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伝えたい気持ちを絵で表現すること


「ママはさあ
 超アナログな絵なんかを描くの?」と子供から
質問されました。
私は何故?絵が描きたいのでしょうか。
何を伝えたいのでしょうか。子供からの質問に
言葉が詰まってしまいました。
犬の似顔絵師として一歩を踏み出しておきながら
その質問に即答出来なかったのです。

考えてみたことがなかった…。
お恥ずかしいことですが、絵を描きたいことに
理由なんてないと思っていたんです。
好きだから描きたいし、上手に描けたら
見て欲しい。見てもらって褒めて貰えれば
尚更うれしい。そんな軽い想いしか持って
いなかったのです。

以前、デジタルな時代だからこそアナログに
こだわりたい。だから絵を描くのだと。そして
犬の似顔絵師として活動したいと書きました。
しかし、何故?アナログにこだわるのだろうかと
考えた時に、私は即答できないと言う現実を
認識してしまいました。

 美術館で絵を見れば、それには必ず題名がついて
います。それは作者が表現したいことの答え
ですよね。
 私の似顔絵は〇〇ちゃんと言う題名しかついて
いません。〇〇ちゃんに見えること、特徴を
つかんでいることが優先され、注文してくださって
いる方の思いは表現されていませんでした。
 

はるの綺麗な目が好き


 何故、この向きのこの子が描きたかったのか
その理由を考えてみた時、この子はうちの末っ子犬
です。脳の病気があり、他の姉犬たちのようには
生活できないのです。そして、もしかしたら病気の影響で目も見えていないかもしれないのです。でも
このキラキラとした目で私を見つめてくれる、この子の目が私は好きです。キラキラを残してあげたかったので描きました。

 きっと私に絵を依頼してくださる方は、その子の
思い出や仕草や癖など飼い主にしかわからない部分を一枚の絵に求めているのかもしれません。
 万人に受けなくてもいい、たった一人の飼い主に
絵をお渡しした時に、その方の心を温かくすることが出来たならば、それが似顔絵師として、一番ではないでしょうか。
 子供の言葉をきっかけに、似顔絵師としての心構えというか、どんな風に似顔絵を描くのかがわかった気がしました。
 絵の裏の想いを表現できるような優しい絵を描くことが、似顔絵師としては大切であり、そして優しい絵が私の得意となるように頑張り続けたいと思いました。




50歳からの絵日記を読んでくださりありがとうございました。

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