さのようへい/佐野洋平 「かわら版」

地域を守り、未来をつくる。 米沢市在住。北海道大学大学院法学研究科修士課程修了。米沢市…

さのようへい/佐野洋平 「かわら版」

地域を守り、未来をつくる。 米沢市在住。北海道大学大学院法学研究科修士課程修了。米沢市議会議員(2023,5~1期目)、会社役員、ゆきんこ(雪割納豆)、まちづくり団体理事。名古屋大学大学院環境学研究科博士後期課程D2・社会環境学専攻(地理学)

最近の記事

かわら版No.45 米沢をどう守り、つくっていくか、自然・風景・景観など、について

いつもお読みいただきありがとうございます。 この引用は、吉本隆明さんが、米沢での生活をもとに、「東北」の自然観を描いたものです。吉本さんは、文字通り吾妻連峰を見ながら、東北の自然の大きな特徴を考えていました。その一番近くの肌で感じる自然は、ここ米沢の自然で、だから引用の冒頭の「東北」は「米沢」と読み替えることもできると思います。 一口に、自然、風景、景観といっても、このような言葉は、単なる対象を記述したにすぎないのではなく、環境、時代、歴史、文化、人々とその営みなどを統合

    • かわら版No.44 ドラックストアチェーンと、まちとしてどうのように向き合うべきか?

      いつもお読みいただきありがとうございます。 米沢の中心市街地の旧大沼の跡地が、ドラックストアチェーンになったことは、時勢とはいえ、中心市街地が郊外化するその成り行きには、不安や危惧を抱く市民の方もいると思います。 近年、旧大沼の跡地が、ある意味で象徴的に、ドラックストアチェーンになったように、米沢のまちにはドラックストアチェーンが急増しています。 AIのChatGPT4に以下のような質問をしてみました。 約10秒後、以下の返答がありました。 今後、米沢市をどのような

      • かわら版No.43 まちのグランドデザイン・アルカディア構想、について

        いつもお読みいただきありがとうございます。 米沢も桜の季節をむかえ、ぽかぽかとお花見日和。市民の皆さんにとって春を象徴するほっとする一日になっているのではないでしょうか。また、来月5月のGWの上杉祭に向けて各種関係団体の皆様は準備を本格化させている時期だと思います。日々の市民の皆様のご献身に対して心より感謝を申し上げます。 さて、今回は、まちのグランドデザインについてです。フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』よれば、「グランドデザイン(grand des

        • かわら版No.42 低度経済成長を高度文化成熟が支え、補う。

          いつもお読みいただきありがとうございます。 冒頭引用から入りました。逆説的に聞こえるかも知れませんが、私たちのまち米沢はいまこそ、再出発のつもりで、文化成熟に力を入れるべき時です。それがこのまちの個性を守り、また再確認・再発見することで、結果として経済成長を支え補う土台を形成します。 『低度経済成長』を『高度文化成熟』が支え、補う。 文化は、 経済に、力を湧き与えること、このことを重く受け止めるときです。 なぜいまやらなければいけないのか?その理由は、以前に書いた『か

        かわら版No.45 米沢をどう守り、つくっていくか、自然・風景・景観など、について

          かわら版No.41 置賜自給圏推進機構・講演会を聴いて

          日頃よりお読みいただきありがとうございます。 日本の農業が危機的状況にある。今回のシンポジウムでは、日本の農業の持続可能性とその状況がいま現在本当にシビアな状況であることは理解できました。また、この度の農村基本法改正は機能しない。講演者の見通しは極めて厳しいものでした。 皆さんご承知の通り、日本の人口減少は危機的な状況です。米沢においても2065年には38,000人の人口見通しです。現在の約半分です。農業従事者においても厳しい状況はもちろん変わりません。 講演の中で、私

