痴漢体験。
映画館で痴漢にあったことがある。
大学生の頃。
映画のタイトルは「戦場のメリークリスマス」。
女友達と一緒だったんだけど、映画館の席はガラガラ。
あの頃は、好きな場所に座れたんだっけ。
途中から、空いている左隣に男の人が座ってきた。
最初は特に気にしなかったけど、なんか、お尻に違和感を覚え、全然映画に集中できなくなっていった。
確実に触られている?
いや勘違い?
隣のおじさん、近くない?
少し右側、友達の方に身体を寄せても、やっぱりお尻に何かが当たったまま。おじさんの手?
何となく、おじさんの方を見るのが出来なくて、でも、どうしていいかもわからなくて、結構長い時間悶々としていた。
初めての体験で、実際、どうするべきかがわからなかった。
ただ、幸運だったのは、世間知らず・怖いもの知らずということ。
「やめてや、おじさん!」 大声で言った、私。
よく、痴漢にあうと、怖くて声をあげられない、とか、恥ずかしくて拒否できない と言うけど、
私は、恥かしいとは思わなかったし、女友達がいたので怖くもなかった。
エロいことに関して無知だったと思うし、おじさんが反撃する危険性も考えてなかった。
すると、おじさんは、すごすごと席を移動していった(出ていったわけではない)。
友達は「どうしたの?」って感じだった。
そのあとの方が、私は興奮した。
いや、性的に興奮したのではなく、なんか、犯罪を撃退したヒーロー的な高揚した気分で。
私って、カッコイイ!痴漢に負けなかった!的な。
映画が終わらないと、友達にこの武勇伝が話せない!
だから、早く終わることばかり考えていたっけ。
映画が終わったら、席を移動したおじさんは真っ先に出ていった。
やっぱり痴漢だったんだよね。
で、私は、友達に今体験した出来事を話して、悦に入ったわけですが、
結果的に、あの感動的な「戦メリ」の筋は、一切覚えておりません。
見に行ったはずなのに、全く覚えていない…。
勿体なかったな、と今では思う次第です。
許すまじ、痴漢。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?