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カタールW杯欧州予選 グループF 第5節 スコットランドvsモルドバ & イスラエルvsオーストリア

第5節の残り2試合はまとめることにしたぜ。


マッチレビュー(スコットランドvsモルドバ)


スタメンはこちら。

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スコットランドは前節と違って、最初からロバートソンが左WB。

モルドバは前節4-4-2だけど今節は3-5-2。スコットランドのフォーメーションに噛み合わせてきた可能性が高い。

スコットランドは今節も左サイドから攻める。3-1ビルドアップで、その1はCHのギルモア。相手CHを引きつけてワンタッチでライン間に縦パスを差し込むなど、ビルドアップのキーマンはやはりこやつでした。
2CHの片割れであるマッギンはトップ下のクリスティーとともに2列目に参加。
タッチラインに張ったロバートソンが出口で、左CBのティアニーが追い越してサポートすることもしばしば。

ペースを握ったスコットランドが13分に先制する。
モルドバの左CBアルマスの縦パスをパターソンがインターセプトすると、そのまま駆け上がってパターソン、ダイクス、ニスベットの3人によるミドルカウンターで仕留めた。

一方、スコットランドは攻撃時に3バックの前がギルモアだけになるため、カウンター時に中央に大きなスペースが生まる。さらにギルモアはモルドバの速攻に対して飛び込んでかわされることが多く、幾度かスコットランドの最終ラインが晒されることもあった。
ただ、モルドバもカウンター時の精度や判断に優れているわけではなく、逆カウンターからピンチを招くこともしばしば。

対するモルドバは低い位置からショートパスで組み立てるも、マンツーマンで潰されて得点の可能性があまり感じられず。スコットランドのハイプレスの餌食になってしまっていた。たまに蹴るロングボールの方がまだマシな選択肢に見えた。
35分にはCHのイオニタが3バック脇に降りて相手の中盤の選手を釣り出すも、モルドバの面々は技術的にも戦術的にも整備されておらず、移動によってできた差異を活かすことができない。
スコットランドの立場からすると、相手の組み立てを早めに掻っ攫ってからのショートカウンターで仕留める、が効率の良いゲームプランにも思えた。

後半はモルドバの保持の時間が増えるが、やはりつなぐビルドアップは通じない。最終ラインで時限爆弾を回すようなポゼッションになってしまい、結局精度の低いロングボールを蹴るハメに。
よってセカンドボール争奪戦とカウンター合戦というトランジションの応酬になりがちな後半であった。

そして85分にスコットランドは5-4-1に変更し、ミドルプレスに切り替えて1点を守り切る選択をする。

ハイプレスに来られた時は苦し紛れのロングボールを放り込んでいたモルドバだが、引いた相手を崩す手段も持っておらず、その上時間がないにも関わらずパワープレーを選択することはなかった。

スコットランドの勝利となった。


試合結果

スコットランド 1-0 モルドバ

リンドン・ダイクス 14分


気になった選手

スコットランド
ビリー・ギルモア

相変わらず高いビルドアップ能力。ターンの技術や長短を織り交ぜたパスは、左サイドに偏りがちなスコットランドに必要なピースだ。


マッチレビュー(イスラエルvsオーストリア)


スタメンはこちら。

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戦前の予想はオーストリアの快勝だったが、蓋を開けてみればイスラエルの圧勝となった試合。

5分にいきなり先制したイスラエル。ソロモンが左サイドに流れ、WBムウェネをかわしてボックス左からシュート。GKバッハマンもお手上げのスーパーゴールであった。

オーストリアは序盤、保持にこだわる姿勢は見せず。イスラエルがボールを持ってもすぐに奪おうという感じではなかった。スコットランド戦に向けて省エネサッカーをしたかったのかもしれない。

しかし、そのゲームプランによって自分たちを苦しめることに。

一方のイスラエルは片サイド偏重攻撃。
2点目も左サイドからであった。守備の基準点がはっきりしない相手選手を横目にポジションチェンジでかく乱。最後はペナルティエリア左へWBのメナヘムが侵入し、平行クロスというシティっぽい崩しでリードを広げた。

序盤に0-2となり、おかげでオーストリアのゲームプランがよくわからなくなった。ここからはオーストリアが怒涛の保持。

前節と同じようにアルナウトヴィッチがライン間で強引に収めつつ、ハーフスペースに絞ったシェプフとバウムガルトナーとのコンビネーションで突破を図った。そして両WBもかなり高い位置を取り、リスクをかけてゴールを狙いに行った。

すると、左サイドでビルドアップをかっさらわれ、3バックがカウンターで晒されてしまい、あっさりと3点目を奪われてしまう。オーストリアがなんとか1点を返したものの、1-3で前半終了。

後半に入るとオーストリアのギアはさらに1弾上がる。最短ルートからのゴールを目指し、アルナウトヴィッチにボールを集める。
腕を上手く使ってDFをいなしつつチャンスメイクもこなす7番は、55分にファインゴール。ライン間で受けるいつもの形からラストパスと思いきや、左腕でマークを突き放してターンしながら左足でシュート。まさに個の力だった。

それでも、再び相手のビルドアップミスを見逃さなかったイスラエルが、アルナウトヴィッチのゴールからわずか3分後に得点。

そして90分、前半と同じようにポケット侵入から平行クロスで5点目。イスラエルがジャイキリ達成となった。


試合結果

オーストリア 2-5 イスラエル

M・ソロモン(イスラエル) 5分
ダブール(イスラエル) 20分
ザハウィ(イスラエル) 33分
バウムガルトナー(オーストリア) 42分
アルナウトヴィッチ(オーストリア) 55分
ヴァイスマン(イスラエル) 58分
ザハウィ(イスラエル) 90分


気になった選手

オーストリア
マルコ・アルナウトヴィッチ

前節に続いて、チームの攻撃の核を担う。ある時はライン間における中継点になり、ある時はクロスのターゲットと化し、ある時は後ろ向きで受けてからマークを外してシュートと、多種多様なプレーを見せていた。

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