見出し画像

2023年11月のよんだ みた きいた

ここ最近のテーマは「しのげ」だ。目の前のことをしのいでいると1日が終わっている。例えばこないだの月曜日はこんな感じ。朝5時半に起きて、家族全員の朝ごはんと子供達のお弁当をつくる。身支度をして7時に家を出て出社する。ひたすら打ち合わせなどをこなして20時前に家に着く。すかさず風呂に入り子供達を寝かしつける。運良く一緒に寝ないで起き抜くことができたら、部屋をある程度片付ける。夜のうちに洗濯したものを干す。日中に乾いた洗濯物を畳む。翌朝のための米を研ぐ。そうこうしていると22時くらいになり、日記を書き、気絶するように寝る。

仕事で求められる期待や責任も大きい。それに応えたい自分が95%、そしてもうどうでもいいと投げ出したくなることが5%ある。これが100%になるのもちょっと違う気がする。自分のなかにオルタナティブな意見を持つ。信じすぎない。だからなにかに盲信せずにいられる。

いつからか、自分のことがずいぶん優先順位が下がってきた。10年前は自分のことしかしなかったのに。それが好きか嫌いかを聞かれてもわからない。ただ、いまはそうなっている、としか言えない。ただ、本を読み、音楽を聴き、映画を観るそのときだけは、優先順位がパッと変わる。これはこの先も変えられないだろう。

よんだ

「よんだ」のゆるルール
・初めて読んだ本であること
・最後まで読み通した本であること
・買った、借りた、紙、電子は気にしない

リハビリの夜/熊谷晋一郎 

サイボウズが主催する「まざる学校」に参加するにあたり、講師の熊谷先生の著書を読む。ああ、これだ、こういう本に出会いたかったのだと思わされる一冊。読書する楽しさを演出するドライブ感のある文章。それを補足する挿絵とブックデザイン。文中によく出てくる官能というキーワードにとても共感する。 

坂本図書/坂本龍一

知識は、ないよりあった方がいい。なぜなら世界がより詳しく、広く見えるからだ。坂本龍一の音楽の背景には多分野に渡る膨大なインプットがあったのだ。そして彼の語り口がとても優しく、鋭い。僕はこの本を通じて坂本さんのことをもっと知りたくなった。


ケアとアートの教室/東京藝術大学Diversity on the Arts プロジェクト編

福祉に関する本を読み進めている。本書はさまざまな「ケア」が必要とされる現場で第一線にいる方のインタビューを集めた本で、いくつかの発見をもたらしてくれた。「ケア」とか「コモン」という言葉が消費されているように感じる昨今で、本当に福祉領域で必要とされているものはなにか、あるいは自分が何を大切に感じるかを考えていきたい。

みた

「みた」のゆるルール
・初めて見た/観たコンテンツであること
・リアルorオンラインは気にしない
・映画、展示など広義の"みた"

 YO LA TENGO JAPAN TOUR 2023

Yo la tengoを最後に生で観たのは、品川ステラボールの2009年の公演だった。14年も前じゃないか。その時僕は22歳だったのだ。そして14年ぶりに観るYo la tengo は最高だった。

一番好きなアルバムである「I can hear the heart beating as one」からたくさん演奏してくれたのもそうだし、メンバー3人がとにかく楽しそうだったのもよかった。

「ストックホルム・シンドローム」と「シュガーキューブ」と「オータム・セーター」が生で聴けるなんて信じられない。素晴らしい体験だった。


すばらしき世界

熱が出て眠れない夜に観た。役所広司は本当にとんでもない役者だ。どんどん引き込まれて、悲しくなってくる。西川美和作品は、基本観た後に少し落ち込む。そして心に残る。この作品もそうだ。音楽が美しかった。

fingernails

Apple TVオリジナル作品。パートナーシップが合うか合わないかを、爪を剥がして機械に読み込ませると判別してくれる、という設定だけで突き進む。パートナーシップが正しいかどうかなんて、自分しか決められないじゃないか。これでよかったのかな、と思う夜もあるけど、まあいいじゃないか、と気分が晴れる朝もある。そんなものだと思う。

きいた

「きいた」のゆるルール
・初めて聞いた/聴いたコンテンツであること
・購入orサブスクは気にしない
・心が動き数回繰り返して聴いていること

Iron&Wine/We Can See Forever soundtrack

アイアン・アンド・ワインの素晴らしさはライブに出る。ずっと昔、O-nestで見た時に、ギター一本でここまで表現できるのかと驚いた。この最新ライブアルバムでは、過去のアルバムから満遍なく演奏されていてとても良い。大好きな「シェパーズ・ドッグ」からも数曲ありうれしい。


The Beatles/Now and Then

ビートルズの新曲が聴けるなんて、思っても見なかった。ストーンズのニューアルバムが出ても期待していなかった。80歳を超えた人たちが、なぜここまで活躍できるのか。横尾忠則も谷川俊太郎もまだまだ現役だ。ポール・マッカートニーはまだ世界中でスタジアムライブをしている。

この曲を繰り返し聴くと、ポールの執念が見えてくる。ビートルズの作品としてこれを世に出したかったのだ。ジョンらしいメロディーと展開に、スライドギターが絡んでいく。

僕はビートルズがずっと好きだったし、これからもずっと好きでいるだろう。ロッキー・ラクーンやブラックバードのような美しい曲は、後にも先にも彼らしかつくれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?