男性育休取得者としての雑記メモ

IT企業勤務、男性、36才、13週間の育児休暇取得中、今5週間目の終わり。


1.人類の進化

人類の進化の未来における究極形は、生産的な労働を全部AIに任せ、すべての大人が育児や介護のみで暮らすことではないだろうか。生物の進化の目的は種族繁栄であるはずなので、自分の子供を守ることが最優先で、その他の営みはあくまでもおまけのようなもの、という考え方もできうる。ただし、子供を持たない人生を選択する自由も大事。「種族繁栄」が目的なので、自分の子供でなくても、他の家族の子供や老人や病人、あるいは発展途上国の人などを手当していただければ良いかと。


2.育児業務

新生児は、1〜4時間の間隔で不規則に泣く。その面倒を見るのが大変、というよりは、それもありつつ上の子の面倒を見るというのが大変。新生児と上の子(3歳児)は生活リズムが大きく異なる。赤ちゃんの面倒ばかり見ると上の子がめちゃくちゃスネて「赤ちゃん返り」したりもする。とてもじゃないが女性一人で対応できる業務量じゃない。そこを社会制度はカバーする必要がある。


3.里帰り出産という風習

「夫の育休取得」は社会的にはまだまだマイナーな手段であり、多くの夫婦は「里帰り出産」によって業務量の増加をカバーしている。が、里帰り出産は「実家に十分な受け入れスペースがあり、産後体力が戻っていない母親のために、祖母などが家事をすべてやってくれる」という前提に基づいて成り立っている風習だ。数十年後の日本では、この風習は破綻してしまう気がする。都心に人口が集中するので土地がなく広くない「実家」が増えるだろうし、女性の社会進出が進むので「祖母」は働いているだろう。里帰り出産が不可能になってくる以上、夫の育休取得が増えるのは必至だと思う。


4.カネカ問題

カネカ社員の妻がSNSに投稿してバズった「夫の育休開け直後の転勤辞令」問題について。
実際どういうことだったのか事実関係が分からないから安易な決めつけはできないが、業務運営上社員1名の転勤の必要があったとしても、育休開けの人物ではなく、別の人を転勤させたほうが良かったと思う。能力よりも家庭環境の方が業務遂行に影響しそうだから、「能力がどう」というのは関係ないと思う。単に人事ミスだと思う。
例えば、これが夫でなく妻で、「育休開けの女性を転勤」だとしたら「保育園の送迎どうするんだ」という実務上の問題がでてくる。それが夫だとそうでないように見えるというのは、まさに男女差別そのもの。
夫の急な転勤は妻の会社にも影響するわけだし、社会としていろいろと考えていく必要はありそう。


5.会社での居場所がなくなる?

私の職場は、転勤するリスクは、ないことはないが、めったにない。
私の母もそのことは理解しつつ、でもこのカネカ問題についての認識があったようで、「育休開けに会社の中に居場所がなくなっちゃうんじゃない?」と私に言ってきた。
私の職場の中では、男性育休取得の前例もあるし、「居場所がなくなったら作ればいい」と思っているので、そこを不安には思っていなかった。居場所を作るところからが仕事だと思っているので。
人ひとりの居場所をなくすことができる職場というのは、人があまっているということなので、ずいぶん余裕のある職場だと思う。それはそれでいいことなのでは。でも、そんなことは起きえない。仕事というものは世の中に無限に存在するのだ。


6.引越しと保育園

今住んでいるところに一生住み続けようとは思っていない。ので、引越しを考えている。ここでもネックになるのは保育園だ。
引っ越そうと思っている市の保育園入園申請は11月、結果は翌年2月に通知、入園は4月。ということは、11月に保活をして、2月に引っ越せるかどうかが決まり、引っ越すのは4月ということになる。
すぐに住むことができる物件は山ほどあるが、すぐに入れる保育園はない。我々の人生は保育園によって左右されているのだ。


7.子供のように

現代社会は複雑さが増している。子供のように生きていけるようになること一番大事にすれば、社会全体のストレスを減らすことができるかもしれない。と、子供と遊んでいるといつも思う。

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