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「東京貧困女子。」から自己責任を強いる社会を考えたい


中村淳彦さん原作の
「東京貧困女子。彼女たちはなぜ躓いたのか」が
wowwowでドラマ化され、昨日から配信スタートしたので第1話見ました。
(第1話はyoutubeでも無料配信しています)

ずしりと来る感じはあるけれど、多くの人に観てほしいです。


おすすめしたいポイントとして、
貧困に陥っている女性の人生が映像化されているわけではなく、
取材現場での質問、応答のやりとりを通して、現状と過程がわかっていくというところ。よかったです。

視聴者である自分も、あたかも取材している側の立ち位置で見たり、考えたりできる気がしました。

実は、見ていて趣里さん演じる摩子にかなり近い気持ちになってしまったんですよね…
そんなこと思ってはだめだって思いつつも。でもだからこそ、考えました。
貧困女性のこと、自分のこと。自己責任を強いていいのか。
何でそう思ってしまうのだろう。本質にある問題は何なのか?

しかし原作読めばわかりますが、出てくる女性たちは実際いる貧困女性なわけで…
出てくる言葉の重みが、はんぱない。

中村さんの原作は、これを機に読みましたが、まえがきから引き込まれ、読み進めずにはいられなかったです。
本作に出てくる貧困女性たちの言葉と同じく、中村さんの紡ぎだす言葉には、読者の自分を省み、心を入れ替えさせる強力なパワーがあると思いました。

中村さんこそまさにこのテーマを取り扱うべきライターだということがよくわかります。

切り抜きがよいかはわかりませんが、中村さんのまえがきからの引用です。

私はすべてを理解はできないが、階層は彼女たちと似たようなものだ。私の取材は、外の世界からやってくる支援者のアセスメントや調査、のぞき見的なフィールドワークとまったく違うことは、ここで書いておきたい。

「東京貧困女子。彼女たちはなぜ躓いたのか」
中村淳彦 東洋経済新報社 2019年



主題歌もよかったです。
THE YELLOW MONKEYの吉井さんがこのドラマのために書き下ろしたそうです。
原作者の中村さんとのドラマティックな縁も感じました。


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