          かわら版No.41 置賜自給圏推進機構・講演会を聴いて

          かわら版No.40 令和6年度米沢市一般会計予算の成立とその見立て

          いつもお読みいただきありがとうございます。米沢市議会3月定例会最終日において、令和6年度米沢市一般会計予算が賛成多数で可決成立しました。令和6年4月より新しい新年度がスタートします。 私佐野は、当該予算案について賛成討論を致しました。以下全文です。 上記発言のとおり、財源に不安が残ります。しかし、私を含めこれを米沢市議会議員は賛成多数(爽風会の3名は反対)で可決成立させました。信任を与えました。重い重い責任だと思います。 予算特別委員会の質疑で理解しましたが、米沢市の政

          かわら版No.40 令和6年度米沢市一般会計予算の成立とその見立て

          かわら版No.39 予算特別委員会を終えて。音楽、オーケストラのように

          いつもお読みいただきありがとうございます。 米沢市議会3月定例会は、予算特別委員会での全質疑を終了し、令和6年度米沢市一般会計予算他、予算特別委員会で可決承認され、4月22日の本会議に送られました。 初めての予算特別委員会でよくわかったことは、米沢市にはお金がない。ということです。お金がない場合、歳出を削るか歳入を増やすか、そのどちらかですが、予算特別委員会では、新しい歳入の確保について、実績根拠のないふるさと納税の拡大のみが声高に宣言されるのみでした。少し辛口ですが、音

          かわら版No.39 予算特別委員会を終えて。音楽、オーケストラのように

          かわら版No.38 米沢市の財政見通し、について

          いつもお読みいただきありがとうございます。 先日、3月4日の議会に米沢市の今後の財政見通し(令和15年度見込)までが示されました。結論から端的に申し上げますと、歳出超過・歳入不足です。 ところで、米沢市は、平成27年度に財政運営が危ぶまれる事態となり米沢市財政健全化計画を策定しました。その時の目標は以下のとおりです。 ① 実質単年度収支 黒字化 ② 財源調整基金残高(平成 32 年度末) 20 億円以上 ③ 経常収支比率 特殊要因を除き、95%以下 ①の意味は、その年の

          かわら版No.38 米沢市の財政見通し、について

          かわら版No.37 令和6年3月1日米沢市議会 佐野洋平・一般質問(要約版)

          いつもお読みいただきありがとうございます。 現在、米沢市議会は3月定例会の真っ只中、3月1日には4回目の佐野洋平・一般質問させていただきました。全部で30分の質疑ですが、冒頭最初の約10分では、過去最大規模の予算で、財政調整基金(いわゆる市の貯金)を取崩す必要があり、令和8年度までは実質単年度収支がマイナスとなるなど、厳しい予算内容との答弁がありました。 学校給食費無償化の予算も、ふるさと応援基金(ふるさと納税の貯金)を財源としています。担当課の当初目標額の16億を修正し

          かわら版No.37 令和6年3月1日米沢市議会 佐野洋平・一般質問(要約版)

          かわら版No.36 城下町マラソン、市は誠意ある対応を

          日頃よりお読みいただきありがとうございます。 2月8日(木)の山形新聞の記事で、「城下町マラソン 実施せず」という内容の記事が掲載されました。以下全文を引用します。 この記事の当日早朝、記事をお読みになった市民の方から、「この内容は本当ですか?だとすれば残念です。」と言った趣旨のお問い合わせをいただきました。その後も同趣旨のお問い合わせを複数いただきました。 同日の総務文教常任委員会協議会では、私から当該記事について質問をさせていただきました(内容は、動画の3時間36分

          かわら版No.36 城下町マラソン、市は誠意ある対応を

          かわら版No.35 米沢市・新産業団地について、考える

          いつもお読みいただきありがとうございます。 先週のかわら版No.34はいつもより多くの皆さんに閲覧いただきました。令和6年度米沢市の方向性を決める大切なお金(予算)のお話に関心をお寄せいただきありがとうございます。子どもたち(小中学生)には、お金(予算・財源)の心配をせずに、給食をいっぱい食べてほしいと思います。大人(市、議会)はその説明責任を果たさなければなりません。 さて、今回は、山形新聞2月14日(水)の記事にもあり、米沢市議会にも産業部商工課から報告事項としてあり

