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渋谷のTSUTAYAさま

久しぶりに渋谷のTSUTAYAでDVDを借りた。
それは10月31日で一時休業に入るというニュースを聞いたからだった。

私は映画が好きだ。
それも割とけっこういろんなモノを見ていると思っている。
今は配信によってAmazonやNetflix、U-NEXTで見れる映画を探しそれぞれで探し当てたモノを見て行くシステムを頻繁に利用している。

それまでは、TSUTAYAのレンタルを駆使していた。それも、〇〇のTSUTAYAではこれが置いてあって、〇〇のTSUTAYAにはコレはないという今では信じられない時間の使い方をしていた。無い時もあった。それでも目当てのDVDが借りることができれば、それで万々歳だった。
配信ではその時間ロスは全く無い。いろんなサービスによって、その偏りはある程度お金を払えばそれはクリアできる。電車賃と移動時間を金で買ったと思えば全然安いはずだ。

しかし配信は無敵ではなかった。
配信にあげられる作品は限られていた。
"見たい映画"はいつの間にか、配信されてないものばかり。
最後の頼みは渋谷TSUTAYAにしかなかった。

近年は配信サービスに追わてしまったのか、各地のTSUTAYAが潰れていっている。だから豊富な品揃えで、確実に借りることができる渋谷TSUTAYAは私のような者にとって、最後の砦だった。

たしかに渋谷に居たとしても、TSUTAYAに用事があることはまず無い。それはスクランブル交差点から見える外観でのスタバの客の入りよう。同じCDショップでもタワレコに行ってしまうこと。それはしょうがなかった。

ただひとつ、とてつもないレンタル商品数。
それはレアさも含めると博物館クラスだ。
それはもう日本でここだけの信頼感ではないだろうか。

私は久しぶりにワクワクしながらDVDを選び、慣れない手つきでセルフで支払いをし、もちろんクリーニングを済ませ、郵送のバッグを使って借りることができた。

配信ではつい、見ることを後回しにしてしまう。が、DVDレンタルは期限が迫っている。
その期限に追われて見る映画。映画のために作る時間がとても新鮮に思えてしまっていた。
忘れていたこのルーティーン。
選ぶワクワク、持ち帰るワクワク、想像するワクワク、見るために準備するワクワク、そして見た満足感。
映画館とは確かに違うけれど、配信とは明らかに違うこの感覚。

時代と共に失われていくものかもしれない。
しかし、思い出す事ができるうちに存分に味わい倒しておきたい。
さて次は何を借りれるか…
10月31日まで、まだ時間はある…

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