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引っ越しと光回線とNUROと

先月引っ越ししました.結論から言うと,インターネット回線としてのNUROは開通すれば最高でした.この記事は,そのときに回線設置工事,新居での回線敷設工事,インターネット回線事業者選び,の合計3つの悪戦苦闘について書きたいと思います.

新居とインターネット回線と家庭内LANの目標

旧居では,インターネット回線として,U-NEXT光01のLAN形式サービスを使っていました.このサービスは,平均上り90Mbps 下り90Mbpsと,ほぼサービスの上限値が出ており,満足の行くものでした.当然,新居でも,それと同等以上が回線が欲しくなるのが人の性というものです.加えて,新居では,かねてより私の大学時代からの夢であった,各部屋にLANコンセントを敷設するつもりでした.まさにそこそこの回線と有線LANを敷設することで,家中で高速インターネットを実現しようというのが私の目標ということになったのです.

まず,新居に敷設できるインターネット回線が問題です.調べてみると,以下が現状使えることがわかりました.

1. フレッツ光 VDSL
  上り100Mbps/下り100Mbps
2. auひかり VDSL
  上り100Mbps/下り100Mbps
3. イッツコム光 マンションタイプ VDSL
  上り10Mbps/下り160Mbps

何これ・・・・ギャグですか.特に上り10Mbpsって・・・・ダイヤルアップですか?ピーゴロゴロってなるんですか?ここで,新居のインターネット回線はフレッツにするしかないか・・・と諦めモードになっていきました.

最悪の営業とプロバイダ選び

さっそく,フレッツの公式サイトに行ってみると,そこにある情報は,「キャッシュバック」,「お安い」,「おまとめ」情報のオンパレード.まったく,そのほかの情報が入ってこない.意気消沈して,エントリフォームで連絡先を入力し,送信.一営業日後に電話がかかってきた.営業のいうことはこの3点ばかり.

1. この電話で成約すれば3万円キャッシュバック
2. プロバイダはA社にしてください.そうすると2万円キャッシュバック
3. キャッシュバックは〜〜まで.この電話でとにかく仮契約しろ.

営業は電話口で「今,とにかく成約して,あとでキャンセルしてもいいです,いまやらないと5万円のキャッシュバックがなくなります!!!」これを狂ったように叫ぶ.友達から,IPv6にすると多少速くなると聞いたので,そのプロバイダでもIPv6は対応できんの?って聞いたら・・・・・「知りません,上司に聞きます,折り返しお電話します」の返答・・・・.お前キャッシュバックより,そっちだろ,知っておくべきことは.なんじゃそりゃ.ここで一旦電話を切りました.

この辺りでNURO光の情報がネットから入ってきました.NURO・・・・上限2Gbpsでなるほど速いとのこと.ただ,工事がややこしいという情報がTwitterで溢れている.不安になるので,NUROのサポートに電話してみると,「対応エリアとして大丈夫だから,課題は工事可能な建物であるかにかかっている.一度,お宅に行かせてほしい,光ファイバが敷設できるかを調べられる.無理だったら,その場で解約になります.」という返答が来る.悩みながらも,一度,来てもらうことにする.

ここで疑問に感じることは,なぜNURO光は敷設できるのに,フレッツ光のVDSLしか敷設できないのか・・・・と私は疑問に思いました.ネットにある情報や仕様を読む限り,NURO光のバックボーンは,NTTの光ファイバだからです.実際には,フレッツ光のサービスのために,私が住む建物自体には,NTTがNUROよりも先に光ファイバを引いていることがわかりました.NUROは,各部屋に光ファイバを引くのに・・・・NTTは引かない・・・・意味がわからない.

NUROの開通までのgdgdサポート

NUROのサポートは,工事の人が確認にいく日取りを決めて電話を切りました.そこで私がネットでNUROの工事についてネットを調べると・・・・出るわ,出るわ・・・NUROの工事についてのネガテイブな情報と,顧客(つまり私)がやらないといけない事務作業が.顧客が宅内工事までにやらなければならない作業は,以下でした.

1.管理会社等への作業内容の連絡と許諾
2.許諾が得られたなら,MDFの場所を管理会社等に教えてもらう.
3.そこへのルートが施錠されている場合,そこまでの鍵とMDF自体の鍵(ただし,MDFは共通鍵で施錠されることが一般的なので,通信業者であれば,管理会社等にMDFの鍵を借りなくても大丈夫なはず).