          かわら版No.35 米沢市・新産業団地について、考える

          かわら版No.34 令和6年度米沢市一般会計予算案が、市政協議会に

          いつもお読みいただきありがとうございます。議会は2月閉会中ですが、3月定例会に向けて、閉会中でも議会では当局との市政協議会、委員会協議会、会派勉強会などなど、2月も盛り沢山のスケジュールです。私としては、常任委員会、一般質問、予算委員会、本会議に向けた質疑の準備のため、関係法令の確認や条文の構造や関係性について、頭に叩き込むため関連書籍を読みまくっております。 私のスタンスは、議員、行政職員は、基礎力は“法制”にあり、です。 議会や市役所の業務遂行や活動において、法律や条

          かわら版No.34 令和6年度米沢市一般会計予算案が、市政協議会に

          かわら版No.33 これからのまちの議会改革(意見交換会について)

          いつもお読みいただきありがとうございます。 2月1日~2日で米沢市議会広報広聴委員会の視察で、兵庫県丹波市を訪問してまいりました。昨年の改選後の米沢市議会広報広聴委員には私を含む4人の新人議員全員が所属し、より開かれた議会、議会と市民の皆さんとがより身近なものとなるように努めています。 具体的には、米沢市議会PR班をつくり、昨年の10月には山形大学工学部で開催される学園祭に意見交換ブースを設けさせていただいたり、今年1月末には米沢市役所の市民ホールに市民の皆さんとの意見交

          かわら版No.33 これからのまちの議会改革(意見交換会について)

          かわら版No.32 公共イノベーションラボ(Public Sector Innovation Labs、PSIラボ)はどうしたら、うまくいくか?

          いつもお読みいただきありがとうございます。 米沢市議会は、今月31日に1月臨時会が招集されます。物価高騰緊急支援給付金に係るいくつかの給付事業についてや負担金の支出に係る追認の件などが上程議案となる予定です。地方経済の本当に厳しいこの現状を踏まえ、また、負担金の支出に係る追認の件など専門性の高い法律の理解が必要な議案もありますので準備を厳密にして臨みたいと思います。 さて、今回は、世界的に増えつつある公共イノベーションラボ(Public Sector Innovation

          かわら版No.32 公共イノベーションラボ(Public Sector Innovation Labs、PSIラボ)はどうしたら、うまくいくか?

          かわら版No.31 地方創生のゆくえ ー問題に継続的にかかわり続ける実践としての「まちづくり」ー②

          いつもお読みいただき誠にありがとうございます。 明日から米沢市議会は閉会中でありますが、昨年の総務常任委員会で閉会中の継続審査(地方自治法第109条第8項、米沢市議会会議規則第111条第1項)となった米沢市立新中学校校名決定に係る条例の一部改正について(佐野関連記事は、かわら版No.25を参照)継続審査がなされます。また、本年1月19日付の山形新聞の掲載記事にあった給食調理場の仮契約延期等についても、総務常任委員会にはまだ議案等上程はされていませんが、市民生活にとって大きな

          かわら版No.31 地方創生のゆくえ ー問題に継続的にかかわり続ける実践としての「まちづくり」ー②

          かわら版No.30 地方創生のゆくえ ー問題に継続的にかかわり続ける実践としての「まちづくり」ー① 

          いつもお読みただきありがとうございます。先週は流行りの感染症に罹患してしまい、出席予定の各種新年祝賀会・顔合わせ会を欠席することになりました。大変残念であり、ご迷惑をおかけしました。市民の皆様におかれましても、手洗いうがいを徹底されて、日頃からの風邪予防にご留意いただければ幸いです。 さて、米沢でも“まちづくり”や“地域おこし”などのキーワードとその実践を耳にするようになって数年が経過しました。従来のような国土開発とは異なり、地域づくりや地域おこしといった手作り感ある取組を

          かわら版No.30 地方創生のゆくえ ー問題に継続的にかかわり続ける実践としての「まちづくり」ー①