2023年6月26日広島市議会一般質問ー広島維新の会大田智弘議員一般質問

広島維新の会の大田智弘です。この度、南区から初めての当選をさせていただきました。先の市議選におきましては、日本維新の会から3名の当選をさせていただきました。市民の皆さんの日本維新の会への期待の大きさを感じるところでございます。

本日は、広島維新の会市議団を代表して一般質問をさせていただきます。

初めての質問ですので何かとお聞き苦しい点があろうかと思いますがどうかご容赦をいただきまして、最後までご清聴いただきますようよろしくお願いいたします。

まず、冒頭にG7サミットを成功裡に導かれました松井市長、そして職員の皆様の尽力に感謝を申し上げます。歴史的な瞬間を目の当たりにいたしました。多くの市民、子供達、また全国の国民の皆様に、広島が歴史的な場所であると、新たな未来のスタート地点であること、多くの人々の心に刻まれたことと思います。また、世界的に広島市が注目され海外からのお客様がたくさん訪れていただけると確信をしております。

それでは質問させていただきます。

まず、若者支援について。広島市も他の地方都市と同様高齢化が進行しており、人口減少も、直近の大きな課題。市政は高齢者の福祉や医療サービス、子育て支援など将来的な人口減少に備えた戦略を策定し、取り組んでおられますが、広島の未来を担う若者支援をさらに強化し、実施する必要があるのではないでしょうか。

広島市は様々な取り組みを行っております。昭和50年では、初婚年齢が男性は26.7歳、女性24.4歳。現在では男性31歳、女性は29歳とのデータもあります。結婚せずとも幸せになれる社会ではありますが、将来的にさらに人口が減少する予測では、子育て支援だけでなく、若者が豊かに生活し、将来を夢見ることができるための支援が必要なのではないでしょうか。

全国60万人の大学生のうち約半数の30万人が、何らかの形で奨学金を借りています。大学を卒業し、新卒で就職した後、長期に渡り奨学金の返済に苦労しているのが現状で、最近では自殺の原因として奨学金の返済困難が上がるケースも多く見受けられております。

住居費など生活するために精一杯で、結婚、出産など考える余裕がない状況に陥っております。住宅問題の解消、公営住宅への入居促進、奨学金返済により生活困窮をしかねない若者たちへの直接的な支援も追加していく必要があると思います。

そこで質問です。若者支援のための公営住宅の収入基準の緩和についてお尋ねします。次に若者の就労支援についてお伺いします。先日紙屋町の地下街シャレオを歩いておりましたら、就職氷河期世代等支援事業仕事の相談カフェirohaがありました。すぐその場で見学をさせてもらいましたところ、令和3年6月から広島市が運営をしているカフェテリア形式の相談窓口、気軽な相談から就職後のアフターフォローまで、きめ細かくよりそう伴走型の支援をしているということでした。

相談会場ではスタッフのみなさんが熱心に若者に助言を行っていました。統計上では就職氷河期世代の中心層は全国に1650万人いますが、バブル崩壊により就職難となった氷河期世代の中心層の非正規雇用者数は、政府の発表に夜と2022年は931万人で、2019年に比べると8万人増えたということです。現在も様々な課題に直面している多くの方がおられ、引き続きこうした方々に対する行政の支援は不可欠です。このような取り組みは大変重要であると感じました。irohaの存在をもっと多くの方に知ってもらいたいと思いまして、仲間と共に情報発信をしているところです。

そこでお尋ねします。このirohaの利用実績はどうなっているのでしょうか。また、周知はどのように行われているのでしょうか。

また、広島市は総合計画の中で、多様な市民がいきいきと暮らせるまちづくりに取り組むとされていますが、地域を活性化するために就職氷河期世代を含む若い世代に地元で就職してもらうことが不可欠と考えます。このことについてどうお考えでしょうか。

