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動画あり。エコー検査 虫垂の見つけ方・ポイントを解説

はじめに

今回は超音波検査(エコー検査)における虫垂の見つけ方を解説していきたいと思います。一昔前までは『エコー検査で虫垂は見えない』と言われていましたが、今では虫垂の評価に必要不可欠な検査と言っても過言ではないでしょう。
こちらの記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

step1.コンベックスで走行を確認せよ

まず初めに、コンベックスプローブで上行結腸の走行を確認します。
個人的な意見ですが、腸管に限らず管腔構造(胆管や血管など)を追う際は短軸で追うことを推奨しています。理由として、①見失いにくい②壁を全周性に観察する事ができるという良さがあるからです。
この走査で大切なことは、ガスを追って腸管の走行をイメージすることです。他にも脂肪織の輝度上昇がないか、腹水がないかなどをある程度見ておきます。

step2.リニアで回盲部を同定せよ

次に、リニア型プローブで回盲部を同定します。回盲部を同定することで、腫大した虫垂と回腸の間違いを防ぐ事ができます。他にも虫垂口の部位を推測できたり、虫垂炎と鑑別が必要な腸炎の所見がないかも確認出来ます。
回盲部を同定するポイントとして、走査中に腸管が2つに分かれたところ(結腸と回腸が分かれたところ)に気付けるかがポイントになってきます。

step3.盲腸・虫垂を同定せよ

step2の回盲部から足側にプローブを移動させて描出される腸管が盲腸です。その盲腸から走行する虫垂を同定します。
虫垂口は回盲部と同じ向きに走行するので、回盲部が結腸の左側にある場合は左側を、右側にある場合は右側を注意深く観察します。
盲腸が鳥のクチバシ様になる部分を見つければその部位から虫垂が走行しているはずです。
下記のInstagramを経由して動画もご覧になれるので、参考にしてください。

最後に

いかがだったでしょうか。今や虫垂炎を始めとする虫垂の疾患はエコー検査で評価出来る時代になっております。正常虫垂を普段から描出するよう心がけ、診断・治療に役立てれるよう意識していく事が大切かと思います。


虫垂炎の短編小説も読んでみてください↓

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