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バレエの正体の話〜どんな作品がバレエ?どんな動きがバレエ?〜

みなさんこんにちは♡ソノです。
今日もバレエのお話。私の近年の大きな疑問であり、長年のテーマ、バレエって一体なに?という疑問のお話しです。

先に言うと、この記事ではこれといった解答をご提示できません。
しかし、
みんなが無条件に「バレエ」と言うもののの正体を考えることが、
現代ダンス史の流れを考える上で、今必要なことなのではないかなと思うのです。



この前とあるYouTuberさんの動画を見た時のことです。ダンスもバレエも全然関係ない男性の方々のチャンネルです。雑学はよくご存知の方のようです。

内容はジェスチャーゲームでした。
その中のお一人がジェスチャーで
手を前に下の方で組んで、片足をもう片方の足のくるぶしあたりに付くように軽く曲げたポーズをお一人がとっていました。お顔は右向きで。

このポーズを見て、回答者のお一人は「バレエ!」と、それが不正解と分かると次に「ピルエット!」と。

え?これがピルエットだと??!?!

ピルエットとはバレエパ(技)のひとつで、片足を曲げて回るもの。
この時腕は胸の高さで円をつくり、曲げている足はつま先が軸足の膝より上に来るパッセをつくるのが正確なポジションです。


コレはもう言わば当然のポジションで、これ以外の形はありえません。


しかし、
バレエを踊ったことがない人にとっては、両手が揃えられて、軽く片膝が曲がっていればバレエに見えるのかもしれません。
どれだけ腕を上げるかだとか、どこまで膝を上げるかはたしかに程度の問題ですから、、。


もしかしたら、バレエ作品を何作も見たことがある人だとしても、
実際にポジションを習っていなければ、正確なポジションなんてわからないのかもしれません。

では観客は何を見てバレエと言っているのでしょうか。


トゥシューズやチュチュに絶対性があった時代もあります。今もなおシンボル的存在ではあります。

また、三大バレエと呼ばれる『くるみ割り人形』や『白鳥のの湖』『眠れる森の美女』は全てマリウス・プティパが確立した上演形式に則っています。
マイム(ストーリーを進めるための演技シーン)+ディベルティスマン(ダンスを見せるためのダンスシーン)の形式で、3幕構成、グラン・パ・ド・ドゥが組み込まれているものです。
これが形式上はザ・バレエ作品と言える作品形式ではないでしょうか。

それ以前のバレエでは、
17世紀まで遡りますが、ピエール・ボーシャンによって5つの足のポジションやアームス(腕のポジション)が定められました。プティパ以前は動きそのものをもってバレエが認識されていたとも言えます。

しかし、20世紀以後、
バレエシューズの作品も現れました。(「シェヘラザード』とかね)
マクミランやフォーサイスの作品はバレエと言われることがありますが、チュチュでもなければ、もはやボーシャンが定めたポジションが守られているかどうか…

【画像】フォーサイス振付『Of any if and 』(チャコットワールドレポートより)


バレエのポジション…そう言われればそうも言える…
程度ではないでしょうか。


しかし、バレエは続いているのです。

バレエ自体も刻々と形を変えています。
これが20世紀以降のバレエです。
とても変動的なのです。

私はそのことに自覚的でありたいと思っています。
いつか、「これがバレエ」という条件を見つけたいというのは切なる願いです。

しかし、今はまずは、「バレエ」それ自体も形を変え続けていること、
ーバレエは今どんな形をしているのかー
を、注意深く観察するところから始めたいと思っています。

次はコンテンポラリーダンスの話もしたいですね。


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