とりあえず,管理会社に電話.返答はネットにある定型で「外壁への穴あけ,ビス留めはNG.それ以外はOK」というものだった.管理会社の担当者さんに管理人さんへの連絡をお願いし、工事のこと,工事の人が確認にくる日取りを伝えてもらう.この一連の作業をNUROがやらないというのが意味がわからないが,全部顧客がやらなければならないのだ.しかも,電話での申し込み時に,これらの作業が必要なことがほとんど触れられていない.ネットの情報を知らない人の場合,確認(宅内工事)が出戻りになる可能性もある.NUROのサポートというか,工事に対する顧客への支持がまったくないのだ・・・・・.私のようなエンジニアが顧客の場合、ほとんど仕組みがわかっているので、どこに電話するべきか、どこを開けてもらうのかが直感的にわかるが、そうではない人にとっては、この一連の作業は、かなりしんどいものだと考えれます.

戦慄のマンション壁内配線

NUROの申し込みと並行して,新居の工事が進んでおり,宅内LANの仕様を私は組んでいました.新居では,デフォルトで各部屋にケーブルテレビのアンテナ線と,アナログの電話線のコネクタが敷設されています.普通に考えると,それらの配線は,マンションの共用部の配管から来ており,それがどこかで分岐し,各部屋に配線されていることになります.当時,私は,新居の間取りを見ながら・・・・どこに分岐装置あるいは分岐部分があるのかと悩んでいました.なぜなら,まったく,それが見当たらないからです.NUROに宅内工事を申し込んだころ,新居の解体が終了し,業者から打ち合わせの連絡が来ました.そこで,新居に乗り込んだ私は・・・・解体された部屋で,恐ろしい形で配管を知ることになったのです.

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写真中の手前の白い箱が電話回線です.これに写っているケーブルと配管類は,すべて床下にあったもので・・・・お分りいただけるだろうか・・・・なんと,分岐装置は床下にあり,さらに,共用部からくるCD管(図中のオレンジ色の管のひとつ)は,床下で分断され,それが5つに中空で分岐していたのです.共用部の配電盤から新しいケーブルを通そうとしても,絶対に不可能なのです.上の写真のグレーのケーブルがアナログ電話線,白のケーブルがNUROの宅内光ファイバです..さらに,ケーブルテレビのアンテナ線は,CD管を使っておらずまったく別ルートで自由に引き回されていたのです.拡張とか・・・メンテナンスはどこにいったのでしょうか・・・・・.

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上図は,マンション内の配線の簡易図です.見えない床下で,中空に分岐する配管から配管へ,配電盤から入れた通電ワイヤーを通せる確率は,ほぼゼロである.設計者は,メンテナンスとか考えなかったのだろうか・・・・・.ここで,私は,フレッツ光が敷設できない理由を理解しました.この配線設計が諸悪の根源だったのです.この構造にしたから,マンションのMDFまで光ファイバが来ても,既存の銅線を用いて,VDSLで各部屋までの接続をするしかなかったのです.しかし,初期設計の人は・・・・分岐箱が壊れるという事態を想定していないのだろうか・・・・.もしケーブルの途中をねずみがかじりでもしたら・・・・.恐ろしい.

この解体された状態でNUROから宅内工事に人が来たため,私は,光ファイバを共用の配電盤から引くことができました.もし,リフォームが終了し,新しい床が敷設された後だと・・・・・NUROは引けなかった可能性すらありました.しかし,今回のリフォーム業社は,なかなかにすばらしい方でした!!!!私が指示した仕様には含まれていなかったのですが・・・・数日後に工事中の新居に行くと,こんなものが!!!!!設置されていたのです!!!!!!!!

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なんと!!!!!!床下の分岐ポイントにアクセスするための点検口が!!!「sonsonさんがLANやインターネット回線について熱い思いを語っておられたので,サービスでおつけしました.ご自身でLANを引いたり,回線を更新したりする時にお使いください.」とのこと!!!!GJ!!!!!!!!!

NUROの宅内工事

上述の通り,結論としてはNUROの宅内光ファイバは通りました.そのときのことをざっと説明します.導通可能性を確認しにきたNUROの人は,MDFとIDFを見て,この建物ならNUROを通せるので,宅内工事を早速始めましょうと言い出し,ざくざくと光ファイバの設置工事を始めました.工事自体は,建物内のMDFから,各階のIDFを通じて,私の部屋に光ファイバを通すものでした.工事の人は,個別の部屋から部屋内の(床下であった)分岐点まで光ファイバを通し,IDFから導通ワイヤーを私の部屋に通し,部屋からIDFまで光ファイバを引っ張って,IDFから部屋までの光ファイバを通しました.その後,彼は、MDFから導通ワイヤーをIDFまで通し,光ファイバをMDFまで引っ張って,宅内工事を完了させました.そのNUROの人は,「工事はこれだけではなくて,もう一回やります.次回工事の連絡はso-netからまた来ます.」という感じの内容を最後に言いました.

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そう・・・・この次回の工事こそが・・・・NURO開通までの大きな障害だったのである。

続く

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