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かわら版No.31 地方創生のゆくえ ー問題に継続的にかかわり続ける実践としての「まちづくり」ー②

いつもお読みいただき誠にありがとうございます。

明日から米沢市議会は閉会中でありますが、昨年の総務常任委員会で閉会中の継続審査(地方自治法第109条第8項、米沢市議会会議規則第111条第1項)となった米沢市立新中学校校名決定に係る条例の一部改正について(佐野関連記事は、かわら版No.25を参照)継続審査がなされます。また、本年1月19日付の山形新聞の掲載記事にあった給食調理場の仮契約延期等についても、総務常任委員会にはまだ議案等上程はされていませんが、市民生活にとって大きな影響のある論点ですので、今後の慎重審議が待たれるところです。この他、学校給食の無償化や観光に係る負担金の支出について(住監第2号)など、市民の皆様の関心の高い市政論点のお問い合わせをいただくこともありますが、事実と法律に基づきわかりやすい説明を必要に応じてこのnoteでもしていきたいと思います。

さて、今回は前回のかわら版No.30の続きです。地方創生の取組について、今、実践している者が主体的に評価を考え、取組事例についての先進性や独自性を評価する軸について、以下の論文から4つの評価軸を紹介します。

地方創生のcodesign ー創造的活動の先進事例を評価するー
松本文子他 Osaka University Knowledge Archive:OUKA 2021,10

≪進行中のcodesignのプロセスの価値を評価する4つの評価軸≫
前提理解:「政策が地域づくりから地方創生へと発展する中で重要である点は、その展望が、トップダウンで複数の地域に応用できる計画から、ボトムアップで独自の価値創造へと切り替わっていること。」
①創造性

新しいアイデア、事業、デザイン作品を創出することに関わる。創造的な活動は若年層でなくても可能であるが、創造性が高い若年層を取り込むことで加速されると考えらえる。アーティスト、デザイナーなどの創造的人材を取り込む必要がある。
②継承性
地域に存在する歴史や文化資本を継承することである。創造性と対をなす承継性を設定し、地域課題の解決を考える実践的な教育の場を設けることによって、地域や世代を超えた承継が可能となる。地域固有の文化を学ぶことで、たとえ地域出身者でなくても、所属する地域への誇りやアイデンティティとして、固有の文化が人々の中に受け継がれていく
③寛容性(Tolerance)
寛容性はクリエイティブな才能をひきつける要件である。寛容性は、才能を有するクリエイティブクラスを受け入れたり、支えたりする人材や社会を評価する概念と考えられる。寛容性によって創造的人材が受け入れられるという構造と、創造的人材や創造性の高い取組に触れることによって、地域やプロジェクトに寛容性が創出されるという構造である。創造性を育む過程で地域が寛容になり、地域が寛容であることで、新たな創造活動が可能になる。
④継続性

地方創生のプロジェクトがサステイナブルであることを満たす条件として、資金のやりくりに加えて、地域の受け入れ体制、参加者の問題解決能力やコミュニケーション能力といった組織や個人の能力が向上していくような仕組みづくり、が必要である。先進的な事例では、創造された新しい価値についての共通理解が得がたく、事業の継続が難しい場合がある。SDGsなどグローバルなコミュニティで作り出される新たな価値、またオンラインによるコミュニケーションなど、codesignのツールの活用やプロセスを通して、参加者が学び続ける場や機会となることが重要である

上記の評価軸の客観性や妥当性については、今後の事業継続の中で、参加者へのインタビューや質問紙調査を通じて詳細に調べる必要がある。

さて、どうでしょうか。これからの米沢市の中でこのような視点を持ちながら地域発展のために継続的にかかわり続ける実践を積み上げていくことはできるのでしょうか。今がその分かれ道です。

最後までお読みいただきありがとうございます。

かわら版No.31

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