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坂の途中の小さなパン屋

今月のおはなし会で読んだ絵本の中の一冊、『ネコノテパンヤ』。

高木さんご 作 黒井健 絵
ひさかたチャイルド 2020

属しているおはなし会ボランティア、開催場所が区立図書館の時はその区の図書館所蔵の資料を使うという制限がある。
自分が読み聞かせしたいと思った本が区内の図書館に蔵書がなければ読めない。
それで選書は図書館で毎回やるのだが、なじみのある本の他に読んだことがない本からも何かないかなーと見つけるのも、悩むけれど楽しいひととき。
手に取ったこの本、まず表紙の絵を見て「あれっ!」と思った。

もしかしてここ? 外観が同じだ

6年前に瀬戸内海のしまなみ海道を自転車で渡る時に行った起点の広島県尾道。
坂道好きにとって、迷路みたいな坂道だらけの夢のような所。翌日は70km一気に自転車漕ぎで体力温存しなきゃいけないのに夢中になって歩き回った。
とある細い坂の途中にある小さなパン屋。
忘れていたが、絵本と同じ「ネコノテパン工場」という名前だった。

絵本の中には尾道と対岸にある向島とを結ぶ渡し船のことも出てくる。この船に私たちも自転車と乗って、向島から漕ぎ出し愛媛の今治を目指したのだった。

尾道は坂と猫(と大林宣彦)の町。このパン屋の前にも当たり前のように人懐こい猫がいて、猫と名のつくお店も色々あり歩いていて楽しい所だった。

坂をずーっと下ると海。
対岸は向島
ここも店名に猫


「おやつとやまねこ」というお菓子屋の

プリン

「ネコノテパンヤ」、ちょっと奇妙なかわいいお話。店の許可を得て絵本に使ったとあとがきにあった。
今まで全く知らなかった絵本だが、おかげで尾道でのことや自転車旅のことも蘇った。
図書館や本屋でこういう偶然に出会うととても幸せ。
おはなし会でも子どもたちに好評だったし。

実在の「ネコノテパン工場」はとても小さなお店だけれど、絵本に書いてあるようにどのパンもおいしかった。
お店の佇まいもちょっと浮世離れしていて、絵本みたいな出来事があっても不思議ではない感じ。

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