人残すので、前線にはゲチェヴが1人。つまり奪った後にゲチェヴが受けてタメを作りつつ味方の上がりを待つ必要があるが、サイドへの捌きの精度が高くなく、その前にオーストリアのCBに潰されるなどしてカウンターを完結できない。
 
オーストリアのCBはカウンターを食らう際に前に出て奪いに行く判断に優れ、モルドバのアタッカーをシャットアウト。


 20分あたりからは、グリリッチュが最終ラインに落ちて3-1ビルドアップ。さらにCBに余裕を与える。2枚で3人を監視しつつ奪いに行くのは難しいので、モルドバの2トップはオーストリアの擬似3バックにストレスを与えられず。


 そして前半終了間際にオーストリアが先制。右のハーフスペースからのパスをアルナウトヴィッチが中央で引いて受けてレイオフ。これをバウムガルトナーがダイレクトでゴール右隅に叩き込んだ。完全に狙った形ではないものの、アルナウトヴィッチを経由するという意味では、再現性を持ってやってきたことが意味を成したゴールと言える。



 後半も、基本的には前半の流れを汲む形。変わった点と言えば、オーストリアがビルドアップ時に相手1-2列間のライマーを経由するようになったこと。

 それと、オーストリアのハーフスペースへの縦パスを受けるSHに対して、モルドバはSBがマンツーで付いて対応するように。これにより前半よりも早い段階でオーストリアの攻撃を防ぎ、うまくインターセプトした時にはカウンターでゴール前までいけるように。


 そして時間の経過とともに、60分あたりからオーストリアの精度と強度が落ち、モルドバの保持の時間が増える。ただ、うまく崩せたのは65分のシーンくらいだった。格上が相手なので、保持からの攻撃をそこまで落とし込めていなかったのかもしれない。


 試合終了間際の83分にアラバ登場。左SHでの起用となった。レアルに移籍したMr.マルチロールは94分にアルナウトヴィッチのゴールをアシスト。

 2-0でオーストリアの勝利となった。


試合結果



モルドバ 0-2 オーストリア

【得点者】
45分(前半)  バウムガルトナー
94分      アルナウトヴィッチ


気になる選手

オーストリア
ヒンテレッガー

 左利きの左CB。アルナウトヴィッチへの斜めのパス、左ハーフスペースに位置するバウムガルトナーへの縦パスを幾度も通し、ネガティブトランジションの局面では相手のCFを果敢に潰し、カウンターの芽をきっちり摘んでいた。

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