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夏の記憶

これまでの夏の記憶

汗臭い部室
同級生がズボラで、隣のロッカーには昨日の汗のかいたTシャツが入ったままだった
高い空
それはものすごく高く、ガスで曇りのないどこまでも続く青
明るい星の粒
山の方は夜になると光が少ない、そのせいか星たちは輝き、そして動き出していた
素肌にゼッケンの擦れ
汗をかいたゼッケンは、暑さのせいで脱いだ肌をしっかりと掴み、擦れせて痛みを残す
山道の石ころ
上りづらい坂はそれにも増して上りにくい不統一な石ころを足元に配置して、行手を阻む
麦茶の旨味
からからの喉は香ばしく焦がしそしてほどよく冷しコップに露を纏わせた飲み物が好きだ
夕焼けの「ゆず」
赤い夕陽に向かって帰る道車内、ステレオから流れる「ゆず」はなぜか違って聞こえた
炊飯器の蒸気
合宿所の炊き立てのご飯、蓋を開けた時の魔法の感覚はE.Tの湯気だ
名古屋方面の味噌汁
赤味噌の酸っぱさ、塩分の濃度、染み込むあげ

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