姉が精神科病棟に入院した
2度目
数ヶ月前に仕事を辞め家で療養していたが回復の兆しがなく入院措置となった

主な症状は首が曲がること
とにかく首が傾いている
メンタルの何かしらで首に緊張が走っているらしい

前から主治医に入院もどうだろうかと言われていたが母が何色を示していた
入院したってねぇ
どっちにしろ薬飲んでゆっくりするだけだしねぇと

私は姉がしたいようにすればいいと言った
もし入院を勧められて姉もその方がいいと思うならそうすべきだ
そこに余計な他者のモノサシはいらない

しばらくして入院となった
見舞いに行った先の姉は相変わらず首は曲がっていた
肌の色は真っ白だった
腕は細かった
だが最近薬を変えたからと少しの希望を語っていた
心底その希望にすがりたいと思う
好転して欲しいと願う

幸いなことに入院してから付いてくれた先生が熱心で
脳神経外科の先生にも診せてくれて
首は薬の影響かもと言われたとのこと
光が見えた気がした
治る可能性の光

やっと少しホッとした矢先
母からメールが入る

私はもう疲れた
もう80だ
仕事も大変
お姉ちゃんのことも大変
迷惑だと思っているのか

突然の苦情メールになんの話かわからない
とにかく電話をするが
前日に昼ごはんなに食べた？と聞いた世間話が
気に障ったようだ

私は疲れている
遅く帰る日は惣菜など買って帰る
それは悪いことなのか？

そんな話しひとつもしていないのに
お昼何食べた？
〇〇だよ
そうなんだ
そんなたわいない会話だったのに

母には
そんな贅沢してなんなの
と聞こえたと言われた
被害者意識も甚だしい

電話でどうしても冷静になれなかった
そんな事全く思ってないのになんで勝手に
私には私にしか分からない辛さがあるんだよ
どうして自分だけが辛いと思うんだ
こっちだってお先真っ暗だ
声に出して言った

私は私の人生を自分の力で楽しく生きている
母にも姉にも経済的にも精神的にも頼らず

私の人生だけならばどんなに楽だろう
病の姉と悲劇の主人公の母

私の幸せを願ってくれない母
反面教師にしてはしんどすぎるって

最終的に
あなたは健康だからそう思う
私はもう疲れて果てて
と言われた

私は健康なのか
しんどいよ私だって
言わないだけなのに
我慢してるだけなのに

大好きだった母はもういない
母を大好きだと思う私ももいない
そんな母の日