ハーゲンダッツのバニラチョコレートマカダミアが好きだ。

幼い頃、私が熱を出すと、今は無き某コンビニで親が仕事帰りによく買ってきてくれた。

チョコレートとナッツの香ばしさが混じりあい、熱でつらい時に口にするとその甘さで体温がスッと引いていく気がした。

結婚していないことを心配されるような年齢に達した今の私は、このアイスクリームを必ず冷凍庫に一つは常備するようにしている。

仕事で疲れた時、どうしようもなく立ち上がれない時、まったくやる気が出ない時、ひどく悲しい時、些細な嬉しいことがあったとき、歳を重ねていく誕生日、その他何かしらのご褒美。

全ての出来事においてカンフル剤の役割を果たしてくれ、私を労わってくれる贅沢なつめたい甘さ。

口にするたびに、瞬間思い出すのは、幼い頃の病床で父と母に食べさせてもらっていた情景と懐かしさで、その思い出でこれからも頑張れる気がするのだ。