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病院に持参するなら健康保険証?マイナンバーカード?どちらが正しい?

2024年秋に健康保険証廃止するという話は前から出ていますね。マイナンバーカードはかなり普及し、今や小さなお子さんも持っている状態になってきています。
しかし、一方で理解しづらいことも多く、情報が安定していません。
役所へ電話の問い合わせも多く、何日も何回も電話しているのに繋がらないという話も聞きました。

結論から云いますと、しばらくは併用してくださいということです。
医療機関側(病院・歯科・薬局)がどのような状態になっているのか、なかなか情報が入らないと思いますので、簡単にお話したいと思います。

顔認証付きカードリーダー(メーカーによって形は色々)

医療機関は顔認証付きカードリーダーが必要

医療機関は顔認証付きカードリーダーという機械を入れる必要があります。なおかつ、それを使えるようにするために、今まで使っていたレセプト(診療請求)システムをバージョンアップする必要があります。導入するメリットは分かるけど、慣れるまで大変だし……。
電子処方箋が令和5年1月より開始されましたが、実際使われている医療機関はわずか。電子処方箋は今まで使っていたシステムでは対応しきれず、新しいシステムへの入れ替えが必要になっているケースが多数。
医師・薬剤師など処方箋に印鑑が必要になるのですが、これもオンライン用に取得しなくてはいけません。これも発行までに金額も時間もかかる。
システムの入れ替えも朝から深夜までかかり、設置後すぐに医療機関は稼働しなくてはいけません。これはなかなかなリスクです。患者さんは待ってくれませんからね。

大きな病院や、チェーン展開している薬局などではかなりの普及率となっていますが、クリニックや地元密着型などの小規模薬局では顔認証付きカードリーダーが導入できていないのが実情です。


顔認証付きカードリーダーがある医療機関にはこのステッカーやポスターが貼ってあります

マイナンバーカードを健康保険証として使うには

マイナンバーカードと保険者番号を紐づけする必要があります。
それをするとマイナポイントがもらえるようになっていますね。
お持ちのスマートフォンか、セブンイレブンにあるセブン銀行ATMか、医療機関にある顔認証付きカードリーダーです。

マイナポータルにて紐づけ方法が書いてあります。参考にしてみてください。

ドラックストアーなどに入っている薬局なら気軽に使えるので、お買い物ついでに紐づけしてしまうと楽だと思います。
顔認証付きカードリーダーにいれて、暗証番号か顔認証でログインしたら、
「保険証として利用しますか?」
というコメントが出るので、「はい」とするだけで完了です。
15秒くらいで済むのでやってみてください。

マイナンバーカードを持参すると医療機関の窓口負担が減る

病院・歯科医院は、マイナンバー保険証(マイナ保険証)を持参した場合で初診2点。健康保険証で受診した場合は4点加算されます。

薬局ではマイナ保険証持参で6か月毎に1点。健康保険証持参で6か月に3点。
薬局で1点にしてもらうためには「薬剤情報・特定健診情報」などを薬剤師に提供することに同意することが大事です。それを同意しないと健康保険証持参と同じ点数になります。

プライバシーの侵害という理由で同意しないケースも多いのですが、それではマイナ保険証を有効に活用できません。

薬剤情報はほかの薬局で貰っている処方薬が表示されます。

特定健診情報は、生活習慣病(高血圧、高脂血症など)の予備軍だったりして、要経過観察になっているケースはありませんか?例えば、高血圧症の方には注意が必要な薬など飲んでしまった場合、体調不良になってしまう可能性がある薬があります。そういったことを防ぐ役割もあるのです。

点数は金額にすると1点10円。3割負担の方ではそこから3割分が窓口負担になります。点数を総計算後に五捨五超入になるので、診療点数によって加算は0円になり、診療点数によっては数十円負担がでる場合もあります。

健康保険証が変わったばかりの時

マイナ保険証であれ、健康保険証であれ、顔認証付きカードリーダーがある医療機関では健康保険証の有効か無効が確認できます。

退職や就職などで今までの健康保険証の有効日(退職であれば退職日、国民健康保険から就職であれば入職日前日)までしか使用できません。新しい健康保険証が来るまで、勝手に前の健康保険証で受診したりする方がいます。それ、実はNGなんですよ。場合によっては保険適用だった分7割分を全額請求されるかもしれません。

今までは医療機関がその事実を知るのが2ヶ月後でした。それによって返戻といって、レセプトが差し戻しされ、それはもう大変なことになったものです。2ヶ月の間に、社会健康保険から国民健康保険入り、更に別の社会健康保険に入ったり、出たり。受診した日が、どこの管轄になるのか調べるのがなかなかの作業なのです。
そういった作業もオンラインで資格確認が出来るようになってきて医療機関の負担はかなり軽減されました。

ただ患者さんにとっては良いことばかりでないようです。
新しく加入したケースに関しては、まだ新しい保険証の登録作業が追い付いていないことも多く、マイナ保険証を持ってきても「無効」と表示されてしまいます。

そういった時は、窓口でいったん全額負担し、後日返金手続きをする必要が出てくるようになりました。
新しい保険証を持参していれば、発行日や認定日が入っていますので、「無効」と出ても、通常の負担金で受診できるケースが多いです。

したがって、もうしばらくは保険証も併用して持参している方がいいでしょう。

厚生労働省も2024年秋にむけて、かなり積極的に動いています。
医療機関も導入せざるを得ない状態にはなってきているのですが、実際は間に合うかどうか分からないところです。
紙の保険証廃止も、急に使えなくなるわけではありません。
国民健康保険の有効期限は毎年7月末日。
2023年の7月末日までに2024年7月末日まで使える保険証が送られてくると思います。
きっと今後のお知らせが入っているでしょうし、保険証の有効期限がいつになっているのか。まずそれを気にして見てくださいね。

不安に思うことも多いかと思いますが、まずは保険証の紐づけからやってみてください。


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