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「おいでよフェロー諸島Ver.2」 カタールW杯欧州予選 グループF 第5節 フェロー諸島vsデンマーク


 前節のイスラエル戦のレビューに反応してくれた「おいでよフェロー諸島」さん。今回はデンマーク戦のレビューになります。


 ちなみに、フェロー諸島はデンマークの一部であるものの、自治領とのこと。やはりサッカーは社会勉強にもなるぜ。


マッチレビュー

 スタメンはこちら。

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 序盤から予想通り、デンマークが保持してフェロー諸島がミドルプレスをかける展開に。


 フェロー諸島は[4-5-1]の配置から相手CBの横パスをスイッチにIHがプレッシングに出て行く「4-4-2変形守備」。サイドへ追い込むものの、思うように奪うことはできず。
 自陣では4-5-1で守り、IHも積極的には出ていかないように閉じこもっていた。


一方、この試合のデンマークは主に左から攻撃。

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 左IHのイェンセンがCB横に降りてくると、左SBのイェンス・ラーセンがイェンセンのいたスペースを埋める。

 このように、デンマークは常に特定のスペースを埋めようとしているように見えた。25分のシーンでも、右SHのヤコブ・ラーセンがCB横に降りていき、右IHのクリスティアンセンが入れ替わるように前線へと抜けていった。

 また、デンマークは左→右への対角のサイドチェンジを多用。逆サイドに蹴りやすいよう、左インハは右利きだった。

 そして裏抜けするのはCFではなく、IHかSH。上図のルートをなぞるように走っていた。18分の決定機も右SHであるヤコブ・ラーセンの裏抜けから。また、IHの位置に移動したイェンス・ラーセンもニアゾーン突撃を繰り返していた。積極的に相手DFラインの背後へと走り、深さを確保しようとしていた。

 CFウィンドの保持時のタスクとしては、ライン間で受けた後に裏抜けする人へのラストパス。基本的に裏抜けはしていなかった。

 前節と同様に、しっかりと設計されていたデンマークの保持。


 対するフェロー諸島は、デンマークのサイドチェンジを狙ってカウンターが得点の可能性を感じさせる道だった。28分と36分のシーンのように。
 デンマークがサイドチェンジをする際は、受け手の周辺にはサポートが少ないので、そこをカットすれば数的優位になりボールを前進させられる。

 逆にデンマークはサイドチェンジしなくてもいいんじゃないかと思った。サイドチェンジ自体の質は悪くないけれど、その後があまり設計されてなかったから。

 デンマークは決定機が幾つかあるもの最後の最後でフェロー諸島のDF陣が体を張り、0-0で後半へ。



 ハーフタイムの交代で、右サイドハーフに左利きのオルセンが入る。左SBには右利きのメーレが入る。両利き(ソースはtransfermarkt)のラーセンが右SBに入った。

 デンマークは後半から組み立ての配置を少しいじる。

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 最初から裏抜けを多用するのではなく、左ハーフスペースからの2択を選択するビルドアップに変更。足元へのパスをスイッチに周辺の選手が移動を開始するようにしていた。

 そして、崩しは左サイドからのニアゾーン裏抜け、またはアイソレーションしている右SHオルセンへ預けて突破してもらう形に。

 一方、フェロー諸島が得点を感じさせたのは最初の2択のパスのカットorデンマークのCFウィンドへのアタック。

 とくに後者のカウンターはチャンスに繋がりそうな感じがした。ウィンドはダイレクトで縦パスを捌くことは無く、ほとんど2タッチ以上でプレー。つまり受ける瞬間のトラップをインターセプトしてカウンターに出られる。これにも再現性を持たせることができればチャンスにつながったかもしれない。しかし、そもそもウィンドへの縦パスが多くなかったためにそのチャンスは訪れなかった。

 すると、84分にフェロー諸島の20が2枚目のイエローで退場。

 このファールで得たサイドからのFKに19が頭で合わせて先制点をゲット。

 終盤までなんとか耐えていたフェロー諸島だったが、惜しくも0-1で敗れることになった。


試合結果


フェロー諸島 0-1 デンマーク

【得点者】
85分 ウィンド


気になった選手

デンマーク
マティアス・イェンセン

おそらく両チームを通じて1番多くボールに触っていた。精密な縦パスと正確なサイドチェンジを蹴れる。ちょっと下がって来すぎな感じもしたけど、確実に組み立てに貢献していた。ちなみに所属はブレントフォード。今季はプレミアリーグを戦っているから、そっちもチェックしたいぜ。

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