次に、子育て支援について。子育て支援の強化は市をあげて進めなくてはならないものと考えています。福祉的な観点にとどまらない、わが国と広島市の将来に関わる観点から質問をさせていただきたい。子育て世帯とは働く世代ですが、15歳から64歳までの生産年齢人口は1995年がピークで、全人口の約7割ありましたが、今では全人口の6割弱にまで減っています。さらには20年後は、全人口の半分ぐらいになります。別の言い方をすれば、我が国の人口は、毎年減少をし続けているということです。今や、第1次ベビーブームの時代の3分の1、第2次ベビーブームの4分の1であります。私は大変恐ろしいことだと思います。もちろん、国の方でも、こども家庭庁を発足され、ようやく危機感が示されておりますが、一方で、財源の問題で右往左往するなど、まだまだ道筋は見えません。

一方で明石市や大阪市など、多くの自治体で、同様の認識のもと、国の働きを待つのではなく、様々な子育て支援を進めています。私は、広島市においても、決して遅れを取ってはならないと考えています。明石市や大阪市が取り組む施策について、広島市としても検討する必要があるのではないでしょうか。

日本経済新聞の記事によれば、世帯主が20代から30代、年間所得が300万円から600万円の世帯のうち、2020年度の統計では、子どもがいる比率は44%でした。10年間で21ポイント下がったとのことです。一方、年収600万円から1000万円の世帯では、ほぼ横ばいが続いています。

家庭の経済こそ、子供がみえない(?)出生数の関係性を裏付ける内容であります。

少子化の話をすると、結婚観や働くものが増えたからという価値観の問題を挙げられますが、やはり私はこうした負担感が少子化の一因になっていると考えます。今後子育て世帯の負担の軽減をすることが求められていると考えます。

まず子ども医療費の無償化です。子どもはよく病気にかかり、健全な育成のためにも支援は不可欠であると考えます。次に塾代の補助です。大阪市がすすめ、所得制限の撤廃などを検討している塾代の補助について、是非とも考えていただきたいものです。

塾代の補助ですが、教育費がどれほど家庭に負担なのか、その数字が2022年12月に文部科学省が発表した令和3年度子供の学習費調査によれば、公立小学校に通う小学生一人当たりにかかる学習費総額は、平均すると、年間約35万3000円。3年前の調査から約3万円増加しています。修学旅行費といった、学校教育費に約6万6000円。学校給食費に約4万円。さらに、大きなウエイトを占めるのが学習塾費などの補助学習費、スポーツや習い事など学校帰りの活動費が約25万円です。実に教育費総額の約7割を占めているとのことです。

また、入学時の費用が嵩む小学校1年生を別にすると、高学年になるにつれて学習塾の費用などが増え、公立の小学校6年生では年間約42万円になっています。この調査では、市町村の規模別に学校外活動費も記されています。それを見ると公立小学校の場合、人口10万人未満で約17万7000円、100万人以上の特別区では約37万2000円と、2倍の開きがありました。そして、学校給食費の無償化です。明石市、大阪市、堺市など、導入が進んでおります。3食のうち1食でも栄養など健全な育成にしっかりと自治体が責任を持つことが必要ではないでしょうか。

こうした子育て世帯の負担軽減を進めるためには、いずれも財源が必要です。お金がかかる話です。しかし、これらは冒頭申し上げた通り、福祉的政策だけではなく、ばらまきでもありません。人口が減り、モノやサービスを最も買う世代への支援であり、経済対策であります。

子育て支援はしっかりと行い、逆を言えば、こうした世帯を支えきれなくなり、人口が減り、広島市においても転出超過となり、経済は低迷したままであり税収も減ります。この悪循環を食い止めなければなりません。

また、子育て世帯の支援というと、お年寄りは良いのかという意見もあるでしょう。しかし医療、年金、介護、お年寄りを支える社会保障の財源の7割以上はこの現役世代が支えています。しかしここが減っているから、毎年年金が削られる、あるいは社会保障料の負担が増えるわけです。

よって、子育て世帯を支えることは、実はお年寄りを支えることにもつながります。さらに言えば、近年の自治会加入率の低下は、人口減少に原因があります。子育て支援を行うことは、広島の平和なまちを子や孫にまで守っていくのは子どもたちであります。贅沢な人でないと子育てできない、というような声も聞かれるようになりました。私はこうした声は大変情けない、残念であると思います。子育てという人間の尊い営みを広島市がしっかり支え、そして彼らに現在の広島の平和なまちを担ってもらいたい。荒廃した中から発展を遂げた広島市を、大切に担ってもらいたいと考えます。

このため、私はまず学校給食費の無償化から取り組んでもらいたいと考えています。最近の日本農業新聞によると、ロシアのウクライナ侵攻や、円安に伴う物価高騰を受けて小中学校の給食を実施する全国約1600市町のうち、約3割が昨年度は給食の無償化に踏み切りました。そして、大阪市のみならず、堺市などの政令市においても、学校給食費を無償化する動きが出ています。この学校給食費の無償化を実施している自治体のうち約6割が、その財源として、物価高騰対策に活用できる新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用しているとのことですが、今後自主財源にて学校給食費の無償化を目指す市区町村も増えてくると思われます。先日の学校給食の無償化の一般質問において、学校給食の食材について広島市では学校給食法に基づいて保護者負担を原則としつつ、一定の所得以下の世帯に対しては学校給食費を援助するとともに昨今の物価高騰に対しては、国の交付金の活用をして、保護者の負担が増えないように支援しているとのご答弁がありました。

学校給食に関して、保護者の経済的な負担軽減に向けた措置を講じていただいていることは承知しておりますが、子育てに対する負担を軽減するため、現在の取り組みをもう一歩進めていただきたいと思います。

そこで改めてお聞きします。広島市では、学校給食費の無償化を実施する予定はないのでしょうか。

次に、広島市のデジタルトランスフォーメーション、いわゆるDX推進政策について。最近話題の保険証との統合ではなく住民票や印鑑証明のコンビニ交付に関してですが、住民票は2016年1月からコンビニでの交付が可能になっているにも関わらず、全国の値ですが、現在でも約8割が役所などの窓口で発行していると聞きます。DXの目的はデジタル技術を利用することで、住民の利便性を高めるだけでなく、役所の業務改善もともなって、今まで窓口業務に割いていた時間や労力、さらなる住民サービスの拡充に振り向けていくべくものと考えます。

なぜ、7年以上前に始まったサービスの普及率が、ここまで低いのか。広報などの周知も含めた取り組みも必要なのではないかと考えます。マイナンバーカードの利用率の低さから、広島市では窓口交付よりコンビニ交付の方が手数料が100円安くなるように設定しています。また今年1月からは奈良県奈良市ではコンビニ交付は10円という破格の手数料設定でコンビニ交付への移行を推進しています。コンビニに払う手数料や、専用用紙の配達などを考えると赤字になると思いますし、そのための値上げはすることになる。それはそれで行政も苦労されていることと思います。奈良市ほど極端ではなくていいのですが、さらなるコンビニ交付で何かしらのインセンティブが必要なのではと考えます。

役所の中でDXに関わる人材について、国の省庁の中ではデジタル庁についでDXが進んでいるのは意外と思われるかもしれませんが、農林水産省と聞いています。

DXのためのシステムを導入するだけでなく、それを使う役所のみなさんの教育をかなり積極的に手厚くされていると聞いています。広島市でも、役所の方々に対するDX教育をしっかりと進めていくべきだと考えております。

農林水産省では、関連の書類が3000種類ほどあったそうですが、その申請書類を600に、というほとんどの職員が仕事の片手間に入力画面を設定するなどに携わったとのことです。広島市において、一部の人だけでDX担当として関わることなく、幅広い分野の職種が積極的に関わっていくべきだと思っています。

国においては、DXをデジタル庁を中心に一丸となって取り組んでいます。広島市も役所一丸となって取り組むことが必要ではないでしょうか。広島市はDXを進めるにあたって広島市デジタルトランスフォーメーション推進計画を策定し、一部の部署だけでなく全庁的にDXに取り組まれていると伺っています。

そこでお伺いします。広島市デジタルトランスフォーメーション推進計画の方針と進捗状況を教えてください。また市内部だけでは、専門的な課題もあり、円滑に進めることは困難と思われます。そこでお尋ねします。広島市デジタルトランスフォーメーション推進計画の推進等にあたって、外部有識者との連携はしているのか。またそれは有効に活用されているのかお聞かせください。

次に、市債残高の状況についてお聞きします。広島維新の会は財政健全化を重視しており、無駄な公共事業や予算の見直しを行ってまいります。また、地方分権や税制改革を通じて地方の自立性を高め、持続可能な財政基盤を構築してまいります。

地方自治体は道路や公共施設の整備など投資的経費の財源として市債を借り入れることができることとされています。市債は単年度に多額のお金を必要とする事業について、その費用負担をのちの年度に分割し、平均化する年度間調整機能、整備された道路や公共施設が現世代の住民だけでなく将来世代の住民にもサービスをもたらすことを踏まえて世代間の負担の調整する世代間調整機能を有しているわけでありますが、今年度に返済が必要である借金であることに違いはありません。先日の市長の所信表明演説では様々な大規模プロジェクトが掲げられていました。私としても国道2号線西広島バイパスの延伸事業や広島高速4号線の延伸など本市の活力と賑わいを生み出すための必要な事業ばかりだとも思っております。

しかし、必要だということでこれらのプロジェクトを含め野風増​​に市債を借り入れれば市の借金が膨らみ、その返済のための経費で予算が圧迫されてしまいます。そうなれば、他の重要な分野への予算が配分できず、市民の生活や本市の経済発展に悪影響を及ぼすことになりかねません。

こうした問題を防ぐには、市の借金の額、つまりは市債残高をコントロールすることが必要不可欠であると考えます。そこでお尋ねします。臨時財政対策残高等を除いた実質的な市債残高の状況はどうなっていますか。また今後の見通しはどうなっているでしょうか。お聞かせください。

最後にシンフォニーホールの整備についてお尋ねします。市長は所信表明の中で、シンフォニーホールの整備を視野に入れつつ、市民が日常的に平和文化に触れるまちづくりを進めるとありました。シンフォニーホールの整備について今後の取り組みや方向性についてお聞かせください。

以上で質問を終わります。初めての一般質問で、お聞き苦しい点もあったかと思いますが、最後までご清聴いただきありがとうございました。

市長)
大田議員からの質問にお答えします。若者支援についてのうち、地域活性化に向けた若い世代の就職支援への取り組みについての質問がございました。昨今様々な業種職種において人手不足が深刻化しており、広島広域都市圏においても少子化の進展と大都市への転出超過により主な働き手である15から64歳までの労働力人口は、令和2年の139万人から令和12年には130万人、令和22年には114万人に減少するものと予測されています。

また就職希望者も望む職種と受け入れる企業側が必要とする職種のミスマッチも見受けられるところであります。このような状況のもとで多様な市民が活力にあふれ生きがいを感じいきいきと暮らせるまちづくりを進めるためには地域の活力を生み出す雇用等の促進をはかり、高齢者や女性をはじめすべての市民の意欲と能力を発揮できる環境づくりに取り組む必要があります。中でも、若い世代の人材確保が重要であると考えております。

そこで、本市では若い世代の地元企業をより深く知ってもらい、地元企業への就職定着を図ることを目的に有給長期インターンシップを実施しているほか、感受性豊かな年代に対しては、中学校での職場体験学習や市立高等学校への企業の高校出前講座などを行っております。

また広島広域都市圏内企業の人材確保を支援するため東京関西圏からのUIJターンの促進、先ほど議員からご紹介のあった就職氷河期相談窓口のほか区役所での就労支援窓口の設置、今後の成長が期待できる企業の誘致などに取り組んでいるところであり、今後は移住支援にも取り組みたいと考えているところであります